「キャラに歩み寄る」。伊藤優衣の2.5次元女優としての覚悟。

TCM

2018/2/11 21:00

2.5次元ならではの『原作ファン』というお客さん


通常の舞台なら、俳優や女優のファンが足を運んでくれるパターンが多いけれど、もともとの『原作ファン』が主なお客さんである場合が多い2.5次元の舞台。また、伊藤さんは『セーラームーン』だけではなく、世界的な人気を誇る『NARUTO』の舞台でもヒロイン役を好演。そんな特殊な舞台に挑むにあたって、どんなことを意識しているのか聞いてみると?

伊藤さん「原作ファンの方たちに、どうしたら認めてもらえるかっていうのは、いつも考えています。普通の作品に出演するときよりも、お客さんの反応がすごく気になりますね。それは、原作ファンの方たちは、もともとその物語やキャラクターをよく知っているから。普段は女優として自分らしさを見せようと思うけど、2.5次元のときはそうじゃなくて、キャラクターをどうやって見せるかっていうのを常に意識しています」

「キャラクターに歩み寄って、知っていくしかない」


もともとみんなが知っている原作で、人気のあるキャラクターを演じるための役作りは、難しそう。現実にはいない圧倒的な「キャラクター」を演じるうえで、伊藤さんは役作りの際、どんなことをしていたのか、どんなことを考えているのか教えてもらいました。

伊藤さん「最初はやっぱり、徹底的にキャラクターに寄せていきます。原作のアニメを見て、こういう仕草するんだなあってその動きを真似してみたり、漫画を読み込んで自分が受けた印象を大切に、役作りをしていきます。稽古では監督や周りの方からアドバイスをもらいながら改良を重ねて、やっと「私が演じるブラックレディはこういうところがいいんだ!」という部分を見つけ出すことができて、その役を作り上げていきます。とにかくキャラクターに歩み寄って、知っていくっていう作業を徹底的にやってます。原作ファンの方がたくさん見に来てくださるから、その方たちを裏切れないって思うんです」

キャラクターになるということ



2.5次元舞台では、2次元のキャラクターを演じなくてはなりません。『NARUTO』では、ヒロイン役春野サクラというキャラクターを演じていた伊藤さん。サクラは薄いピンク色の髪の毛をセンター分けにしていて、現実離れした容姿。また『セーラームーン』でのブラックレディも、ピンク色の髪をしていました。
先日TCM編集部で「ピンク色の髪の毛がこんなに似合うなんてすごい」という話で盛り上がったことを伝えると、伊藤さんからは照れ笑いをしながら、こんな答えが返ってきました!

伊藤さん「サクラちゃんはめちゃくちゃ心配でした!だってピンクの髪でセンター分けですよ(笑)!黒い肌には絶対似合わないなと思って、サクラちゃんを演じたころは普段からずっと肌を焼かないように気をつけてきました。冬でも日焼け止めを塗ったりして、太陽のことがすごく怖くなりました(笑)」

確かに、伊藤さんは透明感あふれる白肌。まっピンクの髪になるなんて経験は、ふつうに生きていたらあまりなさそうなので、これは2.5次元女優ならではの苦労話かも。さらに舞台メイクもほとんど自分で行うという伊藤さんに、ピンク髪のころの化粧のエピソードも聞いてみました。

伊藤さん「サクラちゃんを初めて演じたころ(2015年)はまだピンク色のコスメが少なかったので、眉毛の色は濃いピンクのチークで変えていました。2作目(2017年)のときはピンク色の眉マスカラが出てて、それを愛用していました。自分では化粧を濃くしたつもりでも、ピンクのウィッグをかぶると、顔が髪に負けてしまうので、びっくりするぐらい塗ってましたよ!」

現実離れした容姿の2次元のキャラクターになるということは、外見面でも苦労がたくさんあったんですね。

2.5次元舞台は「現実を忘れさせてくれるキラキラした空間」



最後に伊藤優衣さんにとっての2.5次元という舞台について聞いてみました。

伊藤さん「2.5次元という舞台は、現実を忘れさせてくれるキラキラした空間だと思います。だからこそ、どれだけキャラクターに近づいて、お客さんを物語に引き込めるかを、常に考えています。お客さんは、その現実離れしたキラキラした空間を楽しみに、期待して来てくれていると思うから、その方たちを悲しませないように、現実に引き戻させないために、どれだけ頑張れるかっていう責任を感じています」

現実で3次元である伊藤さんが、2.5次元を演じるときに、その0.5次元分はどうしているんですか?と少しいじわるな質問をしてみると、伊藤さんは0.5次元分について答えてくれました。

伊藤さん「漫画やアニメの世界がその舞台にあって、自分はその漫画やアニメの世界観の中にいるんだってことを、誰よりもまずは自分が実感して、忘れないようにすることかな。役作りの段階で悩むこともありますし、稽古のときも大変な思いはすることもありますが、最終的には私自身も楽しんで演じています」

2.5次元「女優」にも注目!


最近の2.5次元舞台やミュージカルは、少年漫画を舞台化していることが多いため、登場人物には男性キャラクターが多く、たくさんの俳優さんが活躍している世界。そのため、女性ファンも多く、今では雑誌やテレビなどさまざまなメディアで「2.5次元俳優」として特集されていますよね。でもこれからは、伊藤優衣さんを筆頭に、2.5次元女優がブレイクしていくかも? 2.5次元女優の活躍も、目が離せません!

伊藤優衣さんの気になる次回作は??

ミュージカル・本格幻想RPG原作『陰陽師~平安絵巻~』
全世界で 2 億ダウンロードを突破した大人気ゲーム、本格幻想 RPG「陰陽師」を中国で舞台化!中国の大手ゲーム会社ネットイースゲームズと 2.5 次元ミュージカルのリーディングカンパニーであるネルケプランニングがタッグを組み、国境を越えた壮大なスケールの作品。
公演期間 2018年春
公演場所 本公演:北京、上海、深セン(予定) プレビュー公演:東京

詳しくは、下記HP&Twitterをご覧ください。
【公 式 H P】http://www.musical-onmyoji.com/
【公式 Twitter】https://twitter.com/musical_onmyoji

撮影 Yutaka_Matsumoto 取材・文 Risako_Terasaka

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