ガルパンから歴史を学ぼう⑩ 継続高校 =フィンランド軍→なんで「継続」なの?

あにぶ

2018/3/8 22:26

皆様、お久しぶりでございます。5年連続で行っていた大洗海楽フェスタに今年は行けなくなった金剛でございます…(ノД`)・゜・。

あんこう祭には昨年行けずじまいでしたが、まさか海楽フェスタまで行けなくなってしまったとは…ええ、本業の方が忙しくてですね…

そんなこんなで、悲しみに暮れている中、このコラムを書いておるのですが、ようやくこのシリーズも10回を迎えたことが、書いている途中で気づきました(笑)少しでも多く書いて、少しでも皆様に見て頂けるコラムにしたいと思いますので、最後までお付き合いをお願いいたします<(_ _)>

Contents

1 継続高校 の三人組にまつわる話2 三つの戦争を戦い抜いた、大戦中の数少ない独立国「フィンランド」3 ナチスドイツのフィンランドへの干渉4 ソ連侵攻作戦「バルバロッサ」の裏側で5 負けに負けたフィンランド軍6 フィンランドの停戦とその後の「ラップラント戦争」7 継続高の由来を少しでも知ってもらえると、嬉しい!■継続高校 の三人組にまつわる話

さて今回は、2015年11月に公開された、劇場版で初登場したと同時に、今や人気キャラとして君臨する、継続高校の三人組にまつわる話を書こうと思います。

継続高校の3人のモチーフは、かなり有名な話ですが、まるで「ムー〇ン」の三人組というのは、皆様わかると思います。特に、人気キャラになりあがったミカは、どう見ても「スナ〇キ〇」でしょう。

「~~だとは思えない。」「~~すればいいっていうものではない。」

とか、ああ言えばこう言う、とかまさに「スナ〇キ〇」(笑)

という事は、この三人の高校名である「継続高校」はフィンランド軍がモチーフか、ということに気づくでしょう。彼女らが乗る「BT-42」戦車(Wikipediaでは突撃砲カテゴリーになっていましたが)は、史実ではフィンランド軍が、冬戦争時に、ソ連軍から鹵獲した「BT-7」戦車を、魔改造したというエピソードがあります。ちなみに、前にもお話ししたかもしれませんが、ガルパンに搭乗する戦車が新たに増えると、連動するように、初登場する戦車のプラモデルがプラモショップから消えるという現象が起きています(笑)

2013年に、筆者が大阪のある大手プラモショップに行ったところ、あんこうチームの乗る「ドイツ4号戦車」が丸々消えていたという現象を目の当たりにしております(笑)

同じように、劇場版で、継続高校の面々が乗るこの戦車も、丸々ショップから消えており、最近の話では最終章第一話で登場した初登場戦車「イギリス菱形戦車」が丸々消えていたとか(笑)

もー、日本人の流行は、素早くて面白いですね(笑)

ではこの「継続高校」のモチーフがなぜフィンランドか、という事ですが、実はこの「継続」というワードの元ネタは、第二次大戦中、フィンランドが国の存亡かけて戦った「継続戦争」からきていると思われます。

今回は、第二次大戦中に、フィンランドが宿敵ソ連を相手に戦った、継続戦争について簡単に解説いたします。

■三つの戦争を戦い抜いた、大戦中の数少ない独立国「フィンランド」

まず、継続戦争を語る上で1939年に起きた「冬戦争」を語る必要があるでしょう。フィンランドは元々、第一次大戦前に、スウェーデン、ロシア帝国の強い支配を受けていましたが、1917年のロシア革命により独立した歴史を持ちます。特に帝政ロシア時代には、同国から強い支配を受けていたことで、フィンランド国民のロシアに対する敵対心は強い物がありました。

そして独立後、1939年のドイツ軍によるポーランド侵攻で始まった第二次大戦では、独ソ両国が、ポーランド侵攻前に結んだ「独ソ不可侵条約」には密約がありました。その密約は、ソ連がバルト三国とフィンランドを支配下に置くことをドイツ側に認めさせるという内容でした。

密約通り、ポーランド戦後、ソ連はバルト三国に進駐。そしてフィンランドにフィンランド国内にソ連軍を駐留させることと、領土割譲を迫りますが、フィンランドはこれを拒否。こうしてソ連は、大軍をフィンランドに大軍を差し向けます。これが「冬戦争」(ソ・フィン戦争)です。

1939年11月、大軍を差し向けたソ連軍でしたが、相手が小国と甘く見ており、約2週間分の弾薬と食料しか持たずに侵攻を開始。しかしフィンランドの地形は深い森林地帯であり、ソ連軍は大量の戦車を突破させようとしましたが、あちこちで立ち往生し、更に、地形を知り尽くし、ほぼ全員が生粋のスキーヤーというフィンランド軍に、あちこちで包囲殲滅されます。結果、ソ連軍はフィンランド軍の数倍の損害を出しますが、結果的には力押しをしたソ連軍によって、フィンランドは講和に応じ、結果としてフィンランドは国土の1/10を割譲、冬戦争は終結します。

各国メディアは、この戦いをフィンランド軍の善戦にちなんで「雪中の奇跡」と報道します。これによってフィンランドは独立を保ちますが、冬戦争後も横暴な干渉を続けるソ連は、フィンランドにとって脅威でありましたが、ここにきてフィンランドに接近する国がありました。ドイツです。

■ナチスドイツのフィンランドへの干渉

ドイツは、「バトル・オブ・ブリテン」(英国への攻撃)失敗後、その矛先をソ連に向け、ソ連侵攻の準備に当たりますが、北欧でソ連領に隣接するフィンランドから、ソ連領を攻撃したいという思惑と、フィンランドにある重要資源である「ニッケル」の鉱山地帯を抑えたいという思惑がありました。

フィンランドは、それまで、フランス、イギリス、スウェーデンから支援を受けましたが、これらの国がドイツの西方電撃戦や、北欧作戦でドイツの軍門に下り、(スウェーデンは独立を保ったが、バルト海を抑えられドイツに経済的依存をする)もはやフィンランドに支援をしてくれる国が無い状態でした。そこにドイツ軍がフィンランドに接近したことは、本意かどうかは別として、もはや支援を期待できる国が無いフィンランドの選択肢としては、ドイツと手を組むしかありませんでした。

フィンランドは、フィンランド国内のドイツ軍駐留を認めますが、この事実からソ連軍はフィンランドの都市を爆撃。これによってフィンランドは、ソ連への宣戦布告を決定します。

■ソ連侵攻作戦「バルバロッサ」の裏側で

そして1941年、ソ連全面でドイツのソ連侵攻作戦「バルバロッサ」が開始されると、この極北の地域でも、ドイツ軍とフィンランド軍が行動開始。これが、「銀狐作戦」と呼ばれる作戦です。この作戦の目的は、極北のソ連領にある、ムルマンスクという、ソ連にとって数少ない「不凍港」がある街を攻略することにありました。

話はそれますが、人気ソーシャルゲーム「アズールレーン」で現在行われているイベントで、この「ムルマンスク」という言葉が登場していますが、この元ネタはこの極北のソ連領内にある不凍港だと思われます。

一方、フィンランド軍主力は、冬戦争で奪われた、ラドガ・カレリア方面で攻勢を開始。フィンランドはこの戦いを、あくまでもソ連侵攻が目的ではなく、冬戦争で失われた失地を回復するための戦いと世界にアピールするために、冬戦争に続く「継続戦争」と名付けます。

これが、ガルパンの「継続高校」の元ネタと思われます。

ラドガ・カレリア方面に集結した、フィンランドの精鋭部隊は、瞬く間に冬戦争時に奪われた地域を取り返します、しかし、ここでフィンランド軍は、目的を達成した為、進撃を停止。ドイツの更なる進撃要請をかわしながら、以後フィンランドはアメリカを通じて、戦争離脱の機会を伺います。

■負けに負けたフィンランド軍

フィンランド戦線では、1941年~1944年6月まで、ほとんど戦闘らしい戦闘は起きておらず、地域によってはソ連軍の散発的な攻撃がありましたが、地獄の東部戦線と比べ、平穏な時間が過ぎていたとされています。その間、フィンランドは戦争離脱のための講和を幾度も行いますが、1943年以降、東部戦線でのドイツ軍の戦況が悪化すると、ソ連側のフィンランドへの対応も横暴になり、ソ連側の要求をフィンランドは拒否しなくてはならなくなります。そして1944年6月、再びソ連はフィンランド前面に大軍を送り込み、再びフィンランドへ侵攻を開始。

この頃のソ連軍はドイツ軍との死闘により鍛え上げられ、戦車等の兵器も恐竜並みに進化を遂げ、冬戦争時とは比べ物にならないほど、ソ連軍は強力になっていました。この最強の軍隊にフィンランド軍は、相次いで撤退を開始し、1941年の継続戦争開始時に奪い返した領土のほとんどを、約6週間で失う事になります。こうしたソ連軍の動きに対し、フィンランドはドイツに支援を要請。特に対戦車兵器の支援を懇願します。ドイツ側は支援の見返りとして、ドイツ抜きで講和を行わないことを条件にフィンランドへ大量の兵器の支援、そしてドイツ軍部隊による援軍をフィンランドに送り込みます。

このフィンランドの行動に激怒したアメリカは、外交チームを帰国させています。

■フィンランドの停戦とその後の「ラップラント戦争」

こうして、兵器の支援を受けたフィンランド軍は、各地でソ連軍に対し防衛戦闘を開始し、ソ連軍を苦しめ、決戦となった「タリ―イハンタラ」の戦いでついにソ連軍の攻勢を阻止し、このタイミングで停戦講和に臨みます。この講和で、フィンランドは多くの領地割譲と、多額の賠償金、そして自力でのフィンランド国内に駐留するドイツ軍の排除を突きつけられ、フィンランドはこれを呑むことになります。

フィンランド国内には、ラップラント(フィンランド北方の総称)にドイツ山岳軍の約22万人が駐留していました。この部隊は、この地域にある需要資源「ニッケル」の鉱山地帯を防衛するために張り付けにされていましたが、フィンランドとソ連の講和が成立すると、この部隊はノルウェーへの撤退を開始します。しかし、このような大軍がすぐに撤退できるわけもなく、自力でのドイツ軍排除を突き付けられたフィンランドとはいえ、両軍共に関係は良好であったため、互いに「やらせ」の戦闘を行い、フィンランドはドイツ軍に穏便な撤退を促します。

しかし、ソ連に察知されてしまい、フィンランド軍も本気にならざる得なくなり、ドイツ軍の退路を攻撃します。これに対し、ドイツ軍は撤退途中にある街を次々に破壊し、「焦土作戦」を実施します。特にトルニオという、町ではドイツ軍の爆薬を積んだ列車が、街中で大爆発を起こし、町ごと廃墟と化す悲劇も起きます。フィンランド軍はこれらの一連の戦いを「ラップラント戦争」と呼びました。そして、ドイツ山岳軍がノルウェーへ完全撤退が完了するのは、終戦間近の1945年4月だったとされています。

■継続高の由来を少しでも知ってもらえると、嬉しい!

すみません。また長文になってしまいました…<(_ _)> とりあえず、内容さえわかっていただけたら、嬉しいです(笑)

現在、最終章第一話が終わり、聖地大洗の盛り上がりもしばらく続きそうだという声もあります。ちなみに、筆者の友人は継続高のミカの大ファンで、「最終章で出してくれないかなー」とつぶやいていました(笑)

一気に人気キャラにのし上がった継続高の面々ですが、その高校の名前の由来を少しでも知ると面白いのではないでしょうか。

では、今回はこの辺で失礼します<(_ _)>

次、何にしようか…(笑)

ガルパンから歴史を学ぼう⑨ カチューシャ が言った「バグラチオン並みにボッコボッコにしちゃって!!」

(あにぶ編集部/金剛たけし)

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