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18年ぶりの再演! 轟悠、望海風斗、真彩希帆出演の宝塚歌劇 雪組『凱旋門』制作発表レポート

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2000年に宝塚歌劇団雪組で初演され、主演を務めた轟悠が文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞するなど、絶賛を博したミュージカル・プレイ『凱旋門−エリッヒ・マリア・レマルクの小説による−』が18年の時を経て、今年の夏に再演されることになった。3月8日に東京都内で行われた製作発表の様子を写真とともにお伝えする。

傑作ミュージカルとラテン・ショーの2本立て

専科の轟悠
専科の轟悠

『凱旋門−エリッヒ・マリア・レマルクの小説による−』の舞台は第二次世界大戦前夜のパリ。

ドイツから亡命してきた外科医ラヴィック(轟悠)は、友人のボリス(望海風斗)に助けられながら、あてどなく仇敵を捜すだけの失意の日々の中で、ジョアン(真彩希帆)という生きる希望を見出す。ジョアンとの鮮烈な恋を軸に過酷な運命に翻弄されながらも懸命に生きる人々の姿を、シャンソンをモチーフにした音楽を絡めて描き出した作品だ。

合わせて上演される2幕の『Gato Bonito!!』は、クールで気まぐれな性質、気品溢れるしなやかな身のこなしなど、猫からイメージされる姿を望海風斗率いる個性豊かな雪組生たちに重ね合わせて、バラエティ豊かに構成する、華やかでドラマティックなラテン・ショーとなる予定。
雪組トップスターの望海風斗
雪組トップスターの望海風斗

この日、出演する轟悠、望海風斗、真彩希帆のほか、宝塚歌劇団の小川友次理事長、『凱旋門』の演出・振付を担当する謝珠栄、『Gato Bonito!!』の演出を担当する藤井大介、協賛の株式会社かんぽ生命保険・取締役兼代表執行役社長の植平光彦氏が会見に出席した。

会見の冒頭、ラヴィック役の轟とジョアン役の真彩がしっとりと『雨の凱旋門』を歌い上げ、望海も加わって3人で楽曲『いのち』を披露。初演時を彷彿とさせるような懐かしさがありつつも、特に轟に関しては成熟した色気が漂っていた。

轟悠「自分を乗り越えるのが一番つらい」

専科の轟悠
専科の轟悠

轟悠は18年前の初演と同じラヴィック役を演じる。「再演されると聞いた時には、私自身も本当に驚いた。また、再演にあたって雪組ということで、私も雪組にトップ就任したので、やはり心の底では一番大事な組として残っている」と感慨深そうに話す。

「だいもん君(※望海風斗の相性)とは宝塚スペシャルぐらいでしかご一緒したことがなく、真彩ちゃんはついこの前挨拶したばかり。もちろん舞台は色々見ているが、技術も高く、色気もあって、この『凱旋門』の共演が本当に楽しみで仕方がない」と二人への思いを語る。

そして、「初演がどこか象徴的に言われるのが大変つらく感じている。その自分を乗り越えるのが一番つらい。でも、乗り越えられない壁はないと思って、みんなと共に、この『凱旋門』を寺田先生の遺作ともなる曲を大切に歌いつないでいきたいなと心から思っている」と心情を吐露した。

望海風斗「私の人生夢だらけ」

雪組トップスターの望海風斗
雪組トップスターの望海風斗

雪組トップスターの望海風斗は「轟さんと友人役をやらせていただけるのは本当に嬉しい。今から楽しみで仕方ない。元雪組トップスターの轟悠さんと、宝塚の名作『凱旋門』を今の雪組で再演させていただけるということは大変光栄。轟さんから、私だけでなく組子全員が舞台の上に立つ心構えなど、たくさんのことを見て感じて吸収して『凱旋門』の世界を精一杯生き抜いて息づきたいと思う」と、轟への敬意を忘れない。

『Gato Bonito!!』に関しては、「ラテンショーをやってみたいなという夢がありまして、私の人生夢だらけなのですが(笑)、その夢の一つを今回、叶えられるのは嬉しい。雪組勢が猫のように情熱的に踊り、駈け回り、飛び跳ねる姿をぜひ楽しみにしていただきたい」と意気込んだ。

真彩希帆「緊張が先にやってきた」

雪組トップ娘役の真彩希帆
雪組トップ娘役の真彩希帆

『凱旋門』は映像で見たという雪組トップ娘役の真彩希帆は、「まさか轟さんのお相手をさせていただけるとは思っておらず、緊張が先にやってきた。だが、ジョアンという役から学べることがたくさんあると思うので、稽古する中で一つでも多くのことを学ばせていただき、作品の中に飛び込んでいけるように、丁寧にこの作品と向き合っていきたい」と語る。

2幕目に関しては「ラテンショーに出演させていただくのも初めてで、黒塗りも初めてで、大変楽しみです。熱い熱いショーを、大人の色気というものを出せるように、お芝居もショーも、自分にない引き出しから……すみません……」と緊張のせいか言葉に詰まる場面も。真彩は「自分にないものも自分にあるものも、いろいろな面をお客様にお見せできるように、雪組の皆さんと頑張って、お稽古してまいりたいと思います」とまとめたが、その姿を見た轟が「真彩ちゃんは面白い子だね」と貫禄のフォローをしていた。

18年前の初演からどう膨らますか


宝塚歌劇団の小川友次理事長
宝塚歌劇団の小川友次理事長

小川理事長は「初演時の2000年を思い出した。名作だ。柴田侑宏先生の脚本、謝珠栄先生の演出・振付、そして故・寺田瀧雄先生の名曲が組み合わされたこの作品が、こうして18年の時を経て雪組で再演できる。こんなに嬉しいことはない。轟が満を持していい作品にしてくれると思っている」と話し、大きな期待を寄せている様子。

そして、望海風斗をはじめとする雪組の出演者に加え、初演と同じラヴィック役の専科・轟悠、さらに初演の出演者をゲストとして迎えた“『凱旋門』前夜祭”の開催も告知した。
『凱旋門』演出・振付担当の謝珠栄
『凱旋門』演出・振付担当の謝珠栄

『凱旋門』の演出と振付を担当する謝珠栄は「18年ぶりの再演、そして名作と言われるのですごくプレッシャーを感じている。不穏な空気が漂うヨーロッパ、暗闇が迫りつつあるパリで懸命に生きる人々の姿を描き出したいなと強く思っている」と意欲を見せる。そして、「戦争に翻弄される人が今もなおかつ世界のどこかにいらっしゃる。そんな方にも、少しでも命というものの大切さを届けられたらなと思う」
『Gato Bonito!!』演出担当の藤井大介
『Gato Bonito!!』演出担当の藤井大介

ポルトガル語で「美しい猫」という意味の『GatoBonito!!』の演出を担当する藤井大介。「美しい猫というのはズバリ雪組トップの望海風斗さんから出た言葉。トップになってからは初めてご一緒させてもらうが、彼女がまだ花組時代の下級生の頃に一緒に仕事をした。本当にクールで、ビューティーでナイーブ、セクシー、そしてミステリアス。でもうちに秘めた情熱を持っていると下級生の頃からずっと思っていた。そこが僕の猫のイメージとマッチングした」と望海を絶賛。藤井の言葉に望海は照れ笑いをしていた。

また相手役の真彩希帆についても「元気で明るくて健康的な娘役さんというイメージがあるが、うちに秘めた大人の色気というのもあるのではないかなと。今まで見せたことのない大人の表情を見せてもらえるかなと思って楽しみ」と期待を寄せ、「この2人を中心に雪組の個性豊かな面々の魅力をなるべく目一杯引き出して、熱いラテンの音楽にのせまして、黒塗りのギラギラした熱いショーになれば。初夏から真夏にかけての熱い時期の公演となりますので、舞台も負けじと熱く、文字通りパッショナブルなショー作品に我々スタッフ、出演者一同頑張っていきたい」と意気込んだ。
真彩希帆、轟悠、望海風斗(左から)
真彩希帆、轟悠、望海風斗(左から)

脚本の柴田のコメントは代読された。

「初演時は第二次世界大戦前のパリの暗く、重い時代に、若者たちがどのように感じ、考え、動き、生きたか、という世界観を宝塚の舞台に乗せればどのような広がりを見せることができるかという興味から、この作品に取り掛かったことを覚えている。主演のラヴィック役の轟は18年前と同じ役をやることにどのような思いを持っているか。何も恐れない男としての魅力、微妙な心の動きを今どんな風に表現するのかを期待したい。

また、雪組トップの望海が友人ボリスをやるにあたり、役を初演よりも膨らませ、ナンバーなども増やす予定だ。男女の機微とは無関係な生き方をする生粋の男としての色気を出していただき、望海が息づくことで作品の重みや奥行きがさらに深まればと思っている。

恋人役のジョアンは宝塚の娘役としては少し異色の難役だが、役者として包容力の真彩には繊細に、でも楽しんで演じてもらいたい。

演出を担当していただく謝先生は緻密な心理描写と相まって、人間の奥深い心の底を揺り動かすダイナミックな演出で、ご観劇のお客様の心を『凱旋門』の世界に誘ってくれると思っている。最後に初演の良さやイメージを生かしつつも、今再演するという意義も鑑みた『凱旋門』にしていけたらと鑑みている」

また、かんぽ生命保険の植平光彦・代表取締役社長は「かんぼ生命は、人生は夢だらけを企業スローガンとして、夢に向かって皆様の人生を応援させてもらっている。世代を超えて夢とロマンを届ける宝塚歌劇の舞台には深く共感するし、私自身、大変楽しみだ。今後も長く愛される作品になることを願っている」とエールを送った。

「初めて宝塚の舞台で楽しいと思った」

轟悠と真彩希帆(左から)
轟悠と真彩希帆(左から)

続いて、質疑応答が行われた。

−−18年ぶりに同じ役を演じることについての思いを教えてください。

轟 この『凱旋門』という作品に限らず、今までその都度その都度出会ってきた作品に誠心誠意魂を込めてやってきたつもりでございます。ですが、今振り返れば反省点は100ほどあります。ただ後悔はありません。その時持っている力でやってきたものですから、下手なりにも心を込めてやってきたつもりでございます。

ですので、その時と18年の間に、いろんなジャンルの、いろんな国の作品をいろんなメンバーで取り組んでまいりました。当時18年前にはなかった感覚が、今は私にもあるのではないかという少しの自信と経験があります。

ただ、18年前なので、記憶がございません(笑)。あるのは断片的に、謝先生に怒られたことや、寺田先生がグランドピアノを稽古場の真ん中に持ってこられて全然踊れなかったことなど(笑)、そういったことばかりです。楽しい舞台稽古でした。そして、何よりも初めて私が宝塚の舞台でお芝居を楽しいと思えた感覚に襲われた作品でした。今回はそこを上回るように、何かを超え、何かを得ていきたい。それは共演者から受けるものでもあり、お客様から、皆さまから受けるものだと思っています。

−−お芝居を楽しいと感じたのは具体的にどう言う場面ですか。

轟 それが舞台に出る直前でした。皆さんがオープニングで歌っている前に、タワーの中で小道具さんと二人っきりになるんですね。ふと何気なく気付かれずに出て行く。そのスタンバイしている時に全身鳥肌が立って。「楽しい」とつぶやいた記憶がございます。

『凱旋門』をやれる時が、来た。

望海風斗、轟悠、真彩希帆(左から)
望海風斗、轟悠、真彩希帆(左から)

−−『凱旋門』の企画の期待と今回新たな構想があれば教えてください。

小川 2000年に見たときに本当に素晴らしいなと思いました。望海さんが雪組トップになって、この『凱旋門』がやれる時が来たなと思いました。18年の時が経っていますから、作品を知らない人もおられます。宝塚は新作主義ですけれども、演出家にはやっぱり再演できるぐらいの新作をやってくれと言っています。これは素晴らしい作品だと思いましたし、寺田先生の名曲がある。轟さんがこの役を雪組とともに作ってどういうようなものになるのか。カルバドスのような匂いがしてくるのか。楽しみにしております。

謝 轟さんの演技をここ数年見させていただいて、18年前とはぜんぜん違う成熟された演技をしていると感じます。キャリアもあるし、年齢を重ねているので、非常にいいものを感じています。今回轟さんがラヴィックをどういう風に演じられるかが楽しみです。

また、ボリス役の望海さんのために、柴田先生と相談して、少しストーリーテラー的なところを出せれば。客観的でありながらラヴィックに寄り添っている姿を、望海さんのお得意な歌で綴るような新しい演出は入ると思います。

雪組トップ娘役の真彩希帆
雪組トップ娘役の真彩希帆

轟 雪組を背負って独り立ちしている望海さんとともにやれるわけですから、絶対に正面からぶつかりあって、いいものを生み出せたらいいなという気持ちでおります。ただ、2人とも気が小さくとても優しいので、どんな風になるか。真彩ちゃんがとても面白い人だということも今日分かりましたので(笑)、温かく二人で見守りながら作品を作っていきたいと思います。

望海 ポスター撮影の時からすでに思っていたのですが、轟さんが醸し出す世界観や、何を聞いても受け止めてくださる大きさを感じています。自分も遠慮してはいけないなと。今回一緒にお芝居させていただくのは初めてなのに、安心感がすごくあるので、本当に飛び込んでいったら間違いないなと思います。

轟 私もだいもんだったらぶつかっていけるかなと。もう友情は出来上がっているかもしれないです。そして真彩さん?(笑)

真彩 私は、懸命に、つ、ついてまいるだけです!

轟 あはは。これだけ素晴らしいとたくさんの方に評価していただける作品ですので、それにお応えできるように頑張りましょう。

望海・真彩 はい!

−−最後に『Gato Bonito!!』についてもお願いします。

藤井:細かい場面構成はこれからですが、1幕目ががっちりとした文芸大作なので、多少2幕はハチャメチャに遊んでもいいかなという気が致します(笑)。轟さんのように、僕も自分の壁を乗り越えて、新しい自分を発見したいなというのもありますし、それを雪組の望海さんと真彩さんとみんなで色々引き出しあって面白くしていきたいなと思っています。

やはり二人の特色としては、歌唱力が大変優れておりますので、デュエットソングもそうですし、一人一人の今まで聞いたこともないような歌声を聴かせられるようにこれから選曲に考えていきたいと思います。僕は先日ブラジルも行ってきたのですが、アルゼンチンで本場のタンゴを見てきたので、ブエノスアイレス系の2人のダンスも入れられたら格好いいかなと考え中です。

取材・文・撮影=五月女菜穂

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