毛筆手書きの文化を守る「くれ竹筆ぺん」ロングセラーの秘密

Walkerplus

2018/2/8 16:00

毛筆を身近な存在に変えた!字の表情から気持ちが伝わるコミュニケーションツール「くれ竹筆ぺん」ヒットの秘密と知られざる製造工程をご紹介!<※情報は関西ウォーカー(2016年10月25日発売号)より>

「くれ竹筆ぺん 二本立かぶら(55号)」(1本324円)。柔らかな書き味の太字と繊細な細字が使い分けられる、ツインタイプの筆ペンの元祖。気軽に筆文字が書ける、呉竹の看板商品。

■ 知られざる製造工程を紹介!

<1>ペン軸に中綿を入れインクを注入。ペン軸の中央に仕切りの中栓を挿入し、両サイドからインク用の中綿を入れる。インクを注入し、中綿に十分に染み込ませる。

<2>ペン軸の両サイドにペン先を装着。太字、細字のペンの穂先をペン軸に装着する。穂先はつぶれないような特殊な工具で1分間に50本挿入される。

<3>インクの浸透を待ち、キャップを装着。ペンの穂先まで組み立てたあと、5分ほど待ち、穂先にインクが完全に浸透するのをチェックしてから、両方のキャップを装着。

<4>定番の台紙にパッケージして出荷。パッケージに筆ぺんを入れて、台紙の上に圧着。人の目で検品してから箱詰めする。筆ぺん自体の検品は品質管理部で別途行われる。

■ 「くれ竹筆ぺん」ヒットの裏側

くれ竹筆ぺん二本立かぶら(55号)と二本立(5号)の累計販売本数は、約8000万本。二本立かぶらの細字ではがきの宛名書きができる枚数は、約300枚。太字は約250枚!

1996年に、書道筆のように持ち手部分の先を膨らませた、かぶら型(左)に一新し、握りやすさが向上。

発売当時と変わらず、薄桃色の地に「光琳波」をあしらった台紙がくれ竹筆ぺんのトレードマーク。

■ 芯先の開発に「2年」!筆文字の魅力を伝える

年の暮れ、年賀状を書く時季に手に取ることが多い筆ペン。いまだに記帳や署名など筆を取る場面は多く、デジタル全盛の現在、逆に手書きの新鮮味が見直されている。硯も墨も使わず毛筆の筆致を再現する筆ペンは、1973年の発売当時、画期的な発明として受け入れられ、毛筆を身近な筆記具に変えた。とはいえ、筆特有のとめ・はね・はらいが表現できる芯先の開発は難航を極め、2年を要した。

今や幅広い種類を展開しているが、なかでも一本で太字・細字の両方が使える二本立かぶらは、弾力のある芯先で柔らかな書き味の太字と、硬さを持たせたサインペン感覚の細字が特長の、根強い人気を誇るロングセラーだ。書道用品を作る同社にとって、手軽に筆文字が書ける筆ペンの開発は矛盾するように見えるが、もしこの発明がなければ、万葉の昔から続く毛筆の文化は絶えていたかも知れない。字の表情に性格や感情が表れるのが筆文字の魅力。単なる筆記具ではなくコミュニケーションツールとしての価値を伝えている。

「近年は筆ぺんの多色展開に力を入れています。80色がそろう水彩画風に描けるカラー筆ぺんの「ZIG クリーンカラー リアルブラッシュ」シリーズをはじめ、“書く”に加え“描く”ことの楽しみを広めています」と、商品開発事業本部の田中裕也さん。

■株式会社呉竹<住所:奈良市南京終町7-576 電話:0742-50-2050(お客様窓口) 創業:1902年 社長:綿谷昌訓 事業内容:書道用品、筆ぺん、マーキングペン等の製造、販売および輸出入 従業員数:261名(2016年現在)>【関西ウォーカー編集部】(関西ウォーカー・編集部)

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