”おっさん×赤ちゃん”…。憎たらしい&かわいい最強キャラに癒される!<連載/ウワサの映画 Vol.24>

Walkerplus

2018/3/9 20:25

「シュレック」や「マダガスカル」で有名なアニメの名門ドリームワークス。しばらく冬の時代が続きましたけど、「怪盗グルー」シリーズや「SING/シング」などアニメ作品を当て続けるユニバーサル・スタジオと初タッグを組んだ最新作「ボス・ベイビー」で、全世界で540憶円超えの大ヒットを飛ばしました。”しゃべるおっさんクマさん”では飽き足らず、ついに”しゃべるおっさん赤ちゃん”のご登場~。たまにはいいんです、構えず考えずのお気楽映画(笑)。絵面のパワーも破壊的な、変化球のツンデレキャラに癒されましょう!

7歳の少年・ティム(声:マイルズ・バクシ)は、パパ(声:ジミー・キンメル)とママ(声:リサ・クドロー)の愛情を一身に受けて育ち、この幸せが永遠に続くと思っていました。ところが、そんな彼に”弟”ができるという一大事が!黒いスーツを着てネクタイを締め、ブリーフケースを片手にやってきた”弟”…。両親の前ではキュートな赤ちゃん、ティムの前では威張る彼の正体は、産業スパイとして送り込まれたビジネスマン”ボス・ベイビー”(声:アレック・ボールドウィン)だったのでした!早く任務を終わらせて昇進したいボス・ベイビーと、3人家族に戻りたいティム。利害関係が一致した2人は手を組み、任務遂行の冒険へと乗り出しますが…。

”製造”された赤ん坊が、歩いて家庭にやってくるという…、奇抜すぎる日常の設定についていけない超ファンタジー。この手のファミリー映画に対して、大人げなく目くじらをたてるのはやめた方が身のためですね(笑)。ボス・ベイビーは「ベイビー株式会社」の中間管理職で、”子犬に赤ちゃんの座が奪われる”という危機を回避するために、子犬関連の会社に勤めるティムの両親の元に派遣されたんですって。で、任務失敗の場合は、身体の成長を抑える”スーパーミルク”を取り上げられ、ふつうの赤ちゃんにされてしまうらしいです。

目を細め眉間にシワを寄せた訳知り顔と、ハードボイルドなしゃがれ声(アレック・ボールドウィンですから!)で”兄”を精神的に追い詰める…。鶴瓶師匠のようなジュード・ロウのようなヘアスタイルの赤ちゃんが、かなり斬新な憎たらしさ。でも、まんまるお尻と太もものムチムチ感がたまらないスーツ姿や、スーパーミルク切れを起こした時のリアル赤ん坊姿を見せられて、総合的に「かわいい~」と言わされてしまう…。製作サイドの思うツボです。

とことん笑いをぶちこんだノリノリ展開の前半で観客を引き付け、ド直球メッセージでクライマックスの感動をあおる流れは、いかにもドリームワークス!おもちゃのビーズを使った説明でティムを打ちのめした「愛情は有限。両親はもうオレに夢中だから、お前への配分は減ったのさっ」というボス・ベイビーの主張が、思いがけない形でひっくり返されるラストに胸がジーン…。無数のカラフルなビーズ(=愛)が舞う映像も美しい!

”カワイイ”大好き層や親御さん層に限らず、兄弟姉妹がいる人は特に、怒涛の兄弟愛がほとばしる終盤にハンカチが必要かもしれません。ティム&ボス・ベイビーの関係に自分たちが重なっちゃうんです、何歳であろうと、仲が悪かろうと…。末っ子に家中をかき回された兄ちゃん・姉ちゃんには一段と響くようで、ティムにどっぷり感情移入してしまうとのこと。末っ子の私は「なんだかすみません」と思うと同時に、この単純なお話によって、”立場により視点が異なる”という忘れがちな基本を再認識させられた次第です。

”ギャップ”というものに、ほんとに弱いんですね、私たち。各映画会社が、インパクト大の奇想天外キャラ探しに躍起になるわけですよ。おっさん赤ちゃんというドル箱を得て(いやらしい言い方…)第2弾の製作も決まっている本作ですが、パワーアップのために究極のギャップを持つ新キャラがほしいところ。…人間は老いると幼子に戻っていくというし、シュールだけどどこかリアルな”じいさん赤ちゃん”なんか、いかがでしょう?【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします! 最近のお気に入りは「彼の見つめる先に」(3月10日公開)のファビオ・アウディくん!(東海ウォーカー・おおまえ)

https://news.walkerplus.com/article/139635/

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