移住者9割! 都内の世界自然遺産の島  小笠原諸島・父島の魅力【2】

OVO

2018/3/8 17:34



多くの移住者を引きつける小笠原諸島・父島。今年6月に小笠原諸島返還50周年迎える父島の魅力を探るために、2月上旬、父島冬の旅に行ってきた。1回目のレポートではホエールウオッチングなど船から楽しむ海のアクティビティを紹介した。今回は、陸で楽しめるアクティビティを中心に紹介したい。多くの固有種に出会える世界自然遺産の森・山を体感すれば、さらなる父島の魅力を知ることができるだろう。

――陸で楽しむ父島アクティビティ
 陸で楽しむアクティビティも豊富な父島。昼間は森・山歩きツアー、戦跡ツアー、ウミガメ教室、コーヒー農園体験、タコノ葉細工などのクラフト教室などが楽しめる。そして夜間は、スターウオッチング、天然記念物のオガサワラオオコウモリ、夜に光るきのこの「グリーンぺぺ(通称)」を観察するナイトツアーが人気だ。アクティビティ料金は1日のコースで10,000円前後、半日のコースで5,000円前後、ナイトツアーは3,500円前後となっている。

——島内の移動手段
 島内の移動に関しては、ツアーに参加する場合はほとんどが宿泊先まで送迎してくれるので、移動の心配はない。一方、ツアーに参加せず、自由に島内を観光したい場合の交通手段は、バス、レンタサイクル、レンタバイク、レンタカーなど。展望台に行く際は上り坂がかなりきついので、レンタバイクなどが便利だろう。また、森林生態系保護地域はガイド同伴でなければ立ち入りができないエリアもあるので、注意が必要だ。

——子どもも大人も楽しい! ウミガメ教室へ
 「小笠原海洋センター」では、おがさわら丸の到着日や出発日に「ウミガメ教室」を開催。小笠原に生息しているアオウミガメの生態について学んだり、餌やりや、歯ブラシを使った甲羅磨き体験ができる。筆者も教室に参加。ウミガメは、時期によってはどのビーチでも産卵シーンに遭遇でき、街の中心地にある大村海岸でさえも、ウミガメの産卵が見られるという話には驚いた。大村海岸など街灯が設置されている海岸では、稚ガメが光の影響で迷走し、海に戻れなくなることを防ぐため、迷走ガメ防止柵が設けられているという。

センター内の展示室では、カメやイルカ、クジラの骨や標本などが無料で見学できるほか、時期によっては、卵の移植体験、放流体験、夜のウミガメ観察などのプログラムも開催している。子連れファミリーやウミガメ好きの人には、またとないアクティビティといえそうだ(ウミガメ教室2時間コース料金: 大人3,240円/小学生2,160円など)。

——魚の歯磨き体験が楽しめる小笠原水産センター
 二見港からほど近い場所にある「小笠原水産センター」では、飼育されているハタ(アカハタなど)の歯磨き体験が楽しめる。歯ブラシが取り付けられた棒を水槽の中に入れ、ハタに近づけると、大きく口を開けて気持ち良さそうにブラッシングをさせてくれる。また施設内にある「小さな水族館」(入場無料)では小笠原周辺海域に生息する魚などが泳ぐ水槽が見学できる。子どもの夏休み自由研究の参考にもできそうだ。

——絶景の展望台と戦跡
 絶景が楽しめる展望台が豊富な父島。中でもクジラのジャンプ(ブリーチング)や美しい夕日が楽しめる「ウェザーステーション展望台」が人気だ。運が良ければ、夕日が沈む瞬間に数秒間緑色に閃光する「グリーンフラッシュ」が見られる。夕日がグリーンフラッシュする確率は低いので、海外では「見た者は幸せになれる」と言い伝えられているほどだ。

ほかにも、父島中央を南北に走る夜明道路の周辺に、長崎展望台、旭日平展望台、初寝浦展望台、中央山展望台などの絶景スポットが点在し、夜間は天の川が見えるほど満天の星空が楽しめる。今年はこれから「こと座流星群」(4月23日)、今年2度目となる「皆既月食」(7月28日)、「ペルセウス座流星群」(8月13日)など天文イベントが続くので、ぜひ楽しんでみてはいかがだろうか。

夜明道路周辺の展望台を巡ると、いくつかの太平洋戦争時の戦跡があり、太平洋戦争時には重要な要塞基地だった様子がうかがえる。初寝浦展望台には銃弾跡が残る軍事施設や弾薬庫、またその付近には防空壕跡らしきものがあった。

さらに父島南部にある小笠原(貞頼)神社まで足を伸ばすと、境内には敵兵を打ち迎えるために作られたという「トーチカ」を見ることができる。筆者が目にした戦跡はごく一部だが、島内各地に戦跡が点在している。後世に戦争を伝えるようとする、観光地とは違った父島の側面も見ることができた。さらにディープな戦跡を見たい場合は、戦跡ツアーへの参加がお勧めだ。兵士の日用品、高射砲、軍事施設など、兵士の日常の様子や太平洋戦争の歴史を肌で感じられるだろう。

——世界自然遺産を体感する森・山のツアー
 父島の世界自然遺産を体感するうえで外せないのが、「森・山歩きツアー」。ガイドが同伴し、体力やレベルに合わせて、天然記念物のアカガシラカラスバトの繁殖地となっている東平アカガシラカラスバトサクチュアリ、赤いハート形に見える断崖絶壁の千尋岩(通称:ハートロック)、ジョンビーチ、躑蠋山(つつじやま)などのコースをトレッキングできる。

ツアーでは、オガサワラオオコウモリ、鳥類ではアカガシラカラスバト、オガサワラノスリのほか、昆虫類では10種類、貝類12種類もの天然記念物の生物を間近に見ることができるかもしれない。一方、父島固有種の生態系を脅かす、グリーンアノール(トカゲ)、野ヤギ、野ネコなどの外来種対策として、森林生態系保護地域には捕獲器や進入防止フェンスなどが設置されている。

また森林生態系保護地域の遊歩道への出入口では靴底の裏への酢酸スプレーや清掃が義務づけられ、衣服についた種子を除去するための粘着テープまで設置されるなど、徹底された外来種駆除対策のもとエコツーリズムの実践が進められている。

——ボニンブルーのビーチ巡り


 父島のビーチは混雑とは無縁。貸し切り状態のように人が少ない。ライフセーバーがいないので泳ぐ際は注意が必要だが、海外のビーチのように変な押し売りもいないのでリラックスして海が楽しめる。また、本格的なダイビングをしなくても手軽なシュノーケリングをすれば、岸から近い場所で美しいサンゴやさまざまな魚種に出会える。「境浦」のビーチに行けば、太平洋戦争時の沈船の周りをシュノーケリングできる。

父島南西部にある「小港海岸」「コペペ海岸」は環境省の全国星空継続観察「星が最も輝いて見える場所」に平成22年(小港海岸)と平成23年度(コペペ海岸)に1位に選出されているビーチだ。波の音を聞きながら満天の星空を眺めたい人にはお勧めだ。

——小笠原諸島とは
 
小笠原諸島は東京から南に約1000キロの距離にある、30あまりの島々からなる東京都の孤島群。大陸と一度も陸続きになったことがなく、植物、昆虫、陸産貝類など多くの固有種が生息・育成していることから“東洋のガラパゴス”と称されている。2011年6月には国内4番目にユネスコ世界自然遺産に登録された。今年は小笠原諸島返還50周年を迎え、6月の返還記念祭、返還50周年記念式典・祝賀パレードを中心にしたさまざまな記念イベントの開催や、記念切手の発売(6月)や小笠原諸島復帰50周年記念コインの販売(造幣局で3月16日より申込開始)も予定されている。

アクティビティの内容や最新の空き状況などは小笠原村観光協会のホームページで確認をするか、父島大村地区にある小笠原村観光協会に行って相談を。また、小笠原村観光局のホームページ(https://www.visitogasawara.com/)には小笠原の美しい動画やより詳しい記事もあるのでのぞいてみると良いだろう。

パート3に続く

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