タイムスリップ・ラブコメディ『続・時をかける少女』開幕!上白石萌歌「お客様もタイムトラベラーに」


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2018年2月7日(水)に東京・東京グローブ座にて舞台『続・時をかける少女』が開幕した。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、上白石萌歌、戸塚純貴、健太郎、新内眞衣(乃木坂46)、MEGUMI、脚本・演出を担当したヨーロッパ企画の上田誠が登壇した。

1965年に発表された筒井康隆原作の小説「時をかける少女」は、1972年にNHKで『タイム・トラベラー』としてテレビドラマ化。これが好評だったため、原作者公認のもと脚本家・石山透が『続 タイム・トラベラー』を創作し、同年に放送された。今回の舞台化はこの続編ドラマを元にしたもの。小説版を原作とした舞台は2015年に演劇集団キャラメルボックスが上演しているが、続編の舞台化は今回が初となる。

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会見では、まず脚本・演出を手掛けた上田が「原作はコメディとして書かれていませんが、切なく美しい別れをした二人なのに、ケン・ソゴルがまた戻ってくるという時点で、コメディだなと思いました。時間をかけめぐる疾走感の中でおもしろさが出ればいいなと思います」と舞台化の経緯を説明。

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これまで何度もリメイクされてきた“時かけ”だが元は45年前の作品であるため、本作では“現代”を2018年に置き換えているという。上白石は、自らが演じる和子像を「今っぽく洗練された雰囲気になっています。色んなものに流されながらも図太く真っすぐ立っているような、凛とした様子を演じられればと思います」と語った。

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戸塚は「たくさん時代をかけていくので、懐かしさとか新鮮さを感じてほしいです」、MEGUMIは「甘酸っぱさと青春エッセンス、お笑い、カルチャーとさまざまな要素が一つになったとてもおもしろい作品ですので、たくさんの方に楽しんでいただきたいです」とアピール。舞台初出演となる健太郎は「皆さんの足を引っ張らないように、いいものを作っていきたいです」と謙虚に挨拶した。

乃木坂46のメンバーである新内にとって、初の外部の舞台出演となるが「本当に皆さんが優しくて・・・。乃木坂メンバーも優しいですし外に出ても温かいので、これから冷たい環境へ行った時に不安でしょうがないです(笑)。皆さんに優しく教えていただいたので楽しく演じたいと思います」と意気込みを語った。

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それぞれが好きなシーンを問われると、MEGUMIは「竹の子族。目に染みる素敵さで、何度見ても初見と同じくらい笑えてしまうクオリティです」と1980年の場面を回答。健太郎は「新内さんが演じるシノラー。笑っちゃいました」、上白石は「カラーギャングは強烈でした」と1996年のワンシーンを推した。

戸塚は「僕が行ってみたいなと思うのはバブルの時代。お金の使い方とかめちゃくちゃだけど、楽しいだろうなと思います」と1990年の場面、新内は「1960年代の新宿駅前広場の、人で溢れてざわざわしている感じがすごいなって思います。私のおばあちゃん世代はそういうところに行っていたんだなぁと思うと感慨深いです」と印象的なシーンを挙げた。これらを聞いていた上田は「今のは大体原作に出てこないので、こいつら一体何を作ってるんだ?ってなるかも・・・」と不安げに呟き、笑いを誘った。

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今回、各時代をリアルに演じるために全員で資料映像を見たという。戸塚は「同じ時間をかけて共通認識を得るのが新鮮でした」、上白石は「エチュード(=即興劇)から作っていく作業が新鮮で。台詞通りにやる前に一度自分の言葉として演じることで納得して稽古ができました」と振り返った。一方、健太郎は「舞台用語を言われて“何を言ってるんだろう”と思ったこともありました(笑)。でも周りの方々に丁寧に一から教えていただきました」と初めての環境に戸惑いもあった様子。

MEGUMIは、上田について「(台詞の)一言のためにこの本を読んで、ということも言われてすごく深みを求めていらっしゃる。一度、上田さんの頭の中にあるものを書き出した紙を見せていただいたら、途中なんかもう暗号みたいになってて気持ちが悪いなって・・・(笑)。そう思うくらい、こだわって掘り下げていることが衝撃でした」と印象を語る。新内は「通し稽古をやるごとにダメ出しを書き出した4、5枚のページを皆に印刷してくれるのですが、細かく詰めてくださるから分かりやすいし演じやすいです。ありがとうございました」と、上田に直接お例の言葉を述べていた。

最後は、上白石が「お客様一人一人がタイムトラベラーになれるような作品になっているので、皆さんと一緒に時をかけられたらいいなと思っています」と挨拶して会見を締めくくった。

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高校生の芳山和子(上白石)は、同級生の浅倉吾朗(健太郎)とともに、福島先生(バッファロー吾郎A)や恩田先生(MEGUMI)の授業を受けながらごく普通の学園生活を送っていた。そんな彼女の前に、ある日27世紀の未来人だというケン・ソゴル(戸塚)が現れ、「自分と和子は1年前に出会い恋に落ちたが、自分が未来へ帰る際にすべての記憶を消した」と説明する。

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信じられない出来事に和子は逃げようとするも、ケンとともにやってきた隊長(中山祐一朗)、JO73(永野宗典)、ジュン(島田桃依)に追い詰められてある任務を依頼されることに。27世紀ではタイムトラベルの研究が進んでいるが、実用化に向けた最終実験で事故が発生して仲間のブラド(石田剛太)、レム(土佐和成)、ロック(諏訪雅)が行方不明になってしまった。そのうちブラドのテレパシー波を1996年からキャッチしたが、1996年と27世紀とではあまりに文化プロトコル(基本原則)が違うため捜索の難航が予想された。そこで未来人に比べて文化の差が小さい、2018年の和子にブラド探しを手伝ってほしいのだという。

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しぶしぶタイムトラベルすることになった和子は、1996年の渋谷へ。賑やかな街は「チョベリバ」「MK5」など流行言葉を連発するコギャルにガングロギャル、B系ファッションに身を包んだカラーギャング、カラフルなシノラーなど個性的な若者であふれていた。超ミニスカート&ルーズソックスが定番だった時代、清楚なセーラー服&紺色ハイソックス姿という和子こそ異質な存在なのだが、あるアイテムを使ってコギャルたちに近付く。タイムトラベルという突拍子もない状況を飲み込み、臆することなく行動できる心の強さが和子の魅力の一つだと感じた。

その後、さまざまな時代をタイムトラベルしていく途中、謎の女性・玲子(新内)も登場。時空を超える非現実的な瞬間を、プロジェクションマッピングの映像効果でサイケデリックに描き、それぞれの時代背景を明確にとらえた舞台美術や衣装、小道具などが個性の強いキャラクターを引き立てる。どの世代の“時かけ”ファンも楽しめること請け合いだ。

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舞台『続・時をかける少女』は、2月14日(水)まで東京・東京グローブ座にて上演。その後、大阪、高知を巡演する。日程の詳細は、以下のとおり。

【東京公演】2月7日(水)~2月14日(水) 東京グローブ座
【大阪公演】2月17日(土) 森ノ宮ピロティホール
【高知公演】2月20日(火) 高知県立県民文化ホール オレンジホール

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(取材・文・撮影/堀江有希)

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