マンションで暮らす人は知っておくべき!「エレベーター管理」の基礎知識

日刊Sumai

2018/2/7 21:30



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マンションで生活している中でもっとも日常的な設備がエレベーターです。
前回は「エレベーターあるある」的な軽めのお話をしましたが、今回は管理面における諸問題について少し掘り下げてご紹介したいと思います。
エレベーターは維持管理にお金がかかる設備であるため、マンション管理のなかでも重要なポイントとなります。
今回はエレベーターの管理面に関して、最低限知っておいた方がいい基本的な部分をまとめました。

■エレベーターが「金食い虫」である理由

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分譲マンションの管理組合では様々な支出項目がありますが、どのマンションでも管理委託費、昇降設備保守費、電気料金の3項目が頭痛の種になっているのではないかと思います。
エレベーターは保守点検の費用がかかるだけでなく、電気料金の高騰も要因となっています。

■エレベーターには法令で定められた点検がある

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エレベーターは乗り物といっても良いような設備であり、ごく稀にではありますが死亡事故も発生しているため、安全のためには日常的な点検や検査がどうしても必要です。
そのため建築基準法により一定の頻度で定期検査と保守点検を受けるよう定められており、他の設備と比べるとコストがかかるのはどうしようもありません。
【定期検査】
「エレベーターが国土交通大臣が定める基準に適合しているかどうか」検査者(一級建築士または二級建築士または昇降機等検査員)が年に1回調べるものです。
【保守点検】
「エレベーターに異常がないかどうか」専門技術者が毎月1回調べるものです。
実際に現場で点検を実施する場合と、異常がないか遠隔操作により調べる場合の2通りあり、両者を交互に行う事例が多かったように思います。

■エレベーターが動いている間は電気使用量が跳ね上がる!

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共用部の電気料金には共用廊下の照明や機械類を動かすための電気代が含まれますが、電気の使用量が急に跳ね上がるのがエレベーターが動いている時間です。
そのため意外に思われるかもしれませんが、電気料金に占めるエレベーターの割合は実はかなり大きいのです。
設備保守だけがエレベーターのコストではありません。

■メンテナンス契約には2通りの形態がある

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エレベーターのコストを考える際には、メンテナンスの内容について知っておく必要があります。
日本におけるエレベーターの保守契約の形態には、大きく分けて2通りあります。
【フルメンテ】
通常の保守点検において消耗品の交換や潤滑油の補充といった項目に加え、主要部品の交換も計画的に実施する契約です。
【POG】
「パーツ・オイル・グリース」の頭文字をとったもので、通常の保守点検において消耗品の交換や潤滑油の補充のみ実施し、部品の交換が必要な場合は実費請求される契約です。
【どっちがいい?】
保守点検業者に毎月支払う金額だけを単純に比較すると、POGの方が圧倒的に安くなります。
しかし計画的な部品交換を行うフルメンテに対し、POGはトラブルの都度部品交換を行うという事になりがちであり、エレベーター本体の寿命はフルメンテの方が長くなると言われています。
そのため長い目で見ればフルメンテの方がオススメできます。

■エレベーター点検業者も2通りある

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日本のエレベーターメーカーとしては東芝エレベーター、日本オーチスエレベーター、日立ビルシステム、三菱電機ビルテクノサービスの4社が圧倒的です。
そのため保守点検においてはこの4社の系列である「メーカー系」とそれ以外から参入した「独立系」と、2通りに分けることが出来ます。
【メーカー系】
メーカーの系列ですから、当然ながら管理しているエレベーターの数も多く、スタッフの数も充実しています。
筆者は大手エレベーター会社の管制室を見学したことがありますが、巨大な部屋の壁に無数のテレビモニターが取り付けられており、大勢のスタッフが通報に対応している様子はNASAの管制室を思わせるものでした。
交換する部品がすぐに入手できるというのも強みです。しかし金額の面では高めになります。
【独立系】
独立系の会社はメーカーとの関係がないのでメーカー系から管理を奪ってくるしかなく、数が少ないためにスタッフの数も限られます。
そのため独立系の会社のパンフレットに載っていた管制室は、テレビのウルトラマンシリーズに登場する地球防衛軍の基地のようにコンパクトなものでした。
しかし金額の面ではかなり安く、管理を独立系に変えるだけで相当なコストダウンにつながります。
【どっちがいい?】
独立系の会社に対してはメーカーが売り渋りをするため部品の入手が難しい、スタッフの数が少ないため万一の場合に対応が遅い、というのがこれまでの独立系に対するイメージでしたが、これらについては随分と改善が進んでいると言われています。
以前は独立系はPOGのみでしたが、最近ではフルメンテ契約もできるようになり、そうなってくるとメーカー系がいいとは単純には言えなくなってきました。
現状では独立系とメーカー系の比較は、価格をとるか安心をとるかの違いであると思います。

■まだまだエレベーターについて話すべきことはたくさんある

YNS / PIXTA(ピクスタ)
大地震や突然の停電というような緊急時におけるエレベーターの対応や、床に10円玉を立てても倒れない驚きの最新技術など、エレベーターに関してはまだまだご紹介することは数多くあるのですが、文字数の関係で今回は難しそうです。
また機会を改めてご紹介したいと思います。

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