「MASKMEN」ノンスタ石田合流「もつ鍋くっきー」をチェーン展開せよ8話

エキレビ!

2018/3/9 09:45

俳優・斎藤工が、野性爆弾くっきーのプロデュースにより「匿名&覆面」で芸人を目指す『MASKMEN』(テレビ東京系)。

いちおうテレ東の「ドラマ25」の枠なのであるが、ドラマなのかドキュメンタリーなのか、その境界は曖昧だ。筋書きが整っているようで、舞台に立つ斎藤工の所作と客席のリアクションは本物。前回の第7話では、斎藤工の口から「R-1ぐらんぷり挑戦」が告げられた。本物の賞レースにMASKMENが挑む。第8話のタイトルは「集結」。


くっきー「自分は“もつ”だ」
念のためのおさらいだが、『R-1ぐらんぷり』はピン芸人日本一を決める大会である。2018年大会では史上最多となる3785名がエントリー。3月6日に決勝が行われ、ほぼ全盲の漫談家・濱田祐太郎が優勝を果たした。

一方、『MASKMEN』の中の時間軸は2017年12月下旬。『R-1ぐらんぷり2018』の一回戦が行われていた時期である。斎藤工がR-1に挑戦しようとしているのは、この一回戦からだ。

これまで、斎藤工はくっきーが作った「人印(ピットイン)」というキャラクターで舞台に立っていた。ただ、人印はくっきーの世界観が強すぎて、女性や子どもには怖がられてしまう。そこで斎藤工は「新しいマスク芸人」でR-1に挑戦することにし、中国雑技「変面」をヒントにした「顔大喜利」のアイデアを出した。

このアイデアをベースにくっきーがネタを作る……のだが、なかなか筆が進まない。斎藤工を再びスベらせるわけにはいかないし、かといって簡単に世界観を崩すこともできない。そういえば人印が誕生したとき、くっきーは「斎藤工のかっこいい部分を取っ払え」と指導していた。時は流れ、今はくっきーが自身の世界観を取っ払うことを求められている。

スランプを打破したのは「もつ鍋」だった。2017年12月24日。仕事終わりにマネージャーともつ鍋を食べていたくっきーは、突然ピタリと動きを止め「……そうか、もつですね」と独りごちる。マンガだったら右耳から左耳に閃光が走っただろう。

くっきー「もつってね、元々捨てるようなとこだったじゃないですか。それを調味料を足して炊くことによって美味しく食べられる……。言うたら、僕ってもつなのかなと思って。僕、もつですわ」

自分はもつだ。もつが万人にウケるためには、臭みを和らげる「醤油」がいる。くっきーは店を飛び出し、車で「醤油」のところに向かった。先日までのスランプムードが嘘のようにご機嫌になり、ハンドルを握りながら浜崎あゆみ「Evolution」を口ずさむ。

「もつ鍋くっきー」をチェーン展開していいのか?
くっきーが訪ねた「醤油」とは、NON STYLEの石田だった。いきなり「醤油になってほしい」と言われ、全く状況が理解できない石田。「ほら大豆からできている……」と醤油自体の説明をされるが、そういうことではない。改めて今回の企画をいちから説明してもらう。

石田はNON STYLEのネタ作りを担当しており、『オワライターズ』『笑×演』などでネタ作りにかける情熱を見せてきた。M-1優勝の印象が強いNON STYLEだが、石田はピン芸で『R-1ぐらんぷり2015』の決勝に進出したこともある。万人受けするネタを考えてもらうにはピッタリだ。

ただ、石田は石田で自身が関わることに戸惑いもあった。

石田「いいんですか? 『もつ鍋くっきー』をチェーン展開していいんですか? もつの味は落ちることになりますよ。本当のもつの味は」
くっきー「いや、お前は味を落とさず、旨味だけを加えることができると思って呼んでる」

後にコメントを求められた石田は、くっきーを「お笑い芸人がやりたいことが詰まってる人」と評している。

石田「『やりたいけどできへんやん』ってみんなが引いたところを、全部やっているというか……。あんな自分のまま勝負できるって人はなかなかいなんで」

「自分のまま」勝負できる人に、外部から味を付け足していいのだろうか?

石田「だから自分のなかでもジレンマというか……くっきーさんはあのままのほうがいいのに、っていうのがあるんです。宿題があるからやらしてもらいますけど、本来はそのままのほうがいいのに、と思いながらやってます」

石田が抱えた「宿題」は、顔大喜利の設定だ。「なぜ次々顔が変わるのか」を説明できるシチュエーションを考えること。

くっきーなら、その世界観のまま説明無しに次々顔を変え始めるだろう。ただ、それでは最初からついてこれない客も出る。誰でも入りやすくなるように、共感できる「設定」を作らねばならない。

「玄関を整えれば、どんなリビングでも楽しめる。入らせたら勝ち」と石田は言う。『もつ鍋くっきー』の味はそのままに、店舗の外装を変えるのだ。

「チームMASKMEN」集結
2017年12月26日。くっきー、斎藤工、NON STYLE石田の3人がネタ作りのために集まった。さらに斎藤工から、新マスクのデザイン案をリリー・フランキーに依頼したことが明かされる。「チームMASKMEN」がどんどん増えていく。

さっそく顔大喜利のネタ会議を開始。くっきーに「早く設定挙げろ」と急かされながら、石田がその場で提案した顔大喜利の設定は以下の3つ。

・整形:手術台から起き上がるたびに顔が変わる。
・神様:神様に頼んで顔を変えてもらう。
・脱皮:成長に合わせ○○期ごとに姿を変える。

どれも「顔が変わる」ことに納得できる設定。ただ「脱皮」は本人がボケるのみでツッコミが発生しない。「整形」は手術で出来る範囲の変化に限られる。「神様」ならオールマイティ、なんでもありだ。
「神様」で行こう、という流れになるも、この設定について石田は「ここ(顔)だけの大喜利ショーになるとしんどい」と危惧する。顔ボケがスベった場合、フォローすることができなくなる。

石田「顔で笑かすわけではなく、斎藤さん自身のコメントで笑かすように作っていけば……いいかなと思いますね」

これなら多少飛躍した顔を出しても、コメントで引き戻すことができる。言わば、神頼みの通りに顔を変えてくれない神様がボケ、顔を変えられた斎藤工がツッコミ。人印のネタ(斎藤工がボケ、ナレーションがツッコミ)とは真逆の構図だ。これまで舞台では「シュコー」しか言葉を発しなかった斎藤工が、「しゃべらない」という禁を破ってでも自分で笑いを取りに行く。

『MASKMEN』(テレビ東京系) 、3月9日放送の第9話は「前夜」。音響や美術も動き出し、いよいよR-1への稽古が始まる。しかし予告には人印の姿も……中身はいったい……?

(井上マサキ)

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