若者の志願者も増加中!艶やかな伝統工芸「村上堆朱」に魅せられる

Walkerplus

2018/2/8 10:21

堆朱と書いて「ついしゅ」と読む。簡単に説明すると、漆を塗り重ねたものに細かい彫りを入れた伝統工芸品のこと。天然の朴(ほう)や栃(とち)の木、天然の漆を使って、彫りも塗りも手作業で行う。特に、新潟県村上市の堆朱の漆器は、江戸時代の製法がほとんどそのまま残るというから歴史も由緒もハンパない!全国各地に、有名な漆器の産地はあるけれど、彫りが入っているのは、村上のほかに、神奈川の鎌倉や富山の高岡ぐらいだとか。この伝統の技で作られた逸品と、職人ワザをこの目で見ようと、いざ村上市へ。

■ 彫ったあとに漆を重ね塗り。使い込むほどにいい風合いが増す

まずは、村上市内で、もっとも古い歴史を持つという「小杉漆器店」へ。14代目店主・小杉和也さんに話を伺うと、「漆を何度も何度もうず高く塗って、それから掘っていくのが“本堆朱”。でもそれは高額で、一般の方が入手しづらい。村上の木彫り堆朱は、木に彫りを施して、それから漆を重ね塗る。よりリーズナブルなのに、ここまで細かい彫りを入れられるのは、村上ならではなんです」。店内の奥には、恐ろしく細やかな模様のテーブルと、茶棚がドーンと鎮座!見れば見るほど、その細かな細工に感動する。値段を付けようがないし、美術館にあってもいいぐらいのクオリティだ。

小さな手鏡や器なども、手に持つとそれなりの重さを感じる。つや消し仕上げをしているので、使えば使うほど風合いが増し、そのうち独特の色艶が出る。しかも丈夫で頑丈なので、ながーく使える。

「村上では、裏白(うらじろ)という両刃の彫刻刀を使って、押したり、引いたり、回したりと、平面的な彫りから、立体的な彫りまで自由自在に模様を作れます」と小杉さん。恐るべし!これぞ、日本の伝統を伝える職人の魂!

■ バッグやテーブルなど、堆朱を生かしたオシャレアイテムを発見!

「地紋」という伝統柄を彫ったものが多いなか、より現代人の感覚にマッチしたおしゃれアイテムを作り、販売している店舗もある。「堆朱のふじい」では、「羽越しな布」(木の皮を使った日本最古の織物で、村上や隣の山形県の名産)を本体にして、取手部分を堆朱の漆器で作ったバッグを販売。

オリジナリティにあふれていて、着物にもカジュアルな洋服にもマッチするのが◎。ちょっとお高めだが、長く使えることを思えば、けして高額ではないかも。そのほか、暮らしにちょっとした彩りを与えてくれるインテリア小物もおすすめだ。

■ ワンコインで木彫り堆朱の体験!専用の彫刻刀「裏白」使いに四苦八苦

さて、この村上堆朱だが、観光客でも木彫り体験をすることができる。所要約1時間で、なんとワンコイン500円!これだけリーズナブルならやるしかない。と、いうことで訪れたのが「村上木彫堆朱会館」。教えてくれたのは、この道約40年という大ベテラン。箸に色鉛筆で絵柄を描き、その線に沿って「裏白」を動かしていく。コツは刃を単にまっすぐに動かすのではなく、ちょっと外側に膨らましながら動かすと、模様がより立体的になる。当然のことながら、指導員の方は、スムーズに裏白を動かすが、自分でやると結構難しいのだ。

「うう、難しい…」と、四苦八苦する横では、堆朱の職人になるべく、修行をしている若者が3人並ぶ。朝から夕方まで彫り続ける彼らは、まだ経験年数はあまりないらしいが、見た目にはかなり精緻な模様を掘っている。

ああ、やはり器用さとセンスって必要よね…とうなだれるが「確かにそうです。でも、忍耐強さも必要。コツコツ地道にやれる人が向いていると思います」と指導員の方は言う。そりゃそうだ、忍耐強さがないと、あんなにすばらしい作品を生み出せないもの。村上堆朱は1日にして成らず!なのだ。【ウォーカープラス編集部】(東京ウォーカー(全国版)・取材・文=東野りか、水島彩恵)

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