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『水道橋博士のメルマ旬報』過去の傑作選シリーズ ~ある日のマッハスピード豪速球ガン太~(vol.2)

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 芸人・水道橋博士が編集長を務める、たぶん日本最大のメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』。

過去の傑作選企画として、かつて水道橋博士の運転手も務め、現在、気鋭の芸人として活躍中のマッハスピード豪速球ガン太さんによる連載『ハカセードライバー』から、僕が大好きな原稿を無料公開でお届けします。是非、お手すきの時に一読ください。(編集担当/原カントくん)

※vol.1はこちら。

*****

■2013年7月22日
今日は午後からの運転、昼からのため車内が高温になっていることを予想し先にエンジンをかけて車内を冷やして博士の乗車を待つ。

しばらくすると博士がやってきて荷物を車にいれます。

博士は常に、ペン、雑誌、新聞、本、パソコンなどを持ち歩くため荷物が多い、
最近は暑いので熱中症対策に塩飴や乾燥梅干しも持ち歩く。
更にはその時の博士のマイブームでプラスアルファ持ち物が増えることがある
最近では『呪術師の棒』と呼ばれている謎の棒を持ち歩かされていて、正直邪魔でしょうがない・・。

そんな荷物の中に今日は見慣れない仲間が・・バナナだ・・・一本の色鮮やかな。

バナナだけは博士自ら大事そうに持っての乗車だったので、何となく博士は出かける寸前お腹がすいたと思い車の中で食べる様に一本もぎ取ってきたのだろうと思った。

しかし、珍しいな・・博士今まで出かける時に車で物を食べる何て事無かったよなー
分かった、もしかしたら新しい健康法かも知れないな・・などと妙にバナナが気になりつつも車を出発させた。

博士宅から打ち合わせ場所の事務所まで約45分。
「君のライブ(修行ライブ3)の評判が良かったみたいじゃない!」
「はい、前回よりいいライブが出来ました!」
「ほんとかー!俺が見ても面白いって言うかー!?(笑)」
「はい!きっと気に入ってくれると思います!」
「そうかー!」

などと先日行ったボクの単独ライブの話をしながら車を走らしますが、後部座席のバナナの様子が気になります・・後部座席の博士の横の席にポンと置かれたままなのです。

んー?食べないのかな・・何だか気になる・・。

しばらく黙り込みパソコンをイジる博士。

・・バナナ・・食わないのか?腹減っているのだろ?・・バナナ・・食べない・・
というか見向きもしない・・あんなに大事そうに抱えてきたのに・・気になる。

「これ見てよ!今日はズボンの色を、呪術師の棒と合わせてきたんだよ!!」と博士。
「はい・・。」
そんな事はどうでもいい!・・バナナは食べないのか?バナナ!?

依然バナナには見向きもせず読書を始めてしまう博士・・。

バナナ!もう目的地に着いちゃう!打ち合わせ中に食べるつもりなのか?それはちょっと間抜けじゃないか?

・・結局バナナは食べられる事無く事務所に到着してしまいました。
どうやら、打ち合わせ中に食べるようだ・・少し間抜けだが食べるなら早く食べて欲しい
何だか気になってしょうがない。

部屋に到着し少し談笑が交わされたのち打ち合わせが始まりました・・結局その間も博士はバナナを食べません。
ん?・・て言うか博士バナナ持っていない?・・カバンの中も探してみます・・無い!
バナナが無いのです・・まさか・・バナナは車の中に置き去りに!?
この炎天下の車の中に置いといたらどうなるかくらい分かるだろうに・・食べる気もないのに連れてくるなんてヒドイことをする!
何故かバナナに感情移入しすぎたボクは、博士に怒りさえ覚え始めてしまっています。

2時間の打ち合わせ中、チュパチュパと何個も何個も乾燥梅干を食べる博士。

いや、バナナ食べい!!

・・2時間の打ち合わせが終わり車に戻ります。
暑さでどうなっている事か・・恐る恐る後部座席を覗きますが、意外にもバナナは色鮮やかな朝見た時と変わらない姿でいます。
おお!バナナ!捨てられても腐らずに凛としたその姿!!何と健気な!このバナナ女なら相当良い女ですぜ。
・・博士!もしあなたに良心が残っているなら、この女を抱いて下さい・・食べてやってください・・。
とその時!!遂に博士がバナナに手を伸ばしました。
おお!やった!2人がやっと結ばれる!
しかし、博士はそのままバナナのはじとはじを持った!
おい!そんな、剥き方ないだろう!散々待たせて、引っ張って引きちぎろうとするなんて!!そんな野蛮な仕打ち!
容赦なく博士はバナナを力いっぱい引っ張った!!もうダメだ!!

"ビヨーーーーーーン!ビョーーーーン!!"

バナナ?・・・バナナが伸びた!!??

なんと!ずっと色鮮やかな健気なバナナだと思っていたそれは、ゴムでできた玩具の
バナナだったのです・・こんなにリアルなオモチャバナナ見たことないってくらいリアルなやつです・・。
「おおお!!!それ!おもちゃだったんですね!!びっくりしたー・・何で食べないんだってずっと思ってたんですよ!」
「これさ!"ビヨーン"これ、今日からカバンの"ビヨーン"中に入れといてね!"ビヨヨーン"」バナナを引っ張りながら博士。
「何でそんなもの持ち歩くんですか?」
「これ、こうやって引っ張って体鍛えたりするから!!」
・・バナナのオモチャで体を鍛える・・なんだその発想は・・。
どうしよう、明日からふと博士を見るとバナナで体を鍛えてるかもしれない・・打ち合わせでバナナ食べるのより遥かに間抜けで面白すぎる。

このようにこの日から博士の持ち物に新たな仲間バナナが追加された、全体ゴムでできているのでずっしりと地味に重いバナナ、さらに重くなるカバン・・バナナ入りカバンを運ぶことでボクも間接的にバナナで身体を鍛えることになった。

■2013年8月7日
今日は12時20分に東京駅へと博士をお送りするために11時20分に博士宅に伺うはずが寝坊をしてしまいスズキ秘書と博士にとても迷惑をかけてしまった。
 色々失敗することもあるだろうけれども寝坊の様な凡ミスだけは絶対しない様にと
運転手になる時強く決めていたことだったので悔しかった。

直接お会いしてお詫びをしたかったのだけれどもこの日ボクはライブの為
帰り迎えに行けない状況だった、そのためライブ終了後博士のご自宅までお詫びに行くことにしました。

次の日が博士のご長男たけし君の誕生日という事を知り手ぶらも何なので待ってる間
何か誕生日プレゼントを探しに行く事に。

とは言え何が良いのか見当がつかない・・そうだ!あの"伸びるバナナ"の何か違うバージョンは無いかな?親子で色んなもの伸ばしていたら何だか面白いなー。
探してみると伸びるマツタケを発見しました!いやバナナだけじゃ無かったんだな、マツタケとは高級感もあって良い!ルンルン気分で購入しお店を出ます。
・・はっ!?いかん・・今日は謝罪をしに来たんだ、ルンルン気分になっている場合じゃ無い気を引き締め直し博士を待つこと約30分帰ってこられたので謝罪をする。
「博士!!」
「おお!!どうしたの?何してんの!?」
待ってたと言っても待ち伏せに近かったので突然暗闇から道端に現れたボクにビックリさせてしまった。
「博士、実は今日の朝ボクが運転だったのですが、遅刻をしてしまいました。」
「うん、知ってるよ。」
「はい、謝りたいと思いまして来ました、すみませんでした。」
「うん怒ってないよ。でも・・遅刻はいかんよ!」
「今後絶対しないようにします。」
「うん。」
「これ・・明日たけし君が誕生日だと聞いたのでプレゼントです。」
「ん? おお、ありがとうね何これ?」
「伸びる松茸です。"ビヨーン"」
「おお? おおお! いいね!」目の色が変わった博士
「親子で違う種類をもっていたら面白いと思って。」
「おお!"ビヨーン"イイね!"ビヨーン"イイね!」
「・・博士親子で持っていたら・・たけし君に・・」
「え?分かった分かった"ビヨーン"超良いじゃんコレ!」
「はい、明日たけし君に渡してほし・・」
「最高だね!!!"ビヨーン"」
「渡してほしいんですよ・・」
「うん?"ビヨーン"そうだね。"ビヨーン"」

・・・果たしてこのマツタケは息子の手に渡るのだろうか?
何はともあれ怒られなかった、寝坊はしないようにしたい。

■2013年8月10日
「おはようございます。」本日は前回寝坊して以来初の運転、デスクで作業中の博士に
あいさつをしマツタケが長男のたけし君の手に渡っているのか探ります。

今日の持ち物などを確認しながらも、マツタケの行方をそれとなく眼で探してみる。
この部屋に無ければたけし君の手に渡った可能性大だ!
床には・・バナナはあるがマツタケは見当たらないな・・博士のデスクにもバナナは有るがマツタケ無し・・あそこにもバナナはあるがマツタケは無い!
待て、まだカバンを探していなかったな・・んん?何だこれバナナの絵が描いてあるバナナの形をしたプラスチックの容器みたいのがあるな・・こんなのこの前まで無かったぞ
まさか?この容器の中にマツタケが入っているんじゃ!?
"カパッ"・・・中には・・バナナが!!
どんだけバナナあるんだよ!!バナナだらけじゃないか!!!部屋中がバナナだらけだ!

何でもネット通販のamazonで購入可能な分は買い占めたらしい。
「アマゾンのバナナをすべて買い占めたって響きが面白いでしょ?」と笑っていた。

乱獲のような気もするが・・まあ、とりあえずマツタケは見当たらない無事たけし君の元へと行ったようだ!
と安心していると、デスクから博士が立ちあがってこっちを向きパソコン作業で固まった体を伸ばしたその手に・・"ビヨーン"
ああ!マツタケが握られている!?何だ膝に置いてあったのか!!博士の背中が死角になって見えなかったんだ!!ちきしょう!!なぜだ!!何故たけし君に渡してくれないのだ!!!あんまりだ!!!
・・あれ?何か違和感がある?博士が伸ばしているマツタケが何だかおかしい・・んー??

エリンギだ!!博士が伸ばしているキノコが何故かエリンギです!あれ!?昨日のマツタケだよな?頭が混乱する・・マツタケがエリンギに代わっている、買った時からボク自身の認識が間違っていたのか?・・いや違う、ちゃんと袋の商品説明の所にマツタケって書いてあった・・・なぜか高級マツタケが安くなってしまった。
"ビヨーン"
もう我慢できない!!初めて気が付いたかのように言ってみた!
「あ、あれ!?それ、マツタケかと思ったけどエリンギじゃないっすか!?あはは!!」
「うん、ネットで買った!」
「買った?全制覇するつもりですか(笑)・・」
「・・・」
「あのー・・ボクのマツタケは・・?」
「ん?あそこにあるよ。」
指差した視覚だった方を見ると。
引きちぎれた白い素材の中身が出ている無残な姿のマツタケが!!??

うおーーー!!!まつたけーーーー!!!

博士がキン肉マンのポーズで力こぶを作りながら言った。
「どう?筋肉ついたでしょ!!」

・・確かにゴムチューブを引きちぎるほどの筋力をつけた事は間違いない。
ありがとうマツタケ、キミはこの筋肉になったのだね。

■2013年8月12日
今日は徹子の部屋収録。
あの徹子の部屋の収録現場を生で見られると思うとテンションが上がります。
今日の見どころはズバリ博士がお父さんの話を振られた時泣かずにいられるかです。

実は水道橋博士、芸風的に意外ですがとっても涙もろいのです。
ボクも運転手をさせていただくまでそんなイメージを全く持っていなかった訳で
初めて目の前で博士が突然泣き出した時は"見てはいけないものを見てしまった!"
と、何ともどうしていいか分からず非常に気まずい思いをにいましたが、テレビ収録やいたるところであまりにも泣くのでもう慣れてしまいました。

中でも博士の涙腺の最もの強敵と言えるのがお父様の話です。(詳しく父親の話でなぜそんなに泣いてしまうのか知りたい方は『キッドのもと』を読んでみてください。)
8月6日の徹子の部屋打ち合わせの時、最初はスタッフの方の質問に軽快に答えていたのですが話がお父さんになった瞬間徐々に博士の口数が減っていきしばらくすると"ブワッ"っと泣いてしまったのです。

芸能界にはテレビで涙を流し、涙を好感度につなげようとする営業涙が少なからず存在すると思うのですが。
博士は元々、芸人がテレビで涙を流すの何てありえない。という考えの方なので
博士の涙は営業涙一切なし、純度100%の混じりっけなしの本気涙なのです!
その証拠に100%の本気涙なので博士は泣いてしまうと全く話せなくなってしまいます。これがかなり厄介です、ラジオで放送事故になりかけた事もある程喋れなくなります。

この打ち合わせでもマネージャーが代わりに博士とお父様のエピソードを話し何とか事なきを得ました・・。
「俺、父の話はこうなってしまって番組にならないと思うのでやめた方がいいと思うんですけど。」と博士。
「んーそうですね・・ではこの話は番組のラストにして頂くという事で本当に最後にお話をふるという形にしますよ。」

と言う出来事がありましたので、ずばり本日の本番見どころは[水道橋博士泣かずにいられるか!?]なのです!

スタジオまでの車内
「今日の為に練習してきたよ。」
「練習?何の練習ですか?」
「泣かない為にさ父親の話を話す練習をしてきたの。」
「ええ?なんすかその練習!?」

何と博士、打ち合わせの日からというもの夜な夜な家族が寝静まるのを待ちシーンとした部屋でブツブツと一人お父さんの話を泣かないようにするという訓練をしていたというのです!・・まさに涙ぐましい努力!!何と言うプロ意識!!

「泣かないですめばいいけど・・」
心配そうな口調とは裏腹に博士の顔にはつらい訓練を乗り越えた自信が満ち溢れています。

スタジオへ入って楽屋で待機です。
徹子の部屋は、本番直前に徹子さん自身がゲストの楽屋に迎えに来るシステムらしいです。とても素敵なシステムです徹子さんの敬意のようなものを感じます。

しばらくすると小さなノックオンが聞こえた気がしました、音が小さいためこっちが微妙な反応しかできずにいると反応が無かったためか「コンコン」と徹子さんの声が聞こえ
全員慌てて返事をしました。自分で「コンコン」ってボクの人生で最もキュートなノックでした。

一言二言挨拶を交わしそのまま本番に向かうのですが、博士が何やらスタッフにコソコソ
「このバナナを収録にもって行って良いですか?」と聞いています・・。
「え?バナナですか・・」当然困惑するスタッフさん。
「これ、ほら!伸びるやつなんですよ!体鍛えてるんですよ!」と"ビヨーン"と伸ばして見せる博士。
伸びるんですか!だったらどうぞ!とはならないと思うが・・
「ま、まあいいですけど。」
ありゃ、良いのか・・絶対変な感じになると思うけどな・・何で収録にバナナを持って行くんだろう?すると最後尾を歩くボクの方に振り向き博士ニヤリと笑い

「これさ、何となくこのバナナを股間のとこにチンポみたいに置いてトークするんだ面白いだろ!」とイタズラっぽく言った。
なんと!!徹子の部屋は収録ですが編集をほとんどしないほぼ生放送の番組なのですがそれを利用してイタズラしようと言うのです!悪童だ!!この人は悪童だ!!油断も隙もない!!大人のずる賢さに子供の発想が加わるとこうなるのだ!!

ルールル♪ルルル、ルールル♪ルルル♪ルール―ルールール―――♪

例のオープニング曲が流れ軽く紹介をすませ、ソファーに座りトークが始まりました。
股間には明らかに不自然なバナナが握り絞められています・・。

「あらアナタ、何でバナナ何て持ってらっしゃるの?」
当然食いつく徹子さん・・。
ほら来た!!とばかりに"ビッヨーーーン!"と伸ばす博士!
「まあ!伸びるのねそれ。」
しばらくの間「このバナナは腰痛に良いんですよ!」などとトークをし、すぐに予定されていた台本通りのトークに移る。
その間も博士はバナナを股間にあてがいトークを・・。

1回目のCMが入った所でまだ若いADが博士に近づいて来て言いにくそうにいいます。
「あのですね・・バナナ後半は仕舞って頂けないでしょうか・・。」
博士曰く、ADのインカムイヤホンの声が漏れていて、そこからは「バナナしまわせろ!!」「何なんだよ!あのバナナ!」と怒声が響いていたらしいです。

"ちぇっ"とばかりにバナナをお尻の後ろに隠す博士CMがあけの撮影が再開。
「あなた、さっきのバナナ何ですけどね。」
なんと!インカムの怒声を知らない徹子さんはまたバナナの話しをしだしてしまった!
手に取ってバナナを伸ばす徹子さん・・イヤホンから漏れる怒声・・ほくそ笑む博士・・板挟みで一番可哀相な新人AD・・三谷幸喜作品のワンシーンのようだ・・。
結局バナナは腰の裏に隠し仕切りなおし、トークも大いに盛り上がり番組も終了に向かっていきます。
お父様の話はまだです・・番組残り終了5分前くらいになり(徹子の部屋はほとんど生放送の尺で撮っているからわかる)そろそろかなと思った時、何となくトークの雰囲気が変わった感じがした。

来る!そう思い博士を確認すると博士も思ったのだろう・・顔がちょっとだけ険しくなった。
緊張の一瞬だ、博士の涙ぐましい一人でした泣かない訓練は実を結ぶのであろうか?
真剣な目で徹子さんを見つめる博士・・徹子さんが口を開く

「あなた、おと」

と"おとうさま"の"おと"と言ったくらいの瞬間

なんと博士"ブルブルぶるぶる!"と泣いてしまった!

ええーー!?早い!あまりにも早すぎる!!

後で聞いた話によると、"泣かないぞ泣かないぞ泣かないぞ"と余りにも泣くことを意識しすぎた結果、話が来た!と思った瞬間感情が駆け巡り泣いてしまったらしいです。

正に本末転倒・・何時もよりも早く泣いてしまいました・・余りの早さにテレビを見ている人からしたら"え?何で泣いたの?何?コワい・・"と訳の分からない状況でしょう。

不可解な涙でシーンと静まり返るスタジオ・・マズい、番組終了までまだ時間があるのに博士は話すことが出来ない状態になってしまった!

どうする!この状況!と誰もが思ったその時!!
突然博士が"バッ"っと動いた!腰の裏に隠してあったバナナをサッと取り出し両手で持ち上げ"ビヨオオオ――――ン!!!"と伸ばしニッコリと笑ったのだ。

"わはははははは!!!"

全然意味は分からないけれども妙にその姿が面白い!!一気に場の空気は変わり笑いに包まれました!博士も自らの行動で平静を取り戻し話が出来るようになりエンディングトークをして撮影は終了しました・・まさか精神安定にまで使えるとは!チューブバナナ恐るべし!!

以後今でも博士はバナナを持ち歩いている。

■2013年12月31日
「ええ!・・『大滝詠一』が亡くなったって・・」車内に水道橋博士の声が響いた。

『太田けいいち』と言う人が亡くなったのか・・とぼんやり聞き流す程、当時のボクは
恥ずかしながら『大滝詠一』と言う存在を知らなかったのですが、その博士の声のトーンから相当な方が亡くなったのだろうと察した・・実際に後日博士から語られる話や死後すぐに週刊藝人春秋で書かれた『大滝詠一』の回を読む事で『大滝詠一』が音楽業界のみならず芸能界の様々な人に多大なる影響を与えた方で、ましてや水道橋博士はもろに思春期に影響を受けていたのみでは無く実際に本人とお会いしてご自宅にも遊びに行ったという素敵な思い出があったと言う事を知りました。
あの悲報を聞いた時、博士は何を思ったのだろう・・。
がしかし、実際のあの時の博士はセンチメンタルな感傷に浸っている余裕は無かった。
何故ならあの日あの時2013年12月31日14時半頃
藝人春秋2上巻『大滝詠一』の章の導入と締めくくりに少し書いていますが、この時博士は後輩の『ダイノジ』が率いる『DJダイノジ』のバックダンサーとして7000人の前でダンスをするために[カウントダウンジャパン]と言う超巨大音楽フェスにノーギャラで出演する為幕張メッセへ向かっている最中と言うとんでもない状況だったのです!

藝人春秋2『大滝詠一』の章では、さらりとこの事に触れているだけなのですが中には
"DJ?ダイノジ?7000人?バックダンサー?踊った?"と水道橋博士のイメージとはかけ離れたワードの連続にこの日博士の身に何が起きていたのか気になった方も居たかと思います。

少し長くなりますが時系列で順を追って『カウントダウンジャパン』でダンスを踊らなければいけなくなってしまった『水道橋博士』のお話をお楽しみください。~

《補足》この当時博士の倉庫部屋と言う名のかなり大きい部屋が家の近所にあった、本格的な卓球台が置いてあり卓球がマイブームで博士とボクはしょっちゅう卓球をしていた。

■2013年8月17日 
今日はTBS前で行われている『夏サカス』で行われる『北野合衆国』というイベント。
これはオフィス北野のイベントでボクも博士も出演するため車を運転して一緒に現場入りをした。

博士の出番は『東京ポット許可局』のコーナーで水道橋博士をゲストに迎えてのスペシャルバージョン、題して【東京ポット許可局水道橋博士論】

博士がこの日の為に用意してきた水道橋博士本人の年表をもとにしたトークで盛り上がる。

この年表が常軌を逸している・・まず文字数が6万6千文字もある・・しかもライブに来た人に限定無料配布をする。
無料イベントなのにこんな事する必要はない、一銭も儲からないし何なら良い紙を使っているので経費が結構かかっている、製作にも労力を費やす・・忙しい膨大な仕事量の中にやらなくてもいい仕事をぶち込んだ博士。

「なぜこんな事をするのですか?」と思わず聞いてみると
「無料でこんな事やってるの気が狂ってて面白いだろう!!」と一言。
真似できない・・素直に尊敬です。

そんな年表を元に繰り広げられる【東京ポット許可局水道橋博士論】は大いに盛り上がり、あっという間に終わりの時間が迫ってきた。

最後はビートたけしさんの曲「浅草キッド」を博士先頭に客席と若手芸人全員で熱唱するという事に。
これは博士が発案した演出なのですが、実は博士が人前で歌うという事は珍しい事です。
異常に自意識の高いタイプの博士は今まで客前はおろか人前で歌を歌った経験がほぼ無いのです・・なのでこの演出何でも無い演出の様に思いますが博士からしたら少しハードルの高い行動なのです。それをこの50歳最後の日に(次の日8月18日は誕生日)博士の"自意識の殻"をブチ破ると言う目的のために人前で歌おうというのです。

野外ステージに『マキタスポーツ』のギターによる浅草キッドの伴奏が響き渡ります。

浅草キッドによる浅草キッドは何だか妙にと言うのかやはりと言うべきか、しっくりきていてノスタルジーな雰囲気に会場は一体になり高揚感が生まれた。
博士の顔にも自意識の殻をブチ破ってやった満足感のような物が伺えた・・。

その後、若手ネタコーナー、アル北郷のコーナー、マキタ学級のコーナー、サンプラザ中野君ライブ、フライデーナイト公開審査会が終了しエンディングで再び博士が登場し
「今日は僕の50歳最後の日です!誕生日を祝いにある人が駆けつけています!」と言うと布袋の「スリル」が流れた!

この歌は!?と誰もが江頭2:50を想像したところ
(この頃不祥事を起こし江頭さん謹慎中)
何故か三又又三さんが乱入しマイクをに向かって捲し立てます!

「博士ぇ!あんたみたいなインテリ芸人俺を一番馬鹿にしているんだろう!?馬鹿にしていないというならパンイチで三又ダンス踊れるのかよー!まあ、とりあえず僕の三又ダンス見て下さい。」と乱入して来たのに三又さん本人が「見てください」とネタフリをすると言うヘンテコな展開に。

山本リンダの「狙いうち」が流れ、ブレイク中の三又ダンスを踊り切り会場のボルテージもあがる。
そこで改めて「皆!博士ぇの三又ダンスみたいだろー!?」と三又さんが客を焚きつけ
お客さんも拍手をし大盛り上がり。

コレには、総合司会の山崎さんも手で×を作りやめようとさせる。
博士自身も「やらないよ!やらない!!」と声を荒げます。

ところが「やらない!やらない!」と言いながら何故か上着のボタンを一つ一つとっている博士・・・この、お約束の動きはまさか!?
素早く上下の服を脱ぎ捨てた博士、パンイチになったその姿は何と三又さんと同じブーメランパンツ!!
「用意してたんかい!!」
と突っ込まれる中いざ!博士ダンス開始!
そうです、これは博士の自意識の殻を更にぶち破る為に博士が自ら用意した流れだったのです!浅草キッドを熱唱程度では満足していなかったのです!何とも大掛かりなSMプレイ!

タララララ♪タララララ♪タラララ♪タラララ♪タララララー♪(狙いうち)
伴奏が流れ踊りだす博士!

"ヘコ""ヘコ""ピヨン""ビヨン""ヘコヘコ"

・・・パンツは用意していたが、ダンスの練習はしていなかったのか博士のそれはとてもダンスと呼べない様な物凄いドンくさい不思議な動きだ・・。
"ヘコヘコ""ピョコピョコ""ヘコ""ビヨーン"
しかし、小さい体でピョンピョン飛び跳ねている感じ普段のテレビなどの印象とのギャップも重なって、死ぬほど面白い!客席も大爆笑!
客席で見ているはずの博士の二男あきら君長女ふみちゃんの反応が気になり探してみる・・
居た!引いてると思いきや・・大笑いしている!?

それに気が付いた『お宮の松さん』が「2人も踊っちゃえ!」と二人を舞台に上げた!
すると、2人とも楽しそうに踊り始めたではありませんか!?
これが笑いと同時に親子で踊る微笑ましい姿に感動も混ざりとっても不思議な雰囲気になりライブは最高のフィニッシュを迎えた!

50歳最後のこの日博士は人前で歌うでは飽き足らずダンスまで踊り見事自意識の殻から解き放たれた!

(vol.3へ続く)

■水道橋博士のメルマ旬報
http://bookstand.webdoku.jp/melma_box

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