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『ア・リンクル・イン・タイム』サウンドトラック(Album Review)

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2018年3月9日に全米で公開されたディズニー映画『ア・リンクル・イン・タイム』(原作:五次元世界のぼうけん)。本作は、『グローリー/明日への行進』のエイヴァ・デュヴァーネイが監督、日本でも爆発的な人気を博した『アナと雪の女王』の監督=ジェニファー・リーが脚本を手掛け、オプラ・ウィンフリーやクリス・パイン、リース・ウィザースプーンなどの人気俳優が出演している。

音楽を担当するのは、大ヒット作『プリズン・ブレイク』を担当したラミン・ジャヴァディ。その他にも、『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズや『アイアンマン』、『パシフィック・リム』等のヒット作を手掛けている。

公開同日にリリースされたサウンドトラックのゲスト陣も豪華。何といっても目玉はシャーデーの「フラワーズ・オブ・ザ・ユニヴァース」だろう。2011年に発売されたベスト盤『アルティメイト・コレクション』からのシングル「スティル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー」以来7年振りの新曲で、監督のエイヴァがツイッターでシャーデーに敬意を表し、サプライズ・リリースすることを発表したことも話題となった。監督自らオファーしたとのことで、シャーデーのジャジーで幻想的な音楽が、映画のイメージとリンクしていることが伺える。

楽曲は、メンバーのシャーデー・アデュとアンドリュー・ヘイルによる共作。代表作「スムース・オペレーター」(1984年)や「キス・オブ・ライフ」(1992年)にような強烈なインパクトはないが、ピアノとアコースティックギターのシンプルな演奏と、アデュの落ち着きに満ちたボーカルが見事に重なり合った美しいバラードに仕上がっている。地味なのに、説得力抜群。過去の作品でいうと、「ハウント・ミー」(1988年)や「ライク・ア・タトゥー」(1992年)に近い感じか。どのアーティストでも絶頂期と衰退はあるが、ここまで独自のスタイルを貫き、サウンド、演奏、ボーカル共に変わらないグループはいない気がする。

ディズニー・チャンネルの映画『キャンプ・ロック』でブレイクしたシンガー/女優のデミ・ロヴァートと、DJキャレドの初コラボ「アイ・ビリーブ」は、映画のサントラらしい壮大なミディアム・ポップ。フロアライクなこれまでのヒット曲とはタイプが違うが、R&Bの質感もほどよく分配されている。ただ、DJキャレドの必要性がイマイチ分からない(プロデュースはしているが)。映画のシーンも登場するミュージック・ビデオでは、プリンセス(魔女?)のような、赤いドレスを纏ってエモーショナルに歌うデミが抜群の存在感を放っているが、ここで登場するDJキャレドも、ビデオのイメージに全くそぐわない……。

シーアが提供した「マジック」は、これから何かが起こりそうな予兆をみせるヴァースから、壮大なサビに入る代表曲「シャンデリア」の構成を引用した、ドラマティックな1曲。シーアらしくもあり、映画の雰囲気にもピッタリはまっている。ケラーニの「レット・ミー・リブ」も、個性を出し過ぎず、ディズニー映画の世界観を描いたいい曲だ。

映画は、映像や台詞に気を取られてしまい、初見ではなかなかバックで流れる音楽に集中することはできないが、冒険の始まりを予感させるタイトル・ナンバーや 幻想的な「タッチ・ザ・スターズ」、空想に浸る「イズ・ディス・ア・ドリーム」、弦とピアノのハーモニーに、ハミングが加わった「ソーリー・アイム・レイト」など、インストゥルメンタルも単体で聴くと細やかで、凝った作りになっていることが分かる。これらの曲を、是非映像と一緒に聴きたいところだが、日本での公開日は現在(2018年3月)のところ決まっていない。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
『ア・リンクル・イン・タイム』
サウンドトラック
2018/23/9 RELEASE


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