【実話】「あんたら、死にたいって考えたことあるか?」 自殺について大阪のおばちゃんに語られたことが忘れられないという話



Twitterや検索エンジンで「死にたい」「自殺」と検索すると、自殺防止センターやこころの健康相談室の連絡先が表示される。世の中、自殺はダメってことになってるらしい。

でも、どうして?

この疑問に対し全ての人を納得させられる答えを持つ人はいないのではないか? 私もわからない。わからないが、ある人の話から真剣に考えさせられたことはある。その話をしてくれたのは、学校の先生でもどこかのNPO法人でもなく、大阪のおばちゃんだった。

これは私(沢井メグ)が高2の頃、知り合いのおばちゃんが話してくれたことだ。いや、“まくし立ててきた” という方が正確か。そのおばちゃんは、野村沙知代さんに激似だったのでサチヨと呼びたい。サチヨは悪人ではないのだが、とにかく押しが強い。異常に似合うヒョウ柄が百獣の王感をバリバリに出しており、メチャクチャ怖かった。

そんなサチヨはなぜか私と女の子の後輩をつかまえて、「なぜ援助交際をしてはいけないか」を力説。荒っぽいもののどんな大人の話よりも納得できたものだが、それとは別にこんな話もしてくれたのだ。

サチヨ「そういえばこないだ中学生やったか高校生かが自殺したってニュースあったやろ? あんたら、死にたいとか考えたことあるか?」

当時はなかった。なので「ないです」と即答。すると……

サチヨ「そらエエこっちゃ。おばちゃんな、自殺とかメッチャ嫌いなんや」

そこで好きって言ったらサイコパスやわ。サチヨ、いまでも十分怖いけど……。そう心の中でツッコんでいたら、サチヨの怒涛のマシンガントークが始まったのだ。

サチヨ「ホンマ何が嫌ってラクな死に方とか、痛くない死に方とか紹介しとる奴おるやろ。アホらしいわぁ!! 死んでからが大変やっちゅーねん!

あのな、いろんな方法があるけどな、ドラマとか漫画みたいに頭からちょっと血流して、キレイに死ねると思ったら大間違いやで?

たとえばやけど、飛び降り。あと電車への飛び込みとかあるやろ? 本物はグッチャグチャや。顏はわからんようになるし、骨ボッキボキで内臓ダバーッ。そこらじゅうに飛び散るねんで? 誰が片づけるねん! あんただって死に様がそんなん嫌やろ。

簡単にラクな死に方とか言い回るヤツはホンマ無責任。そんなもんあらへん。そんなもん信じたらアカン。

死にたかったら死ぬ前に、いっぺん死んだら、その後、どうなるのか考えてみ。家族が悲しむとかそんな話ちゃうで? もっと具体的にや。

まぁあれやな、ラクっちゅーか、一番迷惑かけへん死に方は何重にもしたゴミ袋に入って、ちゃんと縛ってから中身出んようにしてからやることやな。って、自分で袋の口縛るとか無理やっちゅーねん!」

って最後一人ボケツッコミですか……そこで話に区切りもついたので、私たちは帰ることにした。

リアルタイムで辛い思いをしている人には、サチヨの話はあまりにも乱暴だ。だからサチヨは最初に「自殺したいと思ったことがあるか」と聞いてきたのだろう。そして、結局のところサチヨは何が言いたかったのか……いろいろ考えた結果、「衝動にかられたときに、一度立ち止まってみろ」ということな気がする……と解釈した。

その後、インターネットやSNSが普及し “死” について簡単に情報を得られるようになった。面白半分のものもあれば、発信者には犯罪者予備軍もいるかもしれない。2017年に発覚した「座間9遺体事件」の記憶も新しいだろう。

もしかして、サチヨはそんな未来を予見していたのだろうか!? さすがサチヨ。あの怖い目はダテじゃなかった。

援助交際の話にしても、自殺にしても、インパクト大な例を挙げてまくし立てるのがサチヨ流なのだろうか。サチヨがそれを計算して話をしていたかはわからないし、教育の専門家から見たら「青少年に話す内容ではない」のかもしれない。しかし非常に印象的な出来事になった。優しく無難にキレイな言葉だけだったら、ここまで記憶には残らなかったのは確かである。

執筆:沢井メグ
イラスト:稲葉翔子

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