どこよりも上品で繊細な京都を代表する桜餅

春といえば桜。気分華やぐ桜のお菓子に目を奪われ、ココロ惹かれる季節です。でも、私がふるさとの美しい桜の風景を思い出すと、食べたくなるのはやっぱり鶴屋 寿さんの「嵐山 さ久ら餅」です。

京都に生まれ、名だたる和菓子店に囲まれるように位置する町に育った私。美味しい湧水で淹れるお茶、美味しく美しい和菓子を当たり前のように味わう。それがいかに恵まれた環境だったのかを知ったのは、ふるさとを離れてからでした。今、細やかに季節をうつす和菓子を、便利にお取り寄せできるようになったのは喜ばしいことです。一方で、さまざまな事情から一子相伝の味を守りきれず、素晴らしいお店が一軒、また一軒と絶えていくのはさみしいですね。変わらぬ美味をていねいに作り続けるお店が、まだ京都には多く存在するのが救いです。

老舗和菓子屋、鶴屋吉信から別家独立された鶴屋 寿さんは、嵐山に本店を構えて今年で70年。京都の中ではそう古いお店ではありませんが、桜餅といえばここ、と誰もが知る名店です。ご近所にある高級料亭から依頼を受けて生まれたという「嵐山 さ久ら餅」は、そんな由緒も知らず、ただ美味しいからと愛し続けてきた私の好物。今回改めてホームページをじっくり拝見し、なるほどと納得しました。

バランスの良い上品な甘さのなめらかなこしあん、それを包む繊細なのにもっちりと弾力のある純白の道明寺、塩気のバランスが最高で、薄く柔らかな伊豆大島の桜葉。年中買えるものとはいえ、やはり春にいただくと格別です。

「嵐山 さ久ら餅」は二枚の桜葉で餅をふわっとはさむように作られています。他の桜餅と違い葉にべったりと餅がくっつきにくいので、葉を一枚はがすと黒文字できれいに切ることができるのも特徴でしょうか。けれど私は、なんともいえない芳香を放つ桜葉も一緒に、気取らず手でパクッといただくのが好き。合わせるのはお煎茶。「ここのんは、やっぱり上質やし段違いやなぁ」と食べる度に思います。箱を開けたとき、桜葉が折り重なるように見えるのもいい感じ。京都の美しい桜を思い浮かべながら、ぜひ味わっていただきたい名菓です。

商品名:嵐山 さ久ら餅 6ヶ入【サービス箱入】
販売:鶴屋 寿
文:お取り寄せの達人:白木あきこさん(グルメサイト「追求!美食道」主宰)

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