最新ニュース、芸能、ネットの話題をまとめ読み

 

「カゲロウのような時代」平成の"トレンド"を古市憲寿、原田曜平と振り返る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 残すところ1年3か月あまりとなった"平成時代"。30年の間には数々の大ヒット商品や、劇的な変化を遂げた代表的アイテムが存在した。マーケティングアナリストの原田曜平氏の著書『平成トレンド史 これから日本人は何を買うのか?』によると、消費という観点から6つの期間に分けて論じている。


■第1期:平成元年~4年「不自由と享楽」の時代

1989年1月6日、小渕恵三官房長官の「新しい元号は平成であります」という言葉と共にスタートした平成。消費税が初めて導入され、消費に歯止めがかかると思いきや、未だバブル景気の真っ只中。社会は享楽的なエネルギーに溢れていた。


そんな時代を象徴するのが「ジュリアナ東京」だ。ボディコン姿の女性たちが"お立ち台"に上がり、踊りに踊りまくった伝説のディスコだ。しかし、実はジュリアナ東京がオープンしたのはバブル崩壊後の平成3年5月。日経ビジネスチーフ企画プロデューサーの柳瀬博一氏は「最初の時はむしろバブル景気の延長でやっていたので、ハイブローなオシャレな空間として売ろうとしていた。ところが実はもうそういう時代じゃなくなっていたので、その方向では売れなくなり、方針転換をしてお立ち台を作った。そうしたらボディコンの女の子がいっぱい集まってくれた。多分、当事者が思っているのと別のヒットをしたのがジュリアナだ。より大衆的な、言ってしまうと現代の盆踊りだった」と振り返る。


■第2期:平成5年~7年「デフレと団塊ジュニア」の時代

そしてバブルが崩壊、世間は一気に不況の時代に突入していく。平成6年の新語・流行語大賞で「就職氷河期」という言葉が審査員特選造語賞を受賞するなど、就職難が社会問題化。翌年1月には阪神・淡路大震災、そして3月には地下鉄サリン事件と、不安な時代に入る。原田氏によると、大人たちが財布の紐を堅くする中、団塊ジュニアの女の子たちの行動に注目が集まった。

 引退を発表した安室奈美恵を真似た"アムラー"と呼ばれるギャルが登場、ロングヘア、ミニスカート、厚底靴などが流行。ポケベルを使った新しいコミュニケーションも登場した。「0840」は「おはよう」、「14106」は「愛してる」、「10105」は「いまどこ」。そんな"ベル文字"、今の若者たちは「コミュニケーションをとるのに何故脳トレをしなくちゃいけないのか」と困惑気味だ。

 こうした90年代のギャル文化について柳瀬氏は「テレビが仕掛けるのではなく、若い人たちが自分たちでムーブメントを作る。マスメディアに踊らされるのではなくて、自分たちで牽引するカルチャーができたのが90年代だった」話す。

 経済評論家の上念司氏は「人々はこの時代までバブルが続いていると錯覚していた」と指摘する。「金融政策的にはバブルは1989年に終わっていた」と話す。「金融機関が不動産会社を2年にわたって延命させたので、91年には土地バブルがはじけた。それにみんな気づかなかったのでジュリアナ東京が91年にでき、ヴェルファーレが92年にできた。浮かれモードはその後も続いて97、8年に拓銀(北海道拓殖銀行)、長銀(日本長期信用銀行)、日債銀(日本債券信用銀行)、山一證券がドッカーンといってみんな気づいた」。

 社会学者の古市憲寿氏は「90年代はとにかく若者が多くて、20代が2000万人ぐらいいたので消費文化が花開き、PHSとか安室奈美恵さんとかCDや雑誌が売れた」と話す。

■第3期:平成8~12年「ネットとケータイ」の時代、平成13~18年「変化への期待と格差」の時代
 インターネット、ケータイが普及し、コミュニケーションツールはさらに進化していく。平成10年にはiMacが発売され、スタイリッシュなデザインでヒットした。平成11年にはNTTdocomoが「iモードサービス」を開始、"携帯メール"の登場だ。

 21世紀へ突入した平成13年には米同時多発テロが発生、世界で価値観が揺らぎ、改革の動きも加速し始める。同年に誕生した小泉政権は「聖域なき構造改革に取り組む改革断行内閣」と称し、平成14年にはいわゆる「ゆとり教育」が始まる。不況が長引く日本に変化の声が高まる中、IT起業家など一部の人が成功を収め、平成15年に開業した六本木ヒルズは時代の象徴となった。「安定とされた企業が潰れる時代が来て、ベンチャーブームが起きた。今はメジャーになった楽天やサイバーエージェントもそうだった」(柳瀬氏)。

■第5期:平成19年~24年の「失望と不安」の時代、第6期の平成25~29年の「SNSと炎上」の時代
 一方で、ニートや引きこもりが社会問題となり、格差が深刻化し始める。平成20年、大手投資銀行グループのリーマンブラザーズが経営破綻したことで世界的な金融危機に発展し、日本企業も経営状況が悪化。消費も落ち込み、"若者の◯◯離れ"が加速する。

そんな中、若者が追い求めたのが"SNS"だ。平成20年にFacebookが日本語版サービスを開始、iPhoneの日本上陸も相まって、SNSが人と人とのつながりを変えていく。平成23年3月の東日本大震災の際に活躍したのも、SNSのTwitterだった。危機的な状況の中、安否確認や支援の呼びかけなど、Tweetを通じて人々のつながりが生まれた。

 そして平成30年。今、「見るのが面倒くさい時はたまにある」と"SNS疲れ"を感じる若者が増加する中、約80年前に書かれた児童向け文学の漫画版として大ヒットしている漫画が『君たちはどう生きるか』だ。主人公の男子中学生コペル君が叔父との交流を通じて成長していく物語で、マガジンハウスの鉄尾周一取締役編集担当は「(作中の)コペル君の時代にはTwitterやSNSはないが、今は同調圧力みたいなものが余計強くなっているかもしれない。自分で友達との関係、人との関係性を考えることが大切だというような普通のことをシンプルに書いてあって目から鱗が落ちる」とヒットの背景を分析する。

原田氏は改めて平成時代について「すごく曖昧な、カゲロウのような時代。色々な試みをしたものの、昭和ほど確たるものが見つからずに次のステージに行くという印象がある。ホップ・ステップ・ジャンプのジャンプまでの土台として、すごく脆弱な時期だった」と振り返った。平成が終わり新たな時代へと向かう今、私たちはどう生きていくべきなのか問われている。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶『AbemaPrime』は月~金、21時から放送中!

外部リンク(AbemaTIMES)

Yomerumoをフォローする

Yomerumoから人気記事をお知らせします!

Twitter

ライフ最新記事

記事一覧

注目ニュース

> もっと見る


掲載情報の著作権はニュース提供元企業等またはGMOアドマーケティング株式会社に帰属します。記事の無断転用を禁じます。
すべての人にインターネット
関連サービス