賞金1億円の大会に、プロライセンスの導入。今年は『e-Sports』がアツい!

ViRATES

2018/2/9 19:00

ゲームが大好きでたまらないという人なら、「あ~、こんなにお金や時間を投資している趣味が、何かの役に立てばいいのに!」とか、「この神プレイを誰かに見てもらいたい!」と思ったこととがあるのではないだろうか?

そういう人に知ってもらいたいのが「e-Sports」だ。

e-SportsはElectronic sportsの略で、パソコンやゲーム機を使って行われるゲームのことである。

世界におけるe-Sportsの競技人口は1億人にも達すると言われ、市場は年間約30%成長し、プレイヤー人口も年間15%増という右肩上がり。

2022年のアジア競技大会のメダル種目に採用され、一回の賞金が20億円をかえる大会もあるのだ。

トップレベルのプロゲーマーになれば、大会の賞金やスポンサー収入、動画の配信などで生計を立てることもできる。

日本では良い年をした大人が「ゲーム大好き!」と声を大にして言いづらい雰囲気があるし、下手すると「ゲーム廃人」「オタク」という偏見の目にさらされることもある。

だが欧米に行けば、有名なプロゲーマーはスポーツ選手のようにサインや握手を求められる輝かしい存在だ。

お隣の韓国では、ケーブルテレビにe-Sports専門チャンネルがあり、24時間ゲームに関する放送が流される。

テレビに出るゲーマーはきちんとヘアメイクし、タレントにように扱われるため女性ファンも多く、韓国の小学生のあこがれの職業ランキングにはプロゲーマーが常にランクインしている。

いったい、日本と海外でどうしてこんなに差が生まれたのだろうか?

e-Sportsの歴史をさかのぼってみた。

 


参照:ESL Magazine
https://www.eslgaming.com/article/five-storylines-follow-intel-extreme-masters-oakland-3788

▼日本は格ゲー。海外はPCゲームを中心に発展。

日本におけるe-Sportsの起源は、ゲームセンターのハイスコア文化だと言われている。記録に残っているものでは1974年のセガのテレビゲーム大会が一番古い。

一世を風靡した「スペース・インベーダーゲーム」では、ゲームセンターや喫茶店で得点を競い合った。アーケードゲームで、対戦格闘技ゲームの筐体が登場すると、プレイヤー同士で高得点を競う遊びが白熱。

ゲーム雑誌の『ゲーメスト』や『アルカディア』が、各地のゲームセンターで集計したハイスコアを掲載したことで、その傾向をさらに後押しした。

ゲーム大会「ゲーメスト杯」では、後に日本を代表するプロゲーマー梅原大吾選手を輩出。日本人で初めて“プロ・格闘ゲーマー”という前例を築いた。

一方、コンシューマーゲームでは、海外でe-Sportsの主流であるPCゲームではなく、子ども向けの家庭用ゲーム機が大流行。海外の有名なe-Sportsタイトルで遊ぶ人は一部にとどまった。

アメリカでe-Sportsが盛り上がるようになったきっかけは、自分のパソコンを友人の家などに持ち寄ってマルチプレイを楽しむ「LANパーティー」という文化だという。

自分のPCをLANでつないで複数プレイを楽しむコミュニティは、自然と大規模なものになっていき、賞金付きの大会にまで成長した。現在はe-Sports選手を育成するための奨学金を出している高等教育機関もある。また、NBAの全30チームがeスポーツチームを保持していることからも、国民的な関心の高さが窺える。

e-Spors大国である韓国では、1990年代からPC房と呼ばれる、PCゲームに特化したネットカフェのような施設が急成長。1998年発表の『StarCraft』の人気に火が付くと、PC房でオンラインの対戦ゲームを楽しむ人が増えた。

2005年の時点に中国とeスポーツ大会を共催するなど、早くから政府主導で積極的に後押ししたこともあり、ゲームの競技人口は爆発的に増加していった。

 

▼ゲーム大国日本で、e-Sportsが発展しなかった理由とは?

 

2000年頃から、国内でも賞金をかけた大会が開かれるようになった。
しかし、高額な賞金を賭けてゲームで戦う大会は、賭博法や景品表示法に触れるため、賞金は最大10万円までという制限がついた。そのため、次々と賞金を取り下げる企業が続出。

世界では億単位の賞金を賭けた大会がバンバン開催されているのに、国内大会の賞金が10万円未満では盛り上がりに欠けるというもの。

その上、フランスのユービーアイソフトが開催する「レインボーシックス シージ」世界大会で、2017年に「日本人が優勝した場合のみ賞金を受け取れない」という規定が発表された。

日本の賭博法や景品法は、海外で開催される大会には関係がないのだが、おそらくその点が誤解されたのだろう。

規制が足かせとなり、日本ではe-Sportsが発展しないという悲憤がこめられた「おま賞金(※賞金は出すが、おまえの国にはやらないの意)」という造語がネットで流布された。

▼e-Sportsの発展を政府も後押し

そんな厳しい状況が続いていた日本だが、世界のe-Sports市場の盛り上がりを見て、「日本もこれ以上遅れをとってはならない」という気運が高まってきた。

問題は法律である。

例えば、ゲームを開発する会社が大会を開催したり、プレイヤーから参加費を徴収して賞金にあてたり、課金プレイヤーが優遇されたりする仕組みだと、規制に引っかかる。

シャドウバースの運営はその規制を避けるべく、大会の開催をRAGEに依頼し、最上位レアまでカードを解放したり、参加費無料にしたりして、高額賞金ありの大会を合法的に開催する例を示した。

2018年12月に東京都内で行われる「シャドウバース」の世界大会では、優勝賞金がついに国内最高の100万ドル(1億1000万円)に引き上げられる。


引用:「シャドウバース」公式サイト
URL:https://ragee-Sports.jp/2018spring/
また、過去数カ月の間に、eスポーツの4団体が消費者庁と交渉し、プロのeスポーツ競技者へのルール適用を免除する回避策に至った。

これにより、複数あったe-Sportsの団体は一つに統合され、新団体が国やゲームメーカーも認める公式プロライセンスを発行することが決定。

ライセンスを持つプレイヤーであれば、高額賞金を「プロへ支払う報酬」とみなすことが可能になるため、法的な問題をクリアできるのだ。

2月10日、11日に行われる「闘会議2018」では、「ウイニングイレブン2018」「ストリートファイターV アーケードエディション」「鉄拳7」「パズル&ドラゴンズ」「モンスターストライク」の5タイトルで初のプロライセンスを発行し、高額賞金の贈呈も実施される。

今年に入って、自民党もe-Sportsの大会開催に向けて環境を整備する方針を発表。

国を挙げてe-Sportsを支援する体制が固まりそうだ。

2月はプロライセンスをかけた「闘会議2018」が開催され、3月にはももち、梅原大吾、チョコブランカといった有名プロゲーマーに迫るドキュメンタリー映画「リビング ザ ゲーム」が公開。

4月は人気スマフォゲームの「パズドラ」がe-Sportsをテーマにしたアニメを放送するなど、業界をにぎわせるニュースが目白押しだ。

パズドラはアニメ配信と同時に、パズドラチャレンジカップを全国で開催する。

予選は幅広い世代が訪れるイオンモールで行われるので、ライトユーザーや低年齢層の参加も増えることが予想される。


画像引用「ファミ通APP」
URL:https://app.famitsu.com/20180111_1214598/
法律の規制に苦しんできた日本のe-Sports業界だが、突破口の見えた2018年は、ゲーム好きを熱狂の渦に巻き込んでいくに違いない。

しかし、ゲームがスポーツと同じくらい支持されるためには圧倒的な数のライトユーザーやファン層が必要である。

もっと大勢のスターや、ゲーム観戦を楽しむファンを増やすために、バイレーツでは今後も、e-Sports業界が注目するニュースや人を紹介していきたい。

ライター:三原明日香

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