10周年のKalafinaから夢を追う人たちへ―「―10th Anniversary Film」インタビュー

「歴史秘話ヒストリア」(毎週金曜夜8:00、NHK総合)や、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」(2011年)などの主題歌で知られる3人組ボーカルユニット・Kalafina。デビュー10周年を迎え、1月23日には10周年を記念した日本武道館公演を成功させたばかりだ。

そんな彼女たちの素顔やライブ映像などを収めた、初のドキュメンタリー映画「Kalafina 10th Anniversary Film ~夢が紡ぐ輝きのハーモニー~」が3月30日(金)より公開となる。

今回、Kalafinaの3人にインタビューを行い、映画の裏側や見どころ、そして音楽業界で活躍することを夢見ている人たちへのメッセージなどを聞いた。

――初のドキュメンタリー映画となりますが、ご自身たちの活動を映画にすると聞いた際の感想をお聞かせください。

Wakana:私たちのことを何カ月も密着して撮っていただいた経験が今までなかったので、最初は驚きました。ただ、自分自身も客観的にKalafinaというものを見てみたいと感じましたし、武道館ライブへの歩みを映画としてお客さまと一緒に見られるのは面白そうだなと思いました。

Keiko:初めて聞いた時は、ずっとカメラがそばにいるということで、自分の行動や発言が不自然になってしまわないか不安に感じました。これまで海外公演などの時にカメラを回していただいたことはありましたが、半年という長い期間を撮られることはなく、さらにライブ本番の直前や裏側など自分たちのメンタルが敏感になっているところを撮影するということで、正直不安でしたね。

“ドキュメンタリー映画”と改めて言われると恥ずかしさもありますが、私たちが軸としてこれまで10年間やってきた、ライブ活動へ向かう普段通りの過程が映像になっています。

Hikaru:最初に聞いた時は「映画!?」と驚きました(笑)。ファンの皆さんとは、普段はライブ会場で、ステージからの距離で向き合っていますが、あの大きなスクリーンで見ていただくと考えると恥ずかしさがありましたね。やはりアップになるとすごく大きく映し出されるものですし、緊張ですごくドキドキしていました。

――昨年秋に行われた世界遺産コンサートから河東茂監督による密着取材がスタートしたとのことですが、監督の印象はいかがでした?

Wakana:監督はどんな時も冷静で動じない方でしたね。カメラマンの方と監督、スタッフさんによる密着取材だったのですが、「Keikoさん、これは○○ですか?」といつも冷静に質問をされて。結構ピリピリした雰囲気の中などでも監督は常に変わらなかったので、それが私たちにとって逆に良かったですね。

監督は“何が見る人にとって面白いのか”を常に考えていらっしゃって、そういった場面を半年という膨大な時間の中からフィルムにまとめてくださったのですごいなと。監督の冷静な目線で見ていただいたからこその瞬間が詰まっています。

あとは、笑う時も「わっはっはー」ではなくて冷静に笑う方でしたね(笑)。

Keiko:思い出しちゃった(笑)。キャラが立ってて、「ちびまる子ちゃん」にいそうな感じ(笑)。

Wakana:“河東監督”というキャラが出来上がっている感じで、穏やかでとても話しやすい方でした。やはり常に撮られていることに初めはなかなか慣れなかったですが、だんだんと3人とも慣れてきて、最後には監督やカメラマンの方がいてくれることへの安心感も生まれました。

質問される内容は、私たちにとっては意外なものも多かったです。というのも、この3人の中だとそれは普通のことなのですが、客観的には意外に映るらしく、皆さんが何を知りたいのか逆に私も勉強になりました。

――KeikoさんとHikaruさんの目には、監督はどのように映りましたか?

Keiko:初めてお会いしたときに「監督って呼ばないでください」と言われ、それからはずっと「茂さん」と呼んでいます(笑)。初めからそれぐらいかしこまらずに、なるべく私たちをリラックスさせようとすごく気遣ってくださる方だなという印象を受けました。

その印象通り、私たちが音楽と向き合う時間もそうでない時間も、「自分たちが密着していることで気が散ってはいけない」という気遣いをしてくださったので、すごく感謝しています。

Hikaru:普段からHikaruはあまりしゃべるタイプではないこともあって、監督の方からよく話しかけてくださいました。密着していただいている間、時間があると、監督がご自身のお仕事やご家族のことなどをお話ししてくださったんです。何気ない話で空気を和ませてもらって、柔らかい人だなという印象でした。

■ 「『これがKalafinaなんだ』と思うことができました」

――映画を拝見しましたが、皆さんのルーツの話やロケでの素の表情が収められていて、Kalafinaへのイメージが良い意味で変わる人も多いと思います。

Wakana:そういう声うれしいです! そう思っていただけてこそ、このように映画にした意味があると思います。

――ラジオ番組で起こった面白い一幕の映像もありました。

Hikaru:音楽と向き合っている時の私たちとは真逆のあれですね(笑)。

Keiko:イメージが崩れ過ぎてないか心配ですが、大丈夫ですかね?(笑)

――ライブへの準備やリハーサルでの真剣な表情も。改めて客観的に見たご自身たちをどう感じました?

Wakana:やはりリハーサルの時の表情や話している内容、空気というものは、自分たちも初めて見ました。通しリハーサルを固定カメラで撮ることはありますが、相談している内容だったり、みんなで確認していく流れだったりを客観的に見たのは初めてで、映像を見た時はまるで自分があの場にもう一度立っているような気がしましたね。客観的に見たことで、あのように準備して積み重ねていく時間は大事なんだなと改めて感じました。また、10年間諦めずにライブ活動を続けて来られたことは私たちの一番大切な経験なので、今回収められているのはその中の一コマですが、「これがKalafinaなんだ」と私自身も思うことができました。

また、お客さまにとっても初めてご覧になる場面ばかりだと思います。例えば、ライブにはいらっしゃったことのないお客さまは「Kalafinaって話し声は歌声と違うんだ」と感じるかもしれないですし、この映画を見て私もそういった小さなことに気付きました。映画に限らず、一つ一つ積み重ねている時間を残していくことって大事だなとも感じましたね。写真や動画が簡単に撮れる時代ですし、思い出を形にして残していくことってすてきだなと。

――ライブ中の舞台裏の映像で、短い時間での衣装チェンジの様子はこちらまで緊迫感が伝わってきて、まるでスタッフになったような気分でした。

Wakana:3~4分で着替えるのですが、10年一緒にいて、スタッフさんのことも信頼しているからこそできることなんです。みんなでライブを作り上げている様子がよく表れている、深い1シーンだと思います。

――映画全体を通して、特に注目してほしい一推しシーンを教えてください。

Keiko:ライブが出来上がるまでの過程を見ていただくのは今回が初めてなのですが、カメラが入るからといって特別にやったことは何もない、私たちにとってはいつも通りの様子が収められています。個人練習、3人練習、全体リハーサル、そして本番と、10年間やり続けてきた流れがあって、それをお見せするというのはこういう機会を頂けなければなかったと思います。私たちとしてはステージの上の自分たちだけを見てほしく、その裏側を見せる必要はないんじゃないかという気持ちもどこかにあり、これまではそうして活動してきました。

ただ、私たちは音楽と向き合う先にいらっしゃるファンの皆さまのことを思うからこそ、音楽にこれだけの熱量が懸けられるので、その感謝の気持ちを今回の10周年という特別な節目にお見せすることになりました。密着自体は半年なのですが、そこで流れてくる音楽は私たちの10年間の軌跡なので、それを感じていただければいいなと思います。

Hikaru:別の取材の中で、「夢を追いかける人にとってグッとくる内容ですね」と言われました。確かにステージに立つことを夢見ていた頃の話もしているので、“あの頃があって今がある”という見方もできる映像になっています。もしかしたら、いま夢を持っている方、悩んでいる方などにとっても、見終えると何か残るものがあるかもしれない映画なのかもしれません。もしそうなったとしたら幸せですね。

――そういった、いま音楽を志してレッスンを受けているような方や、夢を持っている方々に対して、何かアドバイスはありますか?

Hikaru:“本当にやりたいことなら、折れないこと”ですかね。Hikaruは“周りから何か言われても自分で決めたことはやりたいところまでやる”という性格なのですが、2人がその頑固さを「大事だよ」と認めてくれたおかげで自分でもその大切さに気が付くことができたので、よければ参考にしてほしいです。

Keiko:私は、“好きという気持ちはすごく強い”と思うんです。夢を持つとか大きなことを掲げなくても、「私はこれが大好き!」という気持ちは人を行動させる力になったり、ポジティブにさせてくれたり、世界が広がったりします。ですので、何でもよいので好きな物は大事にしてほしいです。

Wakana:“自分を信じること”はすごく大切だと思います。自分が自分を信じてあげられないと誰にも信じてもらえないと思うので、自分を大事にしてほしいです。また、自分を分かってくれる人も分かってくれない人もいますが、自分のことと同じように“他人を大事にすること”はすごく大切です。家族のことも、そばにいると分からないかもしれませんが、離れられない存在だからこそ大切にしてほしいですね。

(後編:「Kalafinaが10年前の自分たちに伝えたい事は?―『―10th Anniversary Film』インタビュー」へ続く。3月10日[土]掲載予定)(ザテレビジョン)

https://news.walkerplus.com/article/139920/

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