坂口健太郎「意外と女性のわがままを許せるタイプだと思う(笑)」

古いモノクロ映画から現実世界に飛び出してきたお姫様と、映画監督を夢見る青年のファンタジックな恋を描いた「今夜、ロマンス劇場で」。この映画で綾瀬はるか演じるお姫様の相手役を演じるのが、ドラマ「コウノドリ」シリーズ(2015、2017年TBS系)や、映画「64-ロクヨン-」(2016年)、「ナラタージュ」(2017年)など躍進を続ける坂口健太郎だ。そんな役者として飛ぶ鳥を落とす人気の彼に、本作の見どころを聞いた。

■ 脚本を読んだときには思わず泣いてしまいました

――この作品は、「のだめカンタービレ」や「テルマエ・ロマエ」シリーズを撮られた武内英樹監督と、「信長協奏曲」の脚本を手掛けられた宇山佳佑さんによるオリジナルストーリーです。脚本を読んで印象に残ったところは?

最初にこのお話をいただいたときに、映画の中から飛び出してきたお姫様と恋をするお話と聞いて、かなりファンタジー要素が強いのかなと思ったのですが、意外と美雪(綾瀬)と健司(坂口)のラブの話がメインになっていて。しかも、美雪が現実世界で生き続けるためには「人のぬくもりに触れてはいけない」という設定が切なく、これまで脚本を読んでホロリとする経験はあまりなかったのに、好きだから触れたいのに触れられない、という2人の葛藤を描いているこの脚本を読んだときには思わず泣いてしまいました。

――坂口さんが演じる健司は映画監督を夢見る青年で、通い続けている映画館で見つけた古いモノクロ映画「お転婆姫と三獣士」にハマり、そのヒロインである美雪に恋をします。その美雪が実際に目の前に現れる奇跡が起こるわけですが、健司の美雪に対する思いをどう捉えましたか?

多分、美雪と出会う前の健司は、やりたいことがあるのにも関わらず、それが叶わない状態で、それこそ美雪のいた世界じゃないけれど、心の中はモノクロの状態だったんじゃないかと思います。それに、美雪が現実世界に飛び出してきたことに対しても普通に受け入れられるということは、健司自身がどこか幻想的な考えを持っていたんじゃないかと思うんですよね。そういう夢見る青年だった彼が、美雪と出会ったことで少し成長したというか、初めて目にするカラフルな現実世界に対して無邪気にはしゃぐ美雪と接することで、自分の世界にも色を取り戻していったんじゃないかと思います。

――健司は映画監督を目指しつつ、今は映画会社のスタジオで助監督をしているという設定です。とはいえ、今の助監督さんとは少しイメージが違いますね。

この映画の時代設定が少し昔だったので、当時の資料を集めたものを読ませてもらったんですが、助監督さんを含め、皆さんがタイドアップ(=ジャケットを着るなど、ドレスアップした格好)していて、すごくカッコいいなと思いました。とはいえ、健司は助監督といっても、撮影現場における下っ端で、本当に何でもやる感じだったので、助監督であることはあまり意識していませんでした。

■ 別の世界に行ってみたいと思う気持ちは分かる

――監督の武内さんはコメディーを得意とされている方ですが、演出はいかがでしたか?

すごく新しいなと思ったのは、監督がすごくスピード感を大切にされていたことでした。僕としては健司目線で芝居をするんですけど、当然のことながら監督は全体の構成を考えられていて。それで前半はドタバタ、後半は少しスピード感を変えていきたいと言われ、それを体現するために監督と話し合いながらセリフの間などを考えていきました。完成した作品を見て、あらためて武内監督の演出はすごいなと思いました。

――モノクロ映画のヒロインであった美雪は、スクリーンの中から見たカラフルな現実世界にあこがれ、こちら側に飛び込んできます。現実的に映画は無理だとしても、舞台だと客席側をある程度見ることはできるのでしょうか?

僕がやらせていただいた「かもめ」という舞台は照明が暗かったので、極端だったのかもしれませんが、あまり客席が見えることはなく…。それでもお客さんの反応はビビットに伝わってきました。そのときに絶対に不可能なことだとは分かりつつも、自分が舞台に立って芝居をしている姿を生で見てみたいと思ったので、常に見られる側だった美雪が別の世界に行ってみたいと思う気持ちは分かるような気がします。とはいえ、自分が演じている姿を見る怖さもあるんですけどね。

――というのは?

笑福亭鶴瓶さんがやってらっしゃる「鶴瓶のスジナシ」(TBS系)という番組に出させていただいたことがあるんですが、あれはスジナシでお芝居をしているときは、ルールとしてあえて誰も反応しないようにしているんですよね。ときどきスタッフさんの笑い声がもれることもあるんですけど、基本的にはみんな無反応。舞台だとお客さんの反応がダイレクトに伝わってくるし、映画やドラマの場合は監督の指示があるけど、「スジナシ」は本当に正解がなくて。なので、自分がやっていることに対して不信感を抱いてしまうというか、これで本当に大丈夫なのかなという気持ちが募ってくるんですよね。まあ、「スジナシ」という番組が特殊なんだと思いますけど(笑)。

■ 綾瀬さんがいると現場が華やかになる

――美雪役の綾瀬はるかさんとは初共演だと思いますが、一緒にお芝居をされての感想は?

撮影の初日から美雪姫としてその場にいてくださったので、健司としてはとてもお芝居がやりやすかったです。でも、意外だったのは、綾瀬さんは意外と人をいじる方なんですよね。僕もいろいろあだ名をつけていただいたんですが、それがどんぴしゃというよりも、雨に濡れている僕に対して“濡れ健”と呼んだり、意外とシンプルなもので(笑)。それを含めて、とても楽しい方でしたし、綾瀬さんがいらっしゃると現場が華やかになるので、そういう特殊なオーラを持ってらっしゃる方だと思いました。

――健司と美雪が織りなすラブストーリーが物語のメインではありますが、ほかにも個性的なキャラクターがたくさん登場します。特に映画会社の看板スターを演じてらした北村一輝さんが印象的でした。

北村さんは突っ走られていましたよね(笑)。かなり飛ばし気味の役だったと思いますけど、まったく違和感がなかったのがすごいなと思いました。たぶん、ご本人が一番楽しんで演じてらして、北村さんがそのまま映画スターの俊藤龍之介だったような気がします(笑)。

――本当ならば出会うはずのなかった健司と美雪の恋。お姫様である美雪は最初、わがまま放題な感じがしますが、坂口さん自身は女性のわがままをどの程度許せますか?

美雪のようにちゃんと理由があれば、意外と何でも許せる気がします。しかも、自分があこがれていた人から「おまえと一緒にいたかったから、触れられないんだ」なんて言われたら、それまで傘で殴られたり、ボコボコにされていたことなんて帳消になりますよね(笑)。実際、その瞬間に美雪のことがよりかわいらしく見えたし、健司の中でも美雪に対する愛おしさが増したんじゃないかと思います。そんな二人の切なくも愛おしいラブストーリーを、ぜひ劇場で楽しんでください!(ザテレビジョン)

https://news.walkerplus.com/article/136576/

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