全階に停止しない「スキップフロア型」はお買い得!? 「エレベーター」の基礎知識

日刊Sumai

2018/2/11 21:30



チンク / PIXTA(ピクスタ)
エレベーターはマンションで生活する上で身近な設備ですが、維持管理に何かとお金がかかる存在です。
そんなエレベーターに関して、皆さんが知っておいた方がいい基本的なことについて、前回、前々回と2回にわたってご紹介してきました。
しかし、何しろネタがありすぎる分野のため、書ききれなかったことが数多く残りました。
今回は、これまでご紹介できなかったことについて書きたいと思います。
これで、筆者自身もスッキリとしたいと思います。

全階に停止しない「スキップフロア型」は人気の両面バルコニーが設置可能

nicekick / PIXTA(ピクスタ)
マンションの中にはすべての階に停止しないタイプのエレベーターがあります。
このようなマンションには5階建てなのに4階までしか行かない、あるいは奇数階しか止まらない等のさまざまなエレベーターがあります。
こういうマンションは「スキップフロア型」と呼ばれています。

こちらのマンションの場合はエレベーターが停止するのは1階,4階,7階,10階,12階です。
ですので、停止しない階の住民は最寄りの停止階から1フロアだけ階段を使用しなければなりません。
マンションは手軽さとバリアフリーが評価されてここまで広がってきたのですから、一見すると不公平で世の流れに逆行しているように思われますが、エレベーターが停止しない階にもちゃんとメリットがあるのです。

このような階には外廊下がないため、部屋の両側にバルコニーを設置する「両面バルコニー」が可能になります。
窓の外を人が通ることがないので何も心配することなく窓を全開にすることができるので、風通しは最高です。
春先から夏場にかけて「両面バルコニー」の持つメリットは大きく、若干不便であってもこういう物件を探している人は数多くいます。
「売れない不動産」の事例として「エレベーターが停止しない階の部屋」を挙げている記事を見たことがありますが、恐らくスキップフロア型のマンションの特色を知らない人が書いたのでしょう。

「電子ブレーカー」導入も増加!電気代削減に効果あり

EKAKI / PIXTA(ピクスタ)
以前にも書いたのですが、エレベーターが動いている間は電気の使用量が跳ね上がります。
そのためマンション共用部で発生する電気料金においてエレベーターの占める割合は大きいのです。
逆に言うと、その部分を改善すれば大幅に電気料金を節約することが出来ます。
通常のブレーカーの場合、電気の使用量が許容範囲を超えると落ちてしまうため、停電を防ぐためには跳ね上がった時の使用量に対応するだけの容量を持ったブレーカーを設置することが必要です。
しかし、容量の大きなブレーカーを設置すると当然、基本料金が上がります。

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そのため現在では「電子ブレーカー」と呼ばれる設備を導入する事例も増えています。
電子ブレーカーは電流値をコンピューターで制御しており、許容範囲以上の電流が流れてもJIS規格の許容範囲内の時間内は遮断せずに作動します。
つまり許容範囲以上の電流が流れても一定時間は落ちないので、これまでより容量を下げることができ、それにより基本料金を下げることが可能です。
筆者もフロント時代に幾つかのマンションで導入しましたが、結構な金額の電気料金節減につながりました。
電気料金に悩んでいるマンションがありましたら検討してみてはいかがでしょうか。

地震や停電等の非常事態には驚くほど備えが整えられている

YNS / PIXTA(ピクスタ)
エレベーターは一時的ではあるにせよ密室状態になる訳ですから、一番心配なのは乗っている最中に地震、停電等の大災害が発生した場合です。
先日、JR信越線で雪のため電車が立ち往生し、乗客が15時間車内に缶詰になったという事件がありましたが、同じことがエレベーターで発生したら大変です。
現代のエレベーターでは、地震や停電等の非常事態における備えが驚くほど整えられています。
地震に関しては、初期微動を感知した段階で最寄り階に停止してドアが開くよう設定されています。
一方、運行中に停電が発生した場合、エレベーターは一旦停止します。
照明は消えますが、代わりに停電灯が点灯するので真っ暗にはなりません。
そしてバッテリーにより最寄り階までエレベーターを動かし、扉を開くような仕組みになっています。
ちなみにエレベーターメーカーの研修施設にはこれらの状況を再現できる装置があり、筆者も一度体験したことがあります。
停電で緊急停止した際はそれなりの衝撃があり、また照明も落ちてしまうので、研修とはいえびっくりしました。
すぐに脱出できるので、もし地震に遭遇しても、ともかく落ち着くことが必要です。
不幸にしてこういう機能のない旧式のエレベーターの場合、おとなしく救助を待つしかないようです。

るぅきち / PIXTA(ピクスタ)
また、エレベーターには外部と通信機能が付いているので、これを利用して状況を説明してください。
閉じ込めが多発した場合どのように対応するのかエレベーター会社の人に聞いたことがありますが、「緊急性が高い現場から先に対応する」ということでした。
ちなみにエレベーターは火災報知器とも連動しており、警報が発報するとエレベーターは止まります。
マンションの防災訓練で火災報知機を鳴らしてみることもあるかと思いますが、訓練が終了して警報を解除するまでエレベーターは使えません。

夏の害虫・蚊も乗ってくる!? 利用するのは人だけではない

voyagerix / PIXTA(ピクスタ)
筆者はマンションの7階に住んでいるため、日頃は夏でも「蚊」に悩まされることは無いのですが、15年間で1回だけ室内に蚊が入ってきたことがあります。
蚊の飛翔高度には諸説ありますが、3階くらいまでが限界というのが通説のようです。
それではどうやって7階までたどり着いたかという事なのですが、おそらくエレベーターを利用したと考えられます。
蚊が自力でエレベーターを利用するのは不可能ですが、人が出入りする際に蚊が入り込むことは十分にあり得ます。
上層階だからといって油断することなく、十分に注意することが必要です。

マンションで生活するならエレベーターの知識は絶対必要!

Graphs / PIXTA(ピクスタ)
以前は戸建てを買えない人が住む場所であったマンションですが、現在では戸建てからマンションに住みかえるという人も増えてきています。
マンションの持つ「楽さ」「快適さ」がその大きな要因ですが、そこでエレベーターが果たしてきた役割はかなり大きいと思います。
そのためマンションで生活している方に知っておいていただきたいことを3回にわたってご紹介しました。
こうした知識があれば、定期点検でエレベーターが止まっていても、舌打ちをしなくなるのではないかと思います。

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