会社とはなんだ人生とはなんだ……『アンナチュラル』石原さとみがブラック労働にメスを切り込む!

日刊サイゾー

2018/2/9 17:00


 石原さとみが法医解剖医役を演じるドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第4話が2日に放送され、平均視聴率11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回よりも0.8ポイントアップとなりました。

今回の依頼主は、三澄ミコト(石原さとみ)の養母・夏代(薬師丸ひろ子)。主に労働問題を扱う弁護士活動をしている夏代は、バイク事故で亡くなった佐野祐斗(坪倉由幸)の妻・可奈子(戸田菜穂)からの弁護依頼で、佐野の“本当の死因”および責任の所在を追及し、損害賠償請求訴訟を起こそうというのです。

警察の調査記録によれば、佐野は原付バイク走行中に単独でガードレールに衝突し、クモ膜下出血によって死亡。自損事故として処理されました。しかし、死因は他にあるのだと可奈子が疑う点が3つあります。

その1つは、事故当時、佐野の勤務するロールケーキ工場が繁忙期を迎え、長時間労働が続いていたこと。つまり過労死の疑い。もう1つは、事故直前にバイクを修理に出していたため、整備ミスの可能性。最後の1つは、クモ膜下出血の兆候があったものの、かかりつけの医師が見落としていたのではないかというものです。

以上のことに留意してミコトが解剖したところ、佐野の死因は外傷性椎骨動脈かい離であることが判明。椎骨とは、うなじのあたりの骨のことなのですが、外傷性ということで単純に考えれば過労死と医療診断ミスの疑いは消えたことになります。しかし、動脈の損傷は事故の1カ月ほど前のものということもわかったため、謎が深まってしまいます。

ミコトの推測では、佐野は1カ月ほど前になんらかの事故を起こし、それが原因で動脈が首の皮一枚でつながったような状態になってしまった。そして、事故死する直前、動脈が分断したため意識を失い、そのままガードレールに衝突してしまったのではないか。可奈子にその考えを伝えると、やはり佐野は1カ月ほど前にもバイク事故を起こし、体中に傷を負って帰宅したことが判明します。

さらに調査を進めると、負傷したその日、佐野は、社長(渋江譲二)のホームパーティーに自社のケーキを届けるよう命じられていたことが発覚。この時に起こした事故であれば、労災扱いになる。それを証明するため、ミコトは事故現場の特定を急ぎます。そして、バイクの損傷部分に事故現場を特定する成分が残っているのではないかと気づき、調べてみることに。すると、バイクにはカラフルな傷があり、どうやら佐野はマンホールの上で転倒したらしいことが判明。しかし、そのマンホールは2,000個あることもわかり、途方に暮れてしまいます。

一方、佐野の上司で工場長の松永(春海四方)は、売り上げ第一主義で従業員のことなどまったく顧みない社長に反旗を翻し、生産ラインをストップ。従業員を従え、ミコトたちのマンホール探しに加わります。

その結果、傷がついたマンホールが無事見つかり、その近辺のマンションの防犯カメラで佐野の事故を確認。それは紛れもなく、社長のパーティーにロールケーキを届けに行った当日のことだったのです。これにより、佐野の労災が証明されることになり、今回は終了となりました。

企業のブラック体質が社会問題となり、働き方改革という言葉が飛び交うようになった昨今。今回はそんな世相を反映し、バイク事故を背景にして“働くとはなんぞや?”がテーマの回となりました。

佐野が働いていた工場は、商品が爆発的にヒットしたため従業員は激務続き。しかも、残業代は出ません。そんな、精神的にも肉体的にも地獄のようにキツイ職場環境で作られる人気商品の名前は、“しあわせの蜂蜜ロールケーキ”。誰かの幸福の裏には誰かの不幸がある。資本主義経済への痛烈な皮肉が込められているように感じました。

一方、労働力を搾取する側は、イケメン社長としてマスコミにちやほやされ、我が世の春を謳歌中。文句がある奴は辞めちまえとばかり圧力を掛け、佐野のように家族を養う身で簡単には転職できない社員をとことんコキ使います。

そんな、富を持つ者と持たざる者との対比や、子どもたちの寝顔を見て幸せそうに微笑む佐野の回想シーンを見ていたら、ロックバンド・ユニコーンのヒット曲「ヒゲとボイン」の「会社とはなんだ 人生とはなんだ」というフレーズが頭の中に流れつつ、考えさせられるものがありました。ドラマでは奥田民生ではなく、主題歌「Lemon」を担当する米津玄師の歌声がシーンを盛り上げていましたが。

また、テーマありきの構成ではなく、最初に3つの死因を提示しつつ真相はそれ以外にあるという展開や、死の謎を追及するプロセスも丁寧に描かれ、1時間ドラマとは思えないぐらい充実した内容となっていました。これまでのところハズレ回なし。このままの調子で、次回も期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

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