銭湯でパクチーの香りに全身ポカポカ包まれる「パクチー風呂」に入ってきた!

Excite Bit コネタ

2018/3/12 11:15



以前、大阪市住吉区にある「朝日温泉」という銭湯を取材させてもらった。風呂桶を使ってカーリングしたり、女湯から男湯に向かって壁越えの吹き矢をしたりする競技大会「オフロンピック」を開催したかと思えば、浴場内にお化け屋敷を作ったり怪談をしたりする「湯~れい温泉」というイベントを企画したり、とにかくなにかと面白いことをやっている銭湯なのである。

その「朝日温泉」で、毎月8日・9日の2日間限定で「パクチー風呂」というものに入れると聞いた。「パクチー風呂」……? とりあえず、「8」と「9」がパクチーの語呂合わせだというのだけなんとなくわかる。

10数年前に初めてタイ料理店でパクチーを口にした時は、どうしても違和感に勝てず、パクチーだけを苦心して皿から取り除いて食べた。その後、なんのきっかけだったか忘れたが、ふいにその違和感を克服することができ、気づけばパクチーが好きになっていた。そんな、割と一般的なルートをたどってパクチー好きになった私だが、今までに「パクチーの風呂に入りたいなあー」と感じた経験はない。というか、どんなものなのか想像できない。それゆえ、一度試してみたくなった。

というわけで、2月9日、朝日温泉にやってきた。


貸切状態のパクチー風呂に入ってみる
店主の田丸正高さんに許可をいただき、オープン前にその様子を撮影させてもらうことに。朝日温泉は浴場の奥に露天風呂があるのだが、その露天風呂が「パクチー風呂」になっているそうだ。

ドキドキしながら進む。


近づいていくと、


青い! そして、


すごいパクチーの香りだ! 予想以上のパクチー感である。

一度外に出て、オープン後にあらためて入浴させていただくことにした。地元の方々に愛される朝日温泉はオープンと同時に多数の常連さんが集まるのだが、みなさん内湯に入っており、「パクチー風呂」は私ひとりの貸し切り状態。

全身を青い色の湯に沈めてあらためて感じるのが、パクチーのあの独特の香りだ。ただ、確かにパクチーの匂いではあるのだが、お風呂として不思議と違和感がない。たまに銭湯に「薬草風呂」などと銘打ったちょっと漢方薬っぽい匂いのするお風呂があったりするけど、あれの仲間のように感じる。なんだか体に良い湯に浸かっているような、得した気分である。

また、その香りも最初こそ「うわ! パクチーだ!」と笑ってしまったが、浸かっているうちにすっかり気にならなくなってしまう程度である。一度パクチー風呂を上がり、内湯に浸かってみて、しばらくして「パクチー風呂」に戻るとそこであらためて「うわ! やっぱりパクチーだ!」と感じるような程度で、すぐに慣れることができる。

パクチーのコストを抑えるために試行錯誤
「朝日温泉」の店主・田丸さんによれば、「パクチー風呂」は1年半ほど前に始まった企画で、大阪市中央区に店舗を構えるパクチー料理専門店「GoGoパクチー」の発案によるものだった。

今はお湯の中に「パクチー風呂の素」という入浴剤を溶かし込んでいるが、


開始当初は乾燥パクチーを湯舟に入れていたそうで、お湯の色も無色透明だったという。スタート時から今の形になるまで色々と試行錯誤があったらしい。そこで、「パクチー風呂」を監修した「GoGoパクチー」の店主・田淵雅圭さんにさらに詳しくお話を聞いてみることにした。

――「パクチー風呂」に入らせてもらったのですが、新鮮な感じもありながら、あの香りが自分としてはしっくりきて、ついつい長湯してしまいました。そもそも「パクチー風呂」という企画を思いつくまでにどういう経緯があったんでしょうか?


「きっかけは、とにかく『パクチーに囲まれたい』という想いが高まったことですね(笑)。2014年に自分自身が大好きなパクチーをふんだんに使用したパクチー料理専門店『GoGoパクチー』をオープンしました。パクチー料理専門店を運営するうえでパクチーの必要量が多く、パクチー農家さんと直接つながることによって、パクチーを安定して入手できるルートを形成できました。『パクチー風呂』に入ることは店舗オープン以前からの夢だったのですが、パクチーの入手ルートを確立できた事によってついに実現する事ができました」

――当初はご自宅で試されていたということですか?
「そうなんです。お店にパクチーがふんだんにあるので、その中で状態が悪くなってきたものを持ち帰って楽しんでいました。生パクチーをそのまま浴槽に投入していたのですが、生パクチーだけだと、香りが出づらいし、一日しかもたないんです。さらに、一回に使用するパクチーを金額に換算すると高すぎるんです(笑)なかなか現実的ではない部分が多くて」

――パクチー料理の専門店をやっている方ゆえに入れる贅沢なお風呂だったわけですね。
「ただ、これはあくまで私の体感で医学的な根拠があるわけではないのですが、パクチー風呂に入ると、入浴後にあきらかに普段とは違う発汗量と身体のポカポカ感があって、体臭もキレイに抜ける感覚があったんです。これを広く普及させられないかと思い、そこから試行錯誤が始まりました」

――自宅で色々実験をしていったわけですか?
「使用するパクチーを変えて色々と試していきました。まずは国産の乾燥パクチーに変えてみました。これなら生パクチーと違ってお湯を替えなければ2日~3日使用できるので経済的なんです。発汗量、温浴効果の高さ、消臭効果は生パクチーと同等でした。ただ、これでもまだまだ一度の使用量に対する単価が現実的でないほど高い(笑)また、生パクチーよりも香りが薄れてしまい満足感が足りない気がしました。そこで次に試したのがタイから大量に輸入したフリーズドライのパクチーでした。日持ちしますし、実感できる効果も同等で、国産のものより大幅にコストダウンできました。ちなみにこの方法で、2016年8月9日に初回の『パクチー風呂』を『朝日温泉』で開催させてもらったんです」

――なるほど! それが記念すべき第一回のパクチー風呂だったんですね。お湯が無色透明だったという。
「はい。それでもやはり一度の入浴に対してのコストが高価なので、家庭でも毎日楽しめるぐらいの価格でなんとか商品化できないかと考えるようになっていきました。そこで入浴剤メーカーさんに相談し、大きなロットで生産することで一回の入浴あたりのコストを大幅に下げることができました。香料メーカーさんに依頼して、パクチーの香りをしっかり再現してもらうこともできましたし、せっかくなら入浴剤としても品質の高いものを作りたかったので、ヒアルロン酸・ショウガ根茎エキス・コラーゲンを配合したものとして製作しました」

――パクチーの匂いに包まれたいという思いから入浴剤を作るまでに至ったわけですね。すごいです。そうやってできた入浴剤を使って銭湯で開催されているのが現在の「パクチー風呂」ということですね。
「はい。大阪市住吉区の『朝日温泉』、大阪府池田市の『城南温泉』、大阪市東淀川区の『昭和湯』、大阪府門真市の『巣本温泉』の4カ所で毎月8日、9日に開催しています(場所によっては8日、9日どちらかだけの開催の場合もあり)。それとは別に、毎年8月9日に日本各地の銭湯に協力してもらって複数の場所で『パクチー風呂』を実施しています」

――実際に「パクチー風呂」に入ったお客さんからどんな感想が寄せられていますか?
「喜んでいただいてる方からは『いい香り』、『身体が温まる』、『肌がしっとりする』という感想をいただいています。『パクチーは食べられないけど、お風呂なら楽しめた』という意見もあります。逆に、否定的な意見としては『香りがキツい』の一点のみです(笑)」

――「GoGoパクチー」では「パクチー風呂の素」として通販でも入浴剤を販売しているそうですね。


「2017年の8月9日から『GoGoパクチー』の店頭とネット通販で販売しています。今は母体である飲食業に比重をかけてしまっているのでPR活動をあまり行えていないのが現状ですが、パクチー好きの方、お風呂好きの方、美容・健康に関心が高い方にぜひ試してみていただきたいです」

――ありがとうございました!
パクチー好きが高じて、パクチーの湯に浸かりたい!と思い、果ては入浴剤を開発するまでになった田淵さん、その勢いにアツいものを感じた。前述した通り、「パクチー風呂」には大阪の4つの銭湯で毎月入れるほか、毎年8月9日の特別なイベントでも体験できる。なかなか大阪までは行けない!という方は通販サイトで入浴剤を購入し、ご自宅でチャレンジしてみてほしい!
(スズキナオ)

取材協力:
「GoGoパクチー」
住所:大阪府大阪市中央区博労町4-7-3 T3SHINSAIBASHIビル
「パクチー風呂の素オンラインストア」

「朝日温泉」
住所:大阪府大阪市住吉区住吉区南住吉3-11-8

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