「わろてんか」108話。北村笑店はちゃんとシロー(松尾諭)と契約を結んでおくべきだった

エキレビ!

2018/2/10 08:30

連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月~土 朝8時~、BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~)
第19週「最高のコンビ」第108回 2月9日(金)放送より。 
脚本:吉田智子 演出:鈴木 航


108話はこんな話
シロー(松尾諭)が「しゃべらん漫才」なら解散すると怒りだし、てん(葵わかな)のプロジェクトは暗礁に乗り上げてしまう。

どうなるリリコとシロー
久々に演出感の出た回。
深刻なシローの「解散」及び「辞めたい」発言に、雨音がしとしととかぶさって、不穏感を煽った。
演出の鈴木航は、出来が良いと人気の高かった「べっぴんさんスピンオフ 恋する百貨店」(17年 脚本:坂口理子 脚本監修:渡辺千穂)の演出も担当していた。ほかに「梅ちゃん先生」や「あさが来た」なども。

夫・藤吉(松坂桃李)が亡くなる直前誕生した「しゃべくり漫才」を健気に守り続けるのではなく、逆の「しゃべらん漫才」を生み出すという攻めに出るてんはなかなか出来たひと。藤吉がやりたいのは、常に新しいも笑いを生み出すことだったのだから。守り続けようとするのは、藤吉の恋のライバルだった風太(濱田岳)なのが皮肉でもある。

がんばるてんを励ますのは栞(高橋一生)。
いつものごとく、強く背中を押されて、もう一度、リリコ(広瀬アリス)とシローを説得することにする。
ふたりを大々的に宣伝する広告雑誌の準備も進んでいたにもかかわらず、辞めていこうとするシローの
ところに「あ~間に合うた」と駆け込んでくる。これ、ドラマによくあるパターン。2月8日放送の「隣の家族は青く見える」(フジテレビ)でも、去っていく義母を松山ケンイチが追いかけていた。ちなみにドラマによくあるパターンの最たるものは、最終回直前、誰かが急に病気や事故で病院に担ぎ込まれるやつ。

話を戻して。
北村笑店はちゃんと契約をシローと結んでおくべきだったであろう。雑誌の準備だってお金がかかるのだから。
隼也(成田凌)の似顔絵饅頭(リリコとシロー、似てた)にはそんなに経費はかかってないだろうが(でも、雨のなか、ごくごくさりげなく見せて、気落ちしたリリコとそれを慰める隼也の場面はこの回の名場面と思う)。
とはいえ、契約が厳し過ぎると、現代における、あのグループやあの朝ドラヒロインのようなことになってしまうので、ほどほどがいい。

雨降って地固まる
しゃべれないことをばかにされるのはいやだ、それを女は笑うだろうが、男には笑えない(男をばかにする視点だから)というシローのプライドもよくわかる。
でも、女が男をばかにするのではなく、女と男が互いに思いやる姿(あがってしまったシローをリリコが必死でカバーするのが良い)が魅力なのだとてんは主張し、手回し良く、楓(岡本玲)が新たな台本を準備していた。手にとるシローと寄り添うリリコに、後方の窓から光が差し込んでいる。
てんは、得意の楽器を使ってしゃべればいいのだと言い出す。それそれ!
ついにシローの心も溶解。しゃべらん漫才をやることにする。むしろ、台本の台詞をもっと減らすというやる気を見せる。

土曜日は、恒例、ゲストの芸を楽しむ回になるのか。
笹野高史の落語以来、土曜日に芸が披露される構成は、「わろてんか」のお楽しみになっている。
長いドラマのいいところは、こういうお馴染み感ができてくるところだ。
(木俣冬)

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