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松坂桃李が不気味な男を不気味に演じる映画「不能犯」

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映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『不能犯』


配給/ショウゲート TOHOシネマズ新宿ほかにて2月1日から全国公開
監督/白石晃士
出演/松坂桃李、沢尻エリカ、新田真剣祐、矢田亜希子、安田顕ほか

もっぱら“映画は女優で見る”を標榜しているが、最近は男優にも目を配るようにしている。特に邦画若手男優の充実ぶりが顕著なような気がする。昨年の菅田将暉、池松壮亮、高良健吾、そして松坂桃李などである。

その松坂君が、過日のヨコハマ映画祭で助演男優賞に輝き(対象作『彼女がその名を知らない鳥たち』)、授賞式で殺到する女性ファンの花束・プレゼント攻勢のスゴさに圧倒された。昔は、イケメンというだけで嫉妬交じりに過小評価していたものだが、松坂桃李の快進撃は今年も続くようで、上半期の出演作3本をすでに観たが、どれも面白いのだ。4月に『娼年』、5月に『孤狼の血』を控えて先陣を切ったこの映画では、「電話ボックスに殺人依頼を残すと、願いをかなえてくれる男がいる」という、あたかも“都市伝説”のようにウワサされる“立証不可能殺人者”を演じている。“不能犯”というから、インポテンツになった男が社会や人々を恨んで復讐する話か、と勘違いしないように。しないか。

俳優としての振り幅を広げている松坂


大都会で多発する変死事件。現場では黒いスーツの男が必ず目撃されるが、その死因は事故、病死、自殺に見えるので絶対に捕まらない。そんな男が唯一支配できない女性刑事(沢尻エリカ)が、彼の行為を止めようとするが…。

“不能犯”の名前が宇相吹(うそぶき)というのが、嘯き(うそぶき)、あるいは“ウソ吹き”を連想し、いかにも空とぼけたり、偉そうなことを言いそうではないか。その役名に恥じず、松坂は端正なルックスを歪ませ、眼光を赤く光らせ、地獄の微笑を放ちながら劇画チック(原作もコミックスだけに)に演じる。彼は人間の悪意の化身なのか、真の目的は?…… 後半は、日本を揺るがした連続爆破事件と宇相吹の事件がクロスする。という展開だ。

かつて“松坂”といえば、ボクには“慶子”以外あり得なかったが、最近は“桃李”もアリと言いたいほど。誰が付けたのか、いい名前だ。古人曰く、桃李もの言わざれどもおのずから蹊を成す、ってね。それにしても、今回は“不能犯”を、『娼年』では春を売る男性を、『孤狼の血』では正義感の強い若手刑事を、と3本とも変化に富みまくり、俳優としての振り幅を広げている。

そういえば、近年のテレビドラマの収穫だった『ゆとりですが何か』の“童貞教師”も面白かった。意外とカメレオン男優かも知れない、と思うと今後がさらに楽しみではないか。

難点は、ヒロインの沢尻エリカが、敏腕な女性刑事に見えないこと。その分、松坂桃李の充実ぶりが浮き彫りにされる形となった。桃李ファンは必見!


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