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【映画コラム】あくまで“ジョン・ウーの世界”として見れば…『マンハント』

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 ジョン・ウー監督が、高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』(76)を、オール日本ロケで再映画化した『マンハント』が公開された。

まずはオリジナルの『君よ憤怒の河を渉れ』について。西村寿行原作の同作は、健さんが東映退社後、初めて出演したサスペンスアクション劇で、健さんは無実の罪を着せられて逃亡する東京地検の検事・杜丘を演じた。

北海道に逃げた杜丘は、クマに襲われ、猟銃で命を狙われ、無免許ながらセスナを操縦して東京に戻った後、夜の新宿のど真ん中を馬に乗って逃げる、という、ある意味めちゃくちゃな設定が続く。おまけに、健さんには珍しく中野良子とのラブシーンまである。フリーとなった健さんの、なりふり構わぬ、意気込みの強さを感じさせる作品となった。

そんな同作は、文化大革命後、中国で初めて公開された外国映画となり、文革で不当な扱いを受けた人々が、無実の罪で追われる主人公の姿に、自身の姿を重ね合わせたともいわれ、同国では『追捕』と名を変えて今も絶大な人気を誇る。もちろん主演の健さんも伝説的な存在となり、ウー監督も自作への出演を熱望したという。

今回は、オープニングの、なぜか演歌調の小料理屋のシーンで、主人公の弁護士チウ(チャン・ハンユー)が同作について語り、テーマ曲を口ずさむことで、本作とのつながりを印象付ける。

そして、無実の罪を背負って逃げるチウ、それを追う矢村刑事(福山雅治)という流れの中で、2丁拳銃、至近距離での撃ち合い、スローモーション、独特のカット割り…と、かつて『男たちの挽歌』(86)などで、一世を風靡(ふうび)したウー監督流のアクションシーンが繰り広げられるのだが、いささか古くさくなった感じがするのは否めない。

また、全体の展開も雑で、“何が何でも逃げ切ってやる”という主人公の執念があまり感じられず、魅力が半減。見ているうちに、『君よ憤怒~』はもっと面白かった、やっぱり健さんはすごかった、と思わせるようでは駄目だと感じたが、それはあくまでも『君よ憤怒~』ありきで見た場合の話。『君よ憤怒~』とは切り離して、あくまで“ジョン・ウーの世界”として見れば、これはこれでよしとすべきなのだろうか。(田中雄二)

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