競馬場が「200円で死ぬほど楽しめるテーマパーク」だって知ってた? 初心者向け競馬場の遊び方

じゃらんnews

2018/3/3 16:00


競馬場が「200円で死ぬほど楽しめるテーマパーク」だって知ってた? 初心者向け競馬場の遊び方

28年間生きてきて、「競馬」をしたことがない。

やってみたいと思うことはあっても、どうやってレースを予想すべきかがわからないし、馬券の買い方も知らない。一緒に競馬場に行ってくれそうな友達もいなければ、そもそも賭け事自体、勝ったことがほぼない。

って考えると、競馬のおもしろさが全然わからない。
東京競馬場そんな僕が、東京競馬場@府中に来てみました。
何もわからない僕がなぜ競馬場にいるかというと、知り合いの編集者がこんなメッセージを送ってきたからである。
東京競馬場「よろしこ」ってなんだろう? 高校生の間で流行っているの?
寝起きでメッセージを見たこともあり、「うぃっすうぃっす」なんて酔っ払いみたいなテンションで即答してしまったけれど、よくよく考えると、競馬の知識が皆無なのに、競馬場に行っても楽しみ方がわかるのだろうか?

大きな不安を覚えた僕は、ある人に助けを求めた。

東京競馬場

自他ともに認める競馬好き・長谷川リョーさんである。

長谷川リョー
ときには1日約10万円を競馬に賭ける日もあり、毎週末は競馬を楽しみに暮らす生活を10年近く続けている生粋の競馬好き。過去最高配当額は1,000万円。普段はライター・編集者として鬼のように働いているが、将来の夢は、馬主。(Twitter: @_ryh)

「競馬好きがもっと世の中に増えてほしい」と考える長谷川さんは、この記事への出演を快く引き受けてくれた。競馬好きに悪い人はいないのかもしれない。

ここから「大の競馬好きが語る、競馬場の魅力」をたっぷりお届けしたい。
東京競馬場長谷川さんはこの日も「1,000万円を当てたときに買った」というモンクレールのダウンを着て現れた。絶対に僕も勝ちたい。 まずは“ギャンブル飯“を満喫すべき。

「競馬場は、馬券を買ってレースを楽しむ以外にも、たくさんの楽しみ方があるんです」。

そう話す長谷川さんが最初に案内してくれたのが、こちら。

東京競馬場

ラーメン屋。

なぜここに? と長谷川さんに尋ねると、「腹が減っては戦はできぬ。たくさんのお店があるのですが、個人的にオススメなのはこのラーメン屋『翠松楼(すいしょうろう)』なんです」とのこと。
東京競馬場シンプルな見た目。こういうの大好きです。
この日は集合が12時ということもあり、僕のお腹は既にペコペコであった。“ギャンブル飯”と呼ばれる競馬場ならではのご飯を堪能することにしよう。
東京競馬場おお! 確かにうまい。
「翠松楼(すいしょうろう)」の醤油ラーメンは、オーソドックスな鶏ガラ系の醤油味、麺は中太麺、チャーシューはちょっぴり固めと、昔ながらの醤油ラーメンといった感じだ。とはいえ、競馬場という「場の力」のせいだろうか、あくまで個人的な感想だが、「高速道路のパーキングエリアの醤油ラーメン」の3倍はうまい。(高速道路のパーキングの醤油ラーメンも超絶好きです)

東京競馬場

「美味しいでしょ。でもね、これだけでは足りないんです」とドヤる長谷川さんに連れていかれ、今度は「鳥千」へ。めっちゃ並んでる。

このお店ではフライドチキンとビールを買うことに。長谷川さん曰く、「競馬を見ながらのチキンとビールは最高です!」とのこと。たぶんそれは、間違いない言葉だ。
東京競馬場でも、なぜか僕だけ購入することに。
長谷川さんは「勝って祝杯をあげたいので、勝つまで飲まない」という謎理論に基づいて行動しているため、それまで禁酒するとのこと。早く言ってくれれば僕もそうしていたのに。

東京競馬場

ちなみに、東京競馬場には約60種類の飲食店があるため、ここではすべてを紹介することはできない。チェーン店もいくつか入っているが、この競馬場にしかないお店も多く、 “入場券を購入しないとたどり着けないし、それに加えレース開催日にしかオープンしない” というレア感はすごいと思った。長谷川さんは「なぜかどこも美味しい」と言う。
賭けること「以外」も楽しい競馬場
東京競馬場食べ歩きができるのも、競馬場の良いところです。フライドチキン美味しい。
競馬場で楽しめる「競馬以外のこと」は、グルメだけではないらしい。

東京競馬場

たとえば東京競馬場には、「ポニーに触れ合える場所」があれば……

東京競馬場

「子供たちが見ると絶対に興奮する例のアレ」とか……

東京競馬場

「やたらとデカい公園の遊具」とかもある。

東京競馬場

UMAJO SPOTと呼ばれる女性限定のカフェ(写真では3%も伝わりませんがケーキなどがめちゃインスタジェニックでした)もあれば……

東京競馬場

フォトスポットも盛りだくさんである。

「東京競馬場の入場料は200円。15歳未満なら無料なんですが、これだけ遊べるスポットがあってその値段はお得じゃないですか?」と長谷川さんは言う。

駅から直結な上、「娯楽」も「飲食」も「子どもの遊び場」もコンパクトにまとまっている施設、確かに珍しいかもしれない。
東京競馬場ちなみに「200円」を連呼する長谷川さんは、場内を案内している間もずっとレースの様子を見守っていました。東京競馬場そして何度も負けていました。 馬券を買ってみよう

東京競馬場

グルメや競馬以外の遊びも楽しめることがわかったけれど、本来の目的を見失いそうになる。

競馬場は、賭けて、競走馬が走るところを目の前で楽しみ、勝敗を味わうところなのだ。

東京競馬場

ということで、いよいよ馬券を買ってみることにした。

競馬場には上の写真のような“馬券を購入できる機械”(自動発売機)がそこかしこにある。ここで自分が賭けたいレースの馬券を購入するのだが、僕のような初心者は、どうやって買えばいいのかさっぱりわからない。

ということで長谷川さんに買い方を聞こう。

東京競馬場

「馬券を買うためには、まずマークカードを書かなきゃいけないんですよ。マークカードにどの馬に賭けるのかを表明するんですけど、よくわからないと思うので、まずは馬を選ぶ方法を教えますね」

と長谷川さんがおもむろに手にしたものが……
東京競馬場スマホ。
「文明の利器に頼りましょう。スマホで簡単に出走馬の情報を集めることができますし、なんなら馬券の購入までできます」。

なるほど。だから競馬場にいる人たちはスマホを凝視していたのか。長谷川さんも取材中、ずっとスマホを見ていた。暇だからTwitterをしていたのではなかったのだ。
東京競馬場スマホを見ながら、どの馬が勝ちそうか予想してみます。
――でも、どの馬に賭けるかなんて、判断できなくないですか?

「ああ、それはもう、勘です」

――勘!!?

「絶対に当たる方法なんてないです。絶対に当たるなら賭け事として成り立たないですから。とはいえ勝率を上げるには、やっぱり強い馬に狙いを定めましょう」

――強い馬って、どうやってわかるんですか?

「要するに過去のレースでよく勝っている馬が『強い馬』なんです。そういう馬にはみんなが賭けるので、自ずとオッズと呼ばれる倍率が下がっていく。つまり、オッズが低いのが強い馬なんです」

――じゃあオッズが低い馬に賭ければ、勝つ確率が上がるってことですね!

「倍率が低ければ返ってくる金額は安くなりますけどね。手堅く勝ちに行くか、一発逆転の大勝負にでるか。そのバランスが難しく、楽しいところなんです」

――なるほど~。
東京競馬場マークカードは「緑のカード」「青のカード」「赤のカード」「ライトカード」の4種類があります。
長谷川さんに習いながら、「マークカード」に自分が賭けたい馬と、どのくらいのお金を使うのかを記載していく。

なお、マークカードは自動発売機周辺ならどこにでも置いてあるので、根気よく探さなくても見つかる。シートに記入をする際に使う鉛筆も、警備員のおじさんに「ください」と言えばもらえるそう。
東京競馬場これがマークカードだ。僕の運命はここに何を記入するかによって変わる。
「緑のカードは1点ずつ購入する一般的なマークカード。難しいことはありません。まずはこれを使って書いてみましょう」

――パッと見、何を書けばいいかさっぱりわからないのですが……。

「買い方は、全部で9種類あります。まずはシンプルに単勝・複勝あたりからはじめて、経験を積むにつれて、いろいろ試してみるのがいいと思います。詳細は以下を確認してください」
東京競馬場これが馬券の種類。この中でも、初心者には1着を当てる「単勝」や、3着までに入る馬を当てる「複勝」、1着、2着、3着となる馬の馬番号の組合せを当てる「3連複」が買いやすいという。東京競馬場自分が買いたい馬券の記入する。レース番号などがわからなければ、スマホで調べよう。
基本的に、この緑のカード(写真だとわかりづらいけれど、文字が緑色なのです)を使えば全種類の馬券が買えるとのこと。
東京競馬場たとえばこれなら、3連複で購入しているので、3,6,12がどの組み合わせでも1,2,3着に入れば勝ち。
三連複でどのくらいの配当が出るのか、単勝ならどのくらい儲かるのか。気になるところだが、「スマホを見れば、情報が出ています」とのことだ。本当にスマホは便利である。
東京競馬場青のカードは『連単(複)流し』
青のカードは、軸にする馬(枠)を1頭もしくは2頭決めて買うときに便利。「軸にする馬は、絶対に来ると確信を持った馬を入れるのが良いと思います」と長谷川さんは言う。

青のカードの効率的な使い方だが、例えば「1」の馬に狙いを定め、「ワイド」で購入する際、1-3-5と1-6-10、1-8-10などと、全てを塗りつぶすのは面倒だ。その時に「青いカード」を使えば、楽に購入出来るというわけである。

東京競馬場

赤のカードは、表は「ボックス』、裏は「フォーメーション」。
「フォーメーション」は着順を予想し、着順欄に予想した馬を記入すると、その組合せがすべて一度に買える買い方。「ボックス」は選んだ馬(枠)の組合せを一度にすべて買う買い方。

これらも先ほどの『ながし』と同じように、いろいろな組み合わせを買うときに便利。

東京競馬場

僕のような初心者は、まず「緑のカード」で買ってみることをオススメする。何度も競馬場に足を運べば、自然に別のカードを使うことになっていくらしい。
東京競馬場ということで、実際に馬券を買ってみました。販売機には、先にお金を入れることがポイント!
「マークカードに記入する際、一つでもミスがあると馬券を購入できません。購入時間ギリギリでミスが発覚すると、受付を締め切られてしまう可能性があるので、時間に余裕を持って行動しましょう」

この日、負け続けている長谷川さんだが、手取り足取り教えてくれる。やっぱり長谷川さんはいい人だ。この時点で48,000円負けているのに。
東京競馬場同行していた編集者のカツセさんも、長谷川さんに習って馬券を買っていました。 いざ、レース!!!

東京競馬場

馬券を購入することができたので、いよいよレースを見ることに。長谷川さん曰く次のレースは「うまいこといけば、10万くらいは当たるかも」とのことなので、これは応援せずにはいられない。
東京競馬場人がどんどん外に集まります
なお、出走する馬はレースに出る前に、「パドック」と呼ばれる場所でその姿を見ることができる。観客席から馬体の状態などをじっくりと確認することで、“その日の調子”がわかるということなのだが、長谷川さんは「僕にはそんなの関係ないです。強い馬が勝ちます」と言っていた。
東京競馬場「あの馬、筋肉がすごい!」と思ったけど、よくみたら全部の馬の筋肉がすごかった。
JRAが主催するレースは、開催日それぞれ12レースあるそうで、その中でも11レース目がメインレースであり、一番盛り上がるという。でもなぜ一番盛り上がったあとにも次のレースがあるかというと、「11レースで負けた人の最後の希望」ということらしい。やさしさ。

また、レースを見る場所は「盛り上がりがわかりやすいのはゴール付近」で、本気で見やすい場所を探すのなら「指定席を買っちゃうのが良い」とのこと。この日は比較的空いていたのでさまざまな場所から見ることができたが、 “ディープインパクトのラストラン” のような超大型レースが開催される日は「朝8時の埼京線ばりに会場がごったがえす」らしいので、早めに行って席を確保することが良さそうだ。
東京競馬場これが指定席からの眺め。コンセントも付いていて専用のモニターもある。ノマドワークをしながら競馬を見られるが、そんな意識高い人、ここにはいません。
レースの時間がやってきた。会場にいる全員が、自分の賭けた馬を見つめている。

弱い馬に100円を賭けたとして、それが1着になれば10,000円以上になるかもしれない。それが本当に起こり得るのが競馬だ。初心者だって上級者だって、ワクワクせずにはいられない。
東京競馬場スタートしました!
時刻は16時近くになっていたが、さすが大盛り上がりの11レース目ともあって、会場の歓声はこれまでのレースより圧倒的に大きい。馬券を買ったみんなの夢を乗せて、馬たちは走る走る。

約2分半ほどのレースだが、集中しすぎて一瞬にして時が流れた。たぶんこれは、お金が動いているからなのだろう。お金を賭けずに馬が走っている姿をみるだけでは、多分そんなに面白くないはずだ。
東京競馬場あ、もしかして……
終盤になり、自分が賭けた馬がゴールに向かって走っていると、本当にドキドキする。だって大金が手に入るかもしれないんだから。10万円は、僕にとって大金なのだ。

そして……。
東京競馬場負けました……。
僕の予想した馬券も、長谷川さんが予想した馬券も、残念ながらどちらもかすりもしていなかった。

競馬歴10年以上、毎週10万ずつくらい賭ける日々を過ごす長谷川さんが勝てないのだから、僕も勝てなくて仕方ない。それでも、悔しいものは悔しい。ああ、飛んで行った僕のお金。

「競馬が好きになったら、馬の特徴を覚えると面白くなりますよ。例えばスタートしてから一度も他馬に先頭を譲らず、そのまま勝ってしまう馬を、“逃げ馬”と言うんですが、逃げ切ったときの鮮やかさはかなり記憶に残ります。好きな特徴の馬だけを選んで、馬券を買ってみても良いかもしれません」。

こんな風に、長谷川さんはレースに負けても、僕にもっと競馬を好きになってもらいたいと競馬の楽しみ方を教えてくれる。長谷川さんはこの日、約70,000円も負けているのにもかかわらず。

「競馬を好きになってくれましたか?」競馬場から去り際に長谷川さんは僕にそう聞いた。

「初めての体験で、本当に楽しかったです。勝たなきゃ楽しくないのかなと思っていましたが、勝ち負けに関係なく、レースを見るハラハラドキドキ感が、なにより良かったですね」

と、僕は今日の楽しさを長谷川さんに伝えると、「そう。そうやってみんな、毎月に一回競馬をすることになっていって、いずれは毎週することになるんだよ」とカッコよくもわるくもない台詞を残していった。
東京競馬場ダメ元で12レース目も挑んで、やはり負けました。それでも競馬は楽しいのです。
競馬をしたことがない皆さん、ぜひ一度競馬場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
賭けても賭けなくても、楽しく過ごせますよ。

おしまい。

取材・文 長橋諒

協力 長谷川リョー
取材協力 JRA / 東京競馬場

あなたにおすすめ

すべての人にインターネット
関連サービス