3.11の真実“亡くなった大切な人の霊と出会った” 丸田佳奈が涙ながらに持論「非常に意味がある」

東日本大震災から7年となる3月11日、読売テレビの報道系バラエティ番組『そこまで言って委員会NP』では「ノンフィクションライターが迫った3.11の真実」をテーマに取り上げた。ノンフィクションならではの生々しい描写とパネリストによる歯に衣着せぬ討論は、2011年3月11日に起きた大地震と津波、それに伴う原発事故による当時の気持ちを思い出させた。

福島第一原発事故の内幕を暴いた『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』の著者でノンフィクション作家・門田隆将氏、沖縄米軍海兵隊の「トモダチ作戦」を立案し『トモダチ作戦 気仙沼大島と米海兵隊の奇跡の“絆”』を出版したロバート・D・エルドリッヂ氏、そして『魂でもいいから、そばにいて 3・11後の霊体験を聞く』を書いたジャーナリスト・ノンフィクション作家の奥野修司氏をゲストに迎えた。

奥野氏は恩義のある医師から「被災地では霊体験がたくさんある。これを調べるべきだ」と言われ、当初はノンフィクションのテーマに馴染まないと気が向かなかったがしぶしぶ取材を始めた。

2013年夏ごろから津波で亡くなった大切な人の霊と出会ったという話が入ってきた。ただ体験者は、その出会いを怖がるどころか喜ぶのだ。

たとえば宮城県南部で津波により39歳の妻と1歳10か月の娘を亡くした男性の場合、自宅の仏壇には骨壺が2つ置いてある。子どもを失った遺族の多くは「冷たい墓の下には置きたくない」との思いから納骨していない。その男性も「納骨しないと成仏しないというが、成仏してどこかにいっちゃうなら成仏しないでそばにいて、いつも出てきてほしい」と話した。

妻と娘の遺体は3月24日に見つかり、4日後に火葬した。その日、夜中に目が覚めると目の前に2人がいた。妻の膝に乗りながら娘が手を振るので「おいで、おいで」と泣きながら手を伸ばしたら目が覚めた。でも目を閉じると同じように2人の姿が見えたので「これは夢ではない」と感じたそうだ。

4月11日の夜、夢の中に妻が現れ「戻りたい」とひと言だけ告げた。それから5年が過ぎ、彼は「これからどういて生きていけばいいのか」と悩んでいると、妻が夢に出て「今は何もしてあげられないよ。でも、信頼してる」と穏やかに話しかけてきた。彼も「うんうん」とうなずき、妻と「急がないから…待っている」「本当に?」「じゃあね約束だよ」とやりとりして指切りを交わした。彼はそれによって「自分が死んだ時、最愛の娘と妻にいつか再会できるんだ」と思え「生きる希望を持てた」という。

石巻市で津波により3歳の長男・コウちゃんを失った母・ゆりさんは次のように話す。震災から2年後の春、家族で食卓を囲んでいる時に長男が寂しく思っているのではと祭壇の方を向いて「コウちゃん、こっちで食べようね」と声をかけた。ゆりさんが続けて「いただきます」と言った時、長男が大好きだったアンパンマンの手押し車が「いきなり点滅してブーンと音を立てて動いた」という。家族みんなが嬉しくなって「あっ、コウちゃんだ」と叫んだ。

ゆりさんは、津波に飲みこまれて子どもが最後に口にしたのが、泥が混じった冷たい海水だと思うと苦しくてたまらなかったという。その辛さはずっと消えなかったが、アンパンマンのおもちゃの車が動いたことで「コウちゃんに見られている」「私はそう簡単に死ねないんだと気づいた」のである。

また、津波で祖母を亡くし「大好きだったおばあちゃんを助けられなかった」と気に病んでいた孫娘はある日、亡き祖母が部屋に現れ「本当はな、怖かったんだ。でも、おばあちゃんは大丈夫だからね。心配しなくてもいいよ、みんなのこと、よろしく」と微笑んで消えた。

そのように数々の不思議な体験を取材してきた奥野氏は「彼らは語ることによって、死者と共に生きようとしているのだと思う」「僕たちにできるのは、彼らに寄り添い、その悲しみを静かに聞いてあげることだけです」「彼らの体験を非科学的と否定せず、普通に受け止める社会になってほしい」と願う。

スタジオでひな壇に座るパネリストたちもしんみりと聞き入っており、軍事ジャーナリストの井上和彦氏や産婦人科医でタレントの丸田佳奈は涙をこらえきれなかった。

それでも丸田は「これだけ泣いている私が言うのもなんですが」と持論を述べた。遺族が心の傷をいやしていく心理は4段階あり、その最終段階に「故人への思いの再配置」がある。「故人との関係性を見出してその後の生活をやっていくことを遺族自身がやっている」「そうした心理により、おもちゃが動いたりすることに対して“あ、子どもだ”“おばあちゃんだ”と思うのではないか」という。

ただ、海外の科学者には最終段階に行くのは元の健康に戻るよりもさらに人格的に一歩成長しているとの説もあり、彼女も「だから、それを昇華するのは非常に意味がある」と考えていた。

そうした見解も含めて奥野氏は最後に「復興は形のあるものだけでなく、形がないものをもうちょっと見つめてほしい」と訴えた。

7年前、未曽有の大震災から日本中がやり切れない思いに包まれた。しかし、一方では「何としても被災地を復興させ、日本を元気にしよう」と気持ちは一丸となったはずだ。その思いを忘れるにはまだ早い。

画像は『丸田佳奈 2018年3月10日付オフィシャルブログ「出演情報:そこまで言って委員会NP」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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