ダークさに惹かれる! アメコミ・特撮・アニメの歴代“ちょい悪ヒーロー”10選

ウレぴあ総研

2018/2/10 12:00

アメコミ、特撮、漫画にアニメ……様々な世界で活躍するカッコ良いヒーローたち。いつだって、ヒーローの活躍は、私たちの心を熱くしてくれますよね。

とはいえ、"ヒーロー"といえどもその描き方は様々。清く正しく、どこまでも純粋なヒーローもいれば、そうした真っ直ぐなヒーロー像の影ともいえるダークヒーローやアンチヒーローもいるのです。

そんな"ちょいワル"な魅力が光るヒーローたちを様々なジャンルから幅広くご紹介。光あるところに影がある! ワルなところが堪らないヒーローたちの姿をご覧ください。

■バットマン(DCコミックス)

スーパーマンと並び、DCコミックスを代表する看板キャラクター、バットマン。大富豪であるブルース・ウェインが漆黒のバットスーツを身に纏うことで"変身"するバットマンは、アメリカンコミックが生み出した“ダークヒーロー”の傑作です。

両親を犯罪者に殺害された為に、その"復讐"として街に蔓延る悪人たちの根絶やしを決意したバットマンの姿には、仄暗い雰囲気が付き纏っており、単純明快な"正義のヒーロー"とは異なるノワールなダンディズムが溢れています。

対峙する犯罪者たちに恐怖を与える為の威圧的な象徴として、蝙蝠の意匠を身に宿し、闇に紛れて悪を討つ。「ちょいワル」という言葉が日本で生まれるはるか以前から、ダークヒーローとしての矜持を胸にヴィランたちと激闘を繰り広げてきたアメコミヒーロー、それがバットマンなのです。

またバットマンはその長い歴史の中で、映像化に恵まれた作品としても知られています。90年代にテレビ放映されたアニメ版や、ティム・バートンによる実写映画版の『バットマン』と『バットマン リターンズ』、そしてクリストファー・ノーランの「ダークナイト・トリロジー」3部作など、ヒット作も多数。こうした作品は、バットマンのダークな雰囲気を端的に伝えてくれます。

一方で、60年代に放映されたテレビドラマ版の『怪鳥人間バットマン』や、映画『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』では、ひたすらポップでキッチュなバットマンを楽しむこともできます。ちょいワルのみならず、時にコミカルな側面を見せてくれるのも、バットマンの魅力のひとつなのです。

■デッドプール(マーベル・コミック)

デッドプールは、マーベル・コミックが生み出したヒーローのひとりで、近年では、単独での実写映画も制作されるなど、高い人気を誇るキャラクターです。

「不死身」ともいえる程の超回復能力を持つスーパーヒーローではあるものの、その能力を得た際に、副作用から全身の皮膚が焼け爛れてしまった挙句、精神にも異常をきたしてしまい、常時"アブナイ"言動を繰り広げる奇妙なヒーローとして描かれています。

その性格は、とにかくお下劣で超下品。更には、悪人ならば情け容赦なく殺す残忍さも併せ持っています。

映画版では、シモネタ、エロネタを連発しながら、ハードなアクションで悪役を次々に惨殺。そのハードコアな作品性から、ヒーロー映画でありながら公開時に年齢制限が設けられるという実に"らしい"快挙を成し遂げました。

名実ともに、文字通りの「R指定」なヒーローであるデッドプール。しかし、その突き抜けているが故に痛快無比かつコミカルでファニーなキャラクターは、多くのアメコミファンに愛されており、絶大な支持を得ています。

今夏には、映画版第2弾の公開も控えている我らがデッドプール。再び、悪ノリ全開なトリックスターっぷりで、ファンを楽しませてくれることでしょう。

■スポーン(イメージ・コミック)

非マーベル、非DCコミックスのアメコミ作品でありながら、90年代に登場するやいなや、アクションフィギュアが大ヒットし、一大ブームを巻き起こした作品が『スポーン』です。

卑劣な謀略により命を落としたCIAの工作員、アル・シモンズは家族を守る為に、魔界の王と契約を交わし「スポーン」へと生まれ変わる。しかし、魔界から甦った彼が降り立ったのは、自分の死から5年後の世界。愛すべき家族は、既に新しい人生を歩み始めており、自分が立ち入る隙はそこにない。スポーンは絶望を抱えながらも、過酷な闘いへと身を投じていくのであった……。

実に暗く、ハードなストーリーが物語の本筋で、劇中には残酷な場面や陰惨な展開も多く、こちらもアメコミ界の「ダークヒーロー」の代表格としてファンに知られています。

奇抜でダークでありながらスタイリッシュなデザインが受け、人気ヒーローとなったスポーン。

1997年には、現在のアメコミ映画全盛を先駆けるかの如く、実写映画も制作されており、サウンドトラック盤には、有名メタルミュージシャンとテクノアーティストがコラボする形で楽曲を提供。ロックファンを中心にサントラ盤もヒットとなり、様々な面で話題を振りまいた作品でした。

■仮面ライダースナイプ(『仮面ライダーエグゼイド』)

"ちょいワル"ならば、日本の特撮ヒーローも負けていません。

特に『仮面ライダー』シリーズは、『クウガ』からスタートした平成ライダーシリーズにおいて、"アンチヒーロー"を体現するかのような斬新なヒーロー像を次々に生み出してきました。

そんなライダーたちの中から、筆者が一推ししたいのが、『仮面ライダーエグゼイド』に登場した仮面ライダースナイプです。

「ゲーム」と「医療ドラマ」というふたつの要素をドラマの軸に据えた本作において、ガンシューティングをモチーフとした射撃系のライダーで、医師免許を持たない"闇医者"の花家大我が変身します。

『仮面ライダーエグゼイド』はストーリーの序盤において、主役であるライダー同士の関係が非常にギスギスしており、常に緊張感が漂っているのですが、中でも大我の協調性のなさは突き抜けており、度々他のライダーたちとの間に諍いを呼び込みます。

また、好戦的な性格で、言葉遣いも悪く、自身の目的の為ならば他者に対して過激な強硬姿勢を見せることも。荒っぽく、かつ冷徹で、人間性が見えないヒーローなのです。

しかしながら、大我が共闘を拒み続けるのは、ある重要な事情を抱えているが故であり、ドラマが進むにつれて、その重い過去が徐々に明らかになっていきます。

ストーリーの中盤から登場し、良きパートナーとなる西馬ニコとの交流や、周囲との和解を通して、徐々に人間性を取り戻し、自身と周囲との壁を壊していく大我。そのヒューマンドラマも、『仮面ライダーエグゼイド』の大きな見どころです。

■仮面ライダーキックホッパー&仮面ライダーパンチホッパー(『仮面ライダーカブト』)

"ちょいワル"な仮面ライダーといえば、『仮面ライダーカブト』に登場した仮面ライダーキックホッパーと仮面ライダーパンチホッパーの名タッグも決して忘れられないキャラクターです。

変身者は、矢車想と影山瞬。このふたは、当初は劇中に登場する防衛秘密組織「ZECT」でリーダー格(であり、本作の"2号ライダー"である仮面ライダーザビーへの変身資格者)を務めていたエリートなのですが、ドラマの途中で失脚して組織を追われ、更には仮面ライダーへの変身資格も奪われることに。

結果、闇の世界へと堕ち、卑屈な言葉遣いでやさぐれた行動を繰り返す、文字通りの"ダークヒーロー"へと転身します。

基本的にキャラクターのアクが強く、"濃い"登場人物が多い『仮面ライダーカブト』ではありますが、ダークサイド転落後の矢車と影山の強烈なキャラと、「今、俺を笑ったな?」に代表されるとことんネガティヴかつキレた台詞の数々は、視聴者の心を一瞬にして掴み、「地獄兄弟」の愛称と共に異色の人気を得ました。

とはいえ、うらぶれていても、その身体には正義のヒーローとしての血は流れているようで、新たな仮面ライダーとしての変身能力を手にし、他のライダーと争いながらも怪人たちと死闘を展開。

アウトローな色気たっぷりの仮面ライダー、キックホッポーとパンチホッパー。ここまでやさぐれた仮面ライダーは、歴代シリーズを観返してもかなりの個性派であり、今なお強烈な存在感を放ち続けています。

■アバレキラー(『爆竜戦隊アバレンジャー』)

仮面ライダーと並ぶ、東映の特撮ヒーロー、スーパー戦隊シリーズからピックアップしたい"ちょいワル"ヒーローが、『爆竜戦隊アバレンジャー』に登場したアバレキラー(変身者は、仲代壬琴)です。

同シリーズは、3人ないし、5人のスターティングメンバーで物語が始まり、ストーリーが進むにつれて、より強力な能力や変形ロボットを持つ「追加戦士」が登場するのが、一種のお約束であり伝統となっています。

その追加戦士も癖のある性格の人物が多く、当初は争いや反発を招くものの、やがて友情を深めて主人公サイドの仲間に……という事例が多いのですが、このアバレキラーは追加戦士としては、まさに異例中の異例の存在。何と、物語の最終盤に到るまで、味方にならないのです! それどころか、一時期は敵組織のボスになるという極悪ぶり。

その"ちょいワル"どころか"超ワル"な行動は常軌を逸しており、とあるエピソードでは、ヒーローの変身中に相手を襲うという特撮番組の「禁忌」を犯す非道な所業まで行っています。

とはいえ、そこは正義のヒーロー。実はアバレキラーが悪に染まっていたのには理由があり、その理由こそが本作のドラマを大きく揺るがす物語のキーとなります。

アバレキラーが改心し、仲間になった時の圧倒的なカタルシスは、それまでの極悪っぷりがあったからこそといえるでしょう。

戦隊シリーズにおいて、初のダークヒーローとも称されるアバレキラー。その悲劇的かつ熱い最期や、敵組織の女幹部とのラブロマンスを思わせる交流などでも、今も語り草となっている名キャラクターです。

■ウルトラマンゼロ(『ウルトラマン』シリーズ)

2009年に公開された映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』での初登場以降、新世代のウルトラ戦士のシンボル的な存在となっているのが、ウルトラマンゼロ。ウルトラセブンの息子であり、今やウルトラシリーズに欠かせない名物キャラクターです。

品行方正で、無償の愛により地球の平和を守り続けてきた歴代のウルトラヒーローとは趣が異なり、かなりヤンチャな性格を持つキャラクターとしてこの世に生み出されたウルトラ戦士で、当初はかなり粗暴な性格の持ち主として描写されていました。

その後、行動や口の効き方にもやや落ち着きが出てきたものの、若者特有の特権ともいえる自信過剰な性格や、自由奔放かつ熱い性格など、これまでのウルトラ戦士にはなかった熱血系のヒーロー像は、シリーズに新たな歴史を作り出すことに。

声優を宮野真守さんが担当していることから女性人気も高く、宮野さんの声で放たれる決め台詞の「2万年早いぜ!」は、ゼロを象徴する名フレーズのひとつとなっています。

ちなみに、上述したように少々荒っぽい気質の持ち主であるゼロですが、宇宙の平和を守る為のヒーローチーム「ウルティメイトフォースゼロ」を結成してリーダー格を務めたり、準主役として客演した『ウルトラマンジード』では、ウルトラマンに成り立ての新ヒーローであるジードに大いに慕われるなど、かなりの人徳も持ち合わせている模様。"ちょいワル"ならではのヤンチャさに惹かれる人も多いのでしょうか?

■イース(『フレッシュプリキュア!』)

仮面ライダー、スーパー戦隊ときたら、同じ「ニチアサ」枠から、プリキュアも取り上げないわけにはいきません。

同シリーズからは、『フレッシュプリキュア!』に登場した敵の女幹部、イースをご紹介。

イースは、プリキュアと敵対する「ラビリンス」の3幹部のひとり。外見こそ美しい姿をしているものの、人間味を感じさせないキャラクターの持ち主であり、作戦を失敗した仲間にすら侮蔑の目を向けることもあるクールビューティーな少女です。

その目的は、人々を不幸にし、負の感情のエネルギーを集めてラビリンスによる全世界の征服を実現すること。その為、人間界における「友情」や「愛」といった美徳を尽く否定し、主人公であるプリキュアたちと激突するのです。

"ちょいワル"というか"悪"の側に立つキャラクターなわけですが、実はこのイース、主人公たちとの戦いと交流を通して正義の心に目覚め、プリキュアの新しい仲間「キュアパッション」として転生するというドラマチックな運命を辿ることになります。

長い歴史を持つプリキュアシリーズですが、「悪役がプリキュアへの変身能力を得て、ストーリーの途中で仲間となる」というドラマを作ったのは、このイースが初。

それまでの作品から大幅な変更を行ったキャラクターデザインや、エンディングでの3DCGによるダンスシーンの導入といった後のシリーズでの定番となる各要素を先鋭的に取り入れ、その先達となった本作においても、イースの物語は非常に画期的なものでした。

プリキュアとなって以降は、愛と平和の為に戦い続けたイース。ちなみに、悪役幹部時代も「街をジュースの海に沈めようとする」というポンコツな作戦を決行したり、たまたま口にしたドーナツの美味しさに感動したりと、その鉄面皮っぷりに反した可愛げを出すことが度々あり、それもまた人気に繋がっていました。

■飛影(『幽☆遊☆白書』)

特撮ヒーローの世界のみならず、少年漫画の世界も魅力的なダークヒーローを数多く生み出してきました。

アラサー・アラフォーの男子にとって、『幽☆遊☆白書』の飛影は、そうした"アンチヒーロー"なカッコ良さを見せつけてくれた名キャラクターとして決して忘れられない存在となっているかと思います。

『少年ジャンプ』的な熱血主人公像とも違う、クールで人間味を感じさせないキャラクター造形。最初は敵として登場するものの、戦いを通して味方になるという胸焦がす熱い展開。

そして、邪王炎殺拳と剣技を駆使したファイトスタイルや、額に開く第三の目「邪眼」の能力など、そのクールでワルな性格に加えて、ひたすら「カッコ良い」の要素が詰まっていた飛影。色でいえば、単色の黒。その孤高の佇まいに、心を掴まれた少年は多いはずです。

『少年ジャンプ』は、『ドラゴンボールZ』のベジータや、『るろうに剣心』の斉藤一、『NARUTO』のうちはサスケなど、陽性の主人公の対となる魅力的なライバルキャラクターを作り出してきましたが、飛影もそうした歴史に名を連ねる名ダークヒーローといえるでしょう。

■ルルーシュ・ランペルージ(『コードギアス 反逆のルルーシュ』)

ゼロ年代に制作された大ヒットアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』。テレビシリーズの完結から10年以上の時を経た今も、スピンオフ作の制作や総集編の劇場映画が公開されるなど、その人気は衰えることを知りません。

この物語の主人公であるルルーシュ・ランペルージは、他者を服従させることができる特殊能力「ギアス」を武器に、自身と妹を見放した国家に復讐を誓う反乱軍の統率者です。

目的の為、そして最愛の妹の為ならばどんな残忍な作戦をも厭わない冷酷非常な面を持つ一方で、策略を巡らし相手を出し抜く知能の高さと、人を惹き付けるカリスマ性を持っています。

そんなルルーシュが権力を手に入れ、人の心を掴み、そして、武力を率いて巨大な戦争へとその身を投じていく姿は、まさに「ピカレスク・ロマン」という称号こそが相応しい。

その美貌や、福山潤さんの名演技で、男性は勿論、女性ファンからも絶大な人気を得たルルーシュ。ゼロ年代のテレビアニメにおけるアンチヒーローを代表する存在です。

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