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『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』見どころは「この先どうなるかわからない」W戦隊と悪の図式 - 脚本・香村純子氏を直撃

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●過去を見るルパンレンジャー、未来を見るパトレンジャー
いよいよ2月11日あさ9時30分(一部地域を除く)から、「スーパー戦隊」シリーズ最新作『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』がスタートする。テレビシリーズ史上初となる「W戦隊」で描かれることが、ニュースとして大きなインパクトを与えたことも記憶に新しい本作。ルパンレンジャーとはそもそも何者なのか、パトレンジャーたちとの関係性はどうなるのか、異世界犯罪者集団・ギャングラーとはどんなバトルを繰り広げるのか……など多くの謎が、ついに11日の放送から少しずつ明らかになっていく。

本稿では、本作でメイン脚本を担当する香村純子氏にインタビュー。1年を通して"W戦隊"を描くにあたっての作劇のポイント、さらには気になる今後の見どころを聞いた。

香村純子(こうむらじゅんこ)
1976年生まれ、愛知県出身。脚本家。
「スーパー戦隊」では、『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008年)より参加。『天装戦隊ゴセイジャー』『海賊戦隊ゴーカイジャー』『非公認戦隊アキバレンジャー』、「仮面ライダー」シリーズでは『仮面ライダーウィザード』『仮面ライダードライブ』、アニメ「プリキュア」シリーズでも『Go!プリンセスプリキュア』『キラキラ☆プリキュアアラモード』に参加。『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)でメインライターを務めた。スーパー戦隊ファンとしても知られ、特に好きなスーパー戦隊は『電撃戦隊チェンジマン』『超獣戦隊ライブマン』『未来戦隊タイムレンジャー』。

○W戦隊キャラそれぞれのスタンスにも違い

――今回『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の脚本を依頼された際には、最初から「W戦隊」として企画があったのでしょうか。

そうですね。お話をいただいた時には「快盗」と、そのときははっきり「警察戦隊」と名称は決まっていなかったのですが、「警察的なもの」が1年間VSをやります、ということでした。

『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017年)が最終的には12人もレギュラーがいる番組ですから、次で5人に戻ったら寂しく見えるんじゃないかと思っていたので、W戦隊には「なるほど」と納得したところが強いですね。でも5人対5人だと色々とキツイですから、今回の3人対3人というのはいいバランスなのではと思いました。

――ドラマの主導権を握るチームが2つあるという状況は「W戦隊」ならではの難しさなのではないかと思います。脚本を書く上で、どちらが動かしやすいなどの差はありますか?

人の気持ち的な面ですと、過去にいろんな辛いことを背負わせている快盗のほうがドラマチックに見えるだろうとは思います。ただ快盗は、"過去に縛られているものがある人たち"なんですね。反対に警察は、"未来のために働いている人たち"という対比の軸をもっています。ですので、結果的に快盗のほうが能動的には動くものの、心は後ろに捕らわれているところがあって、前向きに敵を倒すぞ!という目的ではっきり動けるのは警察のほうではあるなと思っています。

ですが、お話としては基本的に先にルパンレンジャーのほうが情報を得て動き出すことが多いんじゃないかなと思うので、どちらが動かしやすいかといわれると特にどちらか一方というのはないですね。

――ルパンレンジャーとパトレンジャーの表面的ではない"違い"はどのようなところにあるのでしょう。

ルパンレンジャーは、自分たちそれぞれの目的のため、公私でいうと「私」で動くチームなんです。対するパトレンジャーは一つの目的のために戦っている人たちなので、チームとしての見せ方も異なってくるのではないでしょうか。ルパンレンジャーは特に、個人の動機が強くて、そのために必要な仲間ではあるんですけど、なるべく3人それぞれが違うほうを向いている感があるように作ろうとしています。

――ルパンレンジャーの中でもそれぞれが違うほうを向くとなると、パトレンジャーの存在が薄くなってしまうという懸念もあるのではと思うのですが。

そこは、私がいわゆる正義のヒーローが好きなので、パトレンジャーはたぶんナチュラルに活躍させやすいかもしれないので大丈夫です(笑)。複雑でわかりづらい快盗チームに対して、警察は明快でわかりやすいチームを目指しているので、その分お子様たちにストレートに伝わりやすいだろうとも思っています。あと、警察3人の快盗に対するスタンスも微妙に変えようとしているので、結局どっちもどっちかな、と。

――今回の異世界犯罪者集団・ギャングラーではどのような悪を描く想定をされているのでしょう。戦隊2つを相手にする悪ですから、重要な要素になってきますよね。

だいたい宇都宮(孝明)プロデューサーの時はそうだと思うんですけど、とにかく悪くて単純に気持ちよく倒せるやつにしたいというコンセプトがありました。そして今回警察が一方の戦隊にいますから、(悪役は)犯罪者にしたいということを言われていました。

――『キュウレンジャー』『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』と比べると、香村さんが前回担当された『ジュウオウジャー』は体制こそシンプルでしたが、それぞれのキャラクターが非常に個性的で、そこから生まれるドラマが魅力でした。

『ジュウオウジャー』の時は「動物」というモチーフが決まっていたので、じゃあそのそれぞれの動物に性格を寄せていこうというところでわかりやすく発想できたのだと思います。

――スーパー戦隊ファンでもある香村さんですが、『ジュウオウジャー』を書かれて、あらためて発見したスーパー戦隊の魅力はどんなところでしょう。

好きな要素はたくさんあるんですけど、まずはいろんなキャラクターの人たちが交わってできるお話の流れでしょうか。『ジュウオウジャー』の時は特に、それぞれに違う人たちが一個の群れとなって力を合わせていきますよということを念頭に置いたこともあって、それは実際の社会の縮図でもあると思うので、そういったことを描けるのはいいなということがありました。

そしてもちろん、小さなお子様たちが喜んで見てくれていることがめちゃくちゃうれしいですね。私は子どものころからスーパー戦隊のヒロインのお姉さんが好きで、この変身して戦うヒロインの存在も大きいです。あとは「プリキュア」(香村氏は『Go!プリンセスプリキュア』『キラキラ☆プリキュアアラモード』に参加)を書いていて思ったんですけど、やっぱり実写だと違う味があるものだなと。生身の人が戦う様子を見るのと、アニメで戦う様子を見るのとはだいぶ印象が変わりますから。

●「そんなの決めて作ったらおもしろくない」

○2人のヒロインにも注目

――『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』に戻って、作品のキャストの面では、元モーニング娘。の工藤遥さんがヒロイン・ルパンイエロー/早見初美花役を演じることも話題になりました。

そんなには意識していなかったのですが、ニュースの扱いを見てこんなに人気がある人だったんだ!というのはありました。

――対するパトレンジャーのヒロイン・パトレン3号/明神つかさを演じる奥山かずささんは、これが女優デビュー作。制作発表では凛とした存在感で、こちらも注目を集めました。スーパー戦隊シリーズ作品では、ほぼ新人として参加された役者の方が1年を通して役を演じられますが、その成長ぶりが脚本に影響していくことはあるのでしょうか。

あると思います。この人にこういうことさせたいなと思ったらそういうネタを入れることもできますし、こういう方面が得意そうだなということが見えたらじゃあやってみるかということにもなります。一方で、これは自分が書いているからではなく、一ファンとして、新人に近い役者さんたちが1年かけて様子が変わっていく様を見ることができる楽しみがあります。

――特にヒロイン愛が強いという香村さんですから、ヒロインの活躍にも注目ですね。

まだちゃんとお芝居を見たわけではないので、どうなっているかはわからないのですが、これから楽しみにしています。

――今回、快盗と警察というモチーフを使うにあたって、現実的な警察組織や社会を意識された部分はありますか。

そんなに現実世界を意識はしていないですかね。ただ快盗のほうはイマドキの若者感があるほうがいいかなと思ってはいたので、普通にスマホを使ってみたりですとか、あとは名前を若干イマドキにしました(笑)。

――スーパー戦隊では、名前はどの時点で作られるのでしょう。ストーリーがある程度固まってからですか。

「戦隊では」と一括りにはできませんが、今回の私の場合はということに限ると、ストーリーよりもこういう感じのキャラクターにしようということを決めてからですね。そこから、この子はじゃあこういう感じの名前にしようというふうに。
○今後の見どころは…

――W戦隊VS悪、快盗VS警察VS犯罪者という構図が一番表面にあるのですが、それらに隠れた"裏テーマ"のようなものは今回あるのでしょうか。

『ジュウオウジャー』の時は、わりと最初から"生態系"のようなものを意識していて、「命は巡り巡ってつながっている」ということを頭において、それをテーマとつなげて作ろうとしていたのですが、今回は特にそういうことを最初に置いているわけではないですね。とにかく、違う立場や信念の人たちがぶつからざるをえないという状況を作って、そこでどう動いていくかを描くことが一番だと思っています。

――違う立場・信念の人たちの行動や思いを描くとなると、30分という時間の制限も大きな問題になりそうですね。

そうなんですよ。仮面ライダーシリーズと違って、基本的には一話につき一回はロボで倒さないといけないので、30分といっても正味はその半分くらいしかない時間の中でケリをつけるように書くというのは地味に大変ですね。

――それをクリアするために、時間短縮のポイントにしている要素はありますか。

そうですね。説明をしなければならない要素が実は多いので、その「段取り」のところをいかに省くかということですね。快盗のほうはコグレさんがとにかく「ターゲットはこいつ!」というのをもってくる。コグレさんがどうして情報を集めているかはともかくとして、コグレさんがもう情報をもってくるというところから始めることにしています。対する警察のほうは、現代警察とは違う謎の捜査力と情報収集力をもった組織で、あっという間に情報が集まるよということにしました。

――『ジュウオウジャー』で1年を通してメインで物語を描かれて、新アイテム&新キャラ登場と合わせて盛り上がりを作る作品作りの難しさを感じたところはありましたか。

目立つ大きなアイテムや新キャラクターの商品が発売されるタイミングがあるじゃないですか。そこを目掛けてお話の山がいくように見当をつけて展開を組んでいけるので、私にとってはいい目安かもしれないと思って描いていました。

――従来ですと、追加戦士の登場などストーリーの盛り上がりの山場を作っていたところもあると思うのですが、作品内で戦隊が2つあるとその作り方も変わるものなのでしょうか。

まだ脚本自体がそんなにデカい山のところにきていないのでなんとも言えないのですが、『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』は近年の展開とちょっと違うらしくて、それに合わせて盛り上げ方も変わってくるのかなという話にはなっています。

――全体の流れはあらかじめ作られるものではないんですね。スーパー戦隊っていつもそういう感じなのですか?

メインでやらせていただくのは2作目なのでそこまではわからないのですが、宇都宮プロデューサーがおっしゃるには「そんなの決めて作ったらおもしろくないじゃない」という。決めて作りたくない人なんだと思います(笑)。その時々の化学反応とかを楽しみつつ……というところでしょうか。私の個人的な趣味でいうと、その時その時のキャラクターを見ていただけたらうれしいですね。

――今後の展開の見どころを、明かせる範囲で教えていただけますしょうか。

まだこれからなので、正直そんなに考えているわけではないんです。本作は一見すると、戦隊というひと塊と、もう一つの戦隊のひと塊、そしてギャングラーというひと塊があります。これは戦隊が2つあることもあって、最初は見やすさを意識してそうしていますが、この先どうなるかはわからない……というところもポイントになってくるのではないかと思っています。

新番組『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』は、2018年2月11日より毎週日曜午前9時30分(一部地域を除く)からテレビ朝日系全国ネットで放送スタート。

(C)2018 テレビ朝日・東映AG・東映

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