広瀬すず、女優としての奮起を支えた思い「私の事なんか誰も見ていない」

grape

2018/3/10 04:14


激動の10代の振り返り「プレッシャーはない」と明かした広瀬すず 撮影/KayN (C)oricon ME inc.
 さまざまな映像作品で席巻中の若手女優・広瀬すず。今年20歳を迎える彼女が女優として初主演を果たし、10代の代表作品となった映画『ちはやふる』が完結を迎える。完結まで足掛け3年、「女優の仕事を好きになるきっかけとなった作品」という撮影秘話や、周囲からのプレッシャーを乗り切る方法、激動の10代についての振り返りを赤裸々に語ってくれた。

■『ちはやふる』は女優を好きになるきっかけ、「運に恵まれた10代でした」

――[上の句][下の句]が公開された2年前と比べて、ご自身の中で変化した・成長したなと感じた点をお聞かせください。
【広瀬すず】 気持ちに余裕ができましたね。『上の句』『下の句』が映画初主演作でもあったので、当時はまだその中心にいること自体慣れていませんでした。それに比べると今作では周りのことを考えられる余裕もできたし、現場では自分からアクションを起こすこともできるようになって。そういうのは3年前(撮影当時)の自分にはなかったなと思います。

――小泉監督からは「今回のすずは主役から座長になろうとしていました」とコメントされていましたね。
【広瀬すず】 座長を強く意識していたわけではないんですけど、クランクインする前に監督から「今回は座長として現場にいてほしい」と言われて、でも正直「そんなこと言われても~」って思いました(笑)。何をすればいいのか分からないし、前作から急に何か変わっても変だし。それに私自身、もともと自分から皆を引っ張っていくようなタイプではないんです。でも、今作では新しいキャストの方も入ってこられて、きっと皆さんすごくプレッシャーを感じているんじゃないのかなと思って。3年前に完成している輪の中に入っていくなんて誰だって怖いじゃないですか。だからその方たちが現場に入ってきやすいように、壁を壊して新しく環境を整えていくのが私の役目なのかなって思ったんです。もしかしたら今回はそこに一番責任感を感じていたかもしれません。

――前作では膝の皮が擦りむけてしまうほど練習したというエピソードが非常に印象的でしたが、今作では…?
【広瀬すず】 不思議なことに皮膚って強くなるみたいなんですよ(笑)。だから前作ほど痛さは感じませんでした。3年前はちょっと膝が畳につくだけで全身が痺れるような感覚に襲われるぐらい、過酷な撮影だったので今回はそれに比べるとだいぶ強くなりました。膝の痛みよりも、“これを撮り終えたら『ちはやふる』が終わってしまう”という気持ちのほうが強かったです。正直、未だに『ちはやふる』が完結するという実感が沸かなくて…。

――女優としても個人としても広瀬さんの10代の“成長”と共にあった作品ですからね。思い入れもひとしおだったのではないでしょうか
【広瀬すず】 そうですね。やっぱり終わってしまうのは寂しいですね。『ちはやふる』は女優のお仕事を好きになったきっかけになった作品でもありました。

――今年で20歳になられますが、10代の女優活動を振り返ってみて一番思うことは何でしょうか?
【広瀬すず】 ありがたいことに10代は仕事に関われる時間が多かったですね。そんな中ですごく思うのが出会う人や出合う作品の運はめちゃくちゃ強かったな…と。本当に運と勢いだけでここまで来たような気がするぐらい、濃い10代でした。大人になって改めて10代を振り返ってもきっとそう感じると思います(笑)。
■「10代だから」という理由で甘えることは許されない世界

――以前のインタビューで「この仕事をなんとなく始めたので、辞めたくなってしまうこともある」とおしゃっていたのには驚かされました。
【広瀬すず】 今でもこの仕事を辞めたくなることは…なくはないです。でも私は人と出会う”運”が強いので、いつも支えてくれている方々のおかげで女優としてなんとかやってこられています。確かに、たまに「う~ん…」となることはありますが(笑)。

――いいこともあれば大変なことも多かったのではと想像しますが、つらい時はどう乗り越えてきたのでしょうか?
【広瀬すず】 自分の悩みはあまり人に話さないほうですが、素敵な言葉を掛けてくれたり、ご自身の経験に基づいたアドバイスをしてくださる方が周りにいるので、そうした話に耳を傾けていますね。ちょっとした会話のさりげない内容からでも「私も頑張ろう」って思えるんです。こうしたアドバイスをくれるのは共演者の方だったり、ずっと可愛がってくれている先輩であることが多いですね。

――素敵な大人の人たちが周囲にたくさんいたんですね。では、先輩方から掛けてもらったアドバイスの中で強く印象に残っている言葉は?
【広瀬すず】 監督に「年齢とか関係なく、現場でスタッフさんがついて行く人は自分たちしかいないから」と言われたことがありました。「自分たちが現場で下がってたらスタッフさんも下がるしかないし、みんなどうしていいかわからないでしょ。だからそこは俺たちが頑張るしかない」と。それを聞いて以来、現場では年齢は関係ないなと思っていて。カメラの前に立たせてもらってる以上、自分も「10代だから」という理由で甘えることは許されない世界なんだと痛感しました。

――第100作目のNHK朝の連続ドラマ小説『夏空 –なつぞら–』のヒロインも決定し、周囲からの期待もかなり大きいと思います。広瀬さん流のプレッシャーと向き合う方法は?
【広瀬すず】 プレッシャーは感じてないと思います。と言うとすごく無責任な感じもしますけれど(笑)。周りから見られているとか、自分の存在が皆さんの中にあるとかあまり考えたことがないんです。むしろ自分のことなんて誰も見ていないと今も思っています。

――いやいや、それは謙遜しすぎなのではないですか?
【広瀬すず】 でも、だからこそプレッシャーに押しつぶされないのかも。それよりも、自分と同世代の女優さんでもっと作品に出られている方もたくさんいますから、まずはそこに追いつきたいっていう思いで必死です。

■カメラの前に立ったら年齢なんて関係ない

――以前のインタビューでは「(女優としての)夢がまだ分からない」とおっしゃっていました。いよいよ10代もあと数ヵ月ですが、女優としての夢は見つかりましたか?
【広瀬すず】 全くないですね。今の自分は目の前のことでいっぱいいっぱい…でもなくなってきたか(笑)。けれどいろいろな方とお仕事をさせてもらう度に「こうなりたい!」とすぐ思うんです。すごくぜいたくで欲張りなことを言うと、共演してすごいなと思った方たちの良いところを全部吸収できるパワーがほしい(笑)!

――以前、「永遠に10代だと思っていた」とおっしゃっていましたが、今年20代に突入してこれから先は年下の俳優さん・女優さんともっと一緒に仕事をする機会も増えていくと思います。先輩女優として後輩に伝えていきたいことは?
【広瀬すず】 考えたことないな~(笑)。というのも、現場に入れば同世代も年下もみんな変わらないと思っていて。でももうしばらくは、年下気分でいるんじゃないでしょうか(笑)。

――つまりある意味、年齢関係なく共演者の皆がライバル、と。
【広瀬すず】 そうですね。年齢というのは本当に作品の設定なだけであって。私はカメラの前に立ったら年齢は関係ないと考えています。

――最後に、『ちはやふる』はきっと広瀬さんにとって大きな存在だったのではないのかなと思います。女優生活を通してこの作品が広瀬さんにもたらした糧は何でしょうか。
【広瀬すず】 自分にとって初の映画主演作がこうして何年にも渡って大きくなってくれたのが嬉しいし、こんなことって本当になかなかないですよね。それにこの現場で出会った方々が作品を飛び越えて、自分にとってすごく大切な人たちになってくれています。『ちはやふる』は女優のお仕事を好きになったきっかけでもあるし、うまく言葉に言い表せないくらい、私にいろいろなことをもたらしてくれた作品ですね。

(文/kanako kondo)


『記事提供:ORICON NEWS』

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