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2050年、海は魚よりプラスチックゴミのほうが多くなる!? 海洋汚染の実態

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レジ袋やペットボトル、発泡スチロールなど、使い捨ての容器や包装用として広く使われているプラスチックは現在、全世界で年間3億tが生産されている。その多くが、容器や包装などに使われる使い捨てのプラスチックだ。このプラスチックが海洋に流出し、地球規模での汚染を引き起こしているという。

国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」の海洋生態系担当、小松原和恵氏はこう説明する。

「世界経済フォーラムの年次総会であるダボス会議(スイス)では、『約30年後の2050年には、重量ベースで海のプラスチックの量が魚を上回る』という衝撃的なデータが発表されました」

石油由来のプラスチックは、分解されるまでに数百年かかるともいわれる。その過程で、太陽の光や波などで砕かれて細かくなり、海水や餌を取り込んだ海洋生物の体内に蓄積されるのだ。

「海に直接捨てなくても、街中に放置されたプラスチックは、風や雨などで流されて最終的には海にたどりつきます。現在、海水中には5兆個のプラスチック片があると言われています」

プラスチックはいま、インドから日本にかけてのユーラシア大陸南岸、地中海や黒海沿岸など人口密集地域にも多く漂っていて、南太平洋の小さな島・ヘンダーソン島には、3800万個ものプラスチックごみが流れ着いたという。

◆海水から取り除けない「マイクロプラスチック」

「やっかいなのは、さらに5mm以下まで砕かれた『マイクロプラスチック』の存在です」と語るのは、マイクロプラスチックによる海洋汚染の研究を行っている、東京農工大の高田秀重教授。

「これはごみ拾いなどでは解決できません。動物プランクトンと同じくらいの大きさのマイクロプラスチックは海水中から取り除くことは不可能。これが生態系全体を汚染しているので、魚や貝などに蓄積したプラスチックが、それを食べた人の体にも入ります」

その発生源には、海洋で細かく砕かれたもの以外にも、洗顔剤や化粧品に配合されている「マイクロビーズ」と呼ばれる細かな粒や、ポリエステルなどの化学繊維の洗濯くずなども含まれるという。

「これらが下水に流れ、大雨で増水したときなどに河川や海に流出します」

さらに「プラスチックは消化されず体外に排出されるのですが、今後は人体にも影響を及ぼすことが懸念されます」と高田教授は語る。どういうことだろうか。

「プラスチックには環境ホルモンなどさまざまな有害化学物質が添加剤として使われているうえ、海水中にある微量の有害物質も吸着してしまうのです。プラスチックは、周りの海水に比べて有害物質を100万倍程度まで濃縮します。そしてその物質が、プラスチックを食べた生物の脂質に蓄積されます。現在はまだ人体に影響をおよぼすかどうかは国連が調査を始めたばかりで、結果は出ていません。しかし、このまま海水中のプラスチックが増えていけば、プラスチックからもたらされる有害物質の量もどんどん増えていくでしょう」

◆いちばんの対策は、まず「使用量を減らす」こと

海中のプラスチックをこれ以上増やさないための対策としては、どんなものがあるのだろうか?

「いちばん大事なのは『発生源を絶つ』ことです。まずは使い捨てプラスチックの使用量を減らすこと。現在、大量のプラスチックがごみとして燃やされていますから、減らすことは温暖化防止にもなります。そのうえでリサイクルを進め、海岸や河川、街のプラスチックごみを拾う。あとは石油由来のものには税金をかけるなど、政策による誘導。もう一つは、植物由来のバイオプラスチックなど生分解性の高いものに替えることです」

「経済的」というときのコストには、環境への負荷は入っていない。また「便利」というのもすべての人にとってのことではなく、不要な場合も多々ある。一人一人が、身の回りから使い捨てプラスチックが減るように行動することが最も必要なのだろう。

取材・文/北村土龍(本誌) 写真/高田秀重 図/futomoji

※『週刊SPA!』2/6発売号「世界的[プラスチック海洋汚染]の実態」より


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