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テレビ解説者・木村隆志の週刊テレ贔屓 第5回 "エコ"と"ダルさ"が画期的『激レアさんを連れてきた。』

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テレビ解説者の木村隆志が、今週注目した"贔屓"のテレビ番組を紹介する「週刊テレ贔屓(びいき)」。第5回は1月29日に放送された『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系、毎週月曜23:15~ ※一部地域除く)をピックアップする。

同番組は、「"激レアな体験をした人=激レアさん"を研究サンプルとして採集し、ウソみたいな実体験を聞き出す」講義形式のトークバラエティ。前身の深夜番組『アップデート大学』から昇格後わずか数カ月で人気番組の仲間入りを果たしたほか、業界内でも「画期的だ」と絶賛の声を集めている。
○演技力・瞬発力が光る弘中綾香アナ

同番組の何が画期的なのか? その答えは「エコ」に尽きる。とにかく制作費が抑えられ、出演者たちの消費エネルギーも極めて低いのだ。

全身から脱力ムードを醸し出す"研究員"若林正恭(オードリー)と、"研究助手"弘中綾香アナのメイン2人。そもそも深夜時代は、若林がおらず弘中アナ1人だったから、いかに低予算番組だったかが分かるだろう。

実質的な主役が自局アナの弘中アナで、メインゲストの激レアさんも一般人のため、費用はかなり抑えられる。さらに、週替わりのサブゲスト"客員研究員"も番宣絡みが多く、やはり経費はあまりかからない。

加えて、激レアさんのエピソード紹介に使うボードや模型も、弘中アナ本人の手作り。自局アナと手作りボードや模型が、単なる経費削減に留まらず、番組の持ち味である脱力感とリンクしているのが素晴らしい。つまり、激レアさんのリサーチさえうまくいけば、何年過ぎても放送されそうなローコストぶりが際立っているのだ。

もう1つ画期的なのは、局アナである弘中アナのダルい進行。激レアさんを紹介する弘中アナのプレゼンは、どこかダルそうで目も声もトローンとしている。どんなに熱弁しても懸命さを感じないから不思議だ(いい意味で)。激レアさんの扱いも、苗字を呼び捨てにしたり、小バカにしたあだ名をつけたり、一貫して雑(こちらもいい意味で)。『ミュージックステーション』でタモリとかけ合いをしている彼女とは別人としか思えない。

どちらの姿が本当なのか、それとも、どちらも"進行役の女性"を演じているだけなのか。もし弘中アナが演じているのなら、今後のさらなる活躍は間違いないだろう。私は50人を超える女子アナ取材や共演経験があるが、彼女たちは基本的に普通の女性であり、仕事面でもアナウンス技術に重きを置く人が多い。

しかし、しばしば「女優やバラドルになっても成功するな」と思わせる女子アナに出会い、彼女たちは例外なくバラエティ番組で輝きを放っている。その意味で、弘中アナにも演技力や瞬発力を感じてしまうのだ。

○「どんなにイジられても言いたい」激レア体験

一方の若林は、失礼ながら"つけ合わせ"のような絶妙の存在感を放っている。ラーメンならメンマ、ハンバーグならニンジンのグラッセ。でも、それがとんでもなくおいしくて、店を出たあと「ラーメンやハンバーグよりメンマやグラッセがうまかった」という記憶が残る。そんな「出すぎないけど、上質なアクセントとしてしっかり機能する」という立ち位置を担うことで、弘中アナを引き立て、番組を1つのパッケージとして成立させているのだ。

この日放送された激レアさんは、「裸の部族が好きすぎて鼻に棒を刺して憧れの部族の村へ行ったら、自分が一番それっぽい恰好で完全に浮いた人」と「自宅にヨネスケが突撃してきたことを皮切りに芸能人がドシドシ押し寄せるようになり、最終的にとんでもない奇跡が巻き起こった人」の2人。放送前、文字を読んだだけでクスッと笑ってしまったのだが、番組を見たらゲラゲラと大笑いしていた。

2人とも、普通の人なのか、すごい人なのか。運がいいのか、運が悪いのか、よく分からなかったが、そんなことはどうでもいいのかもしれない。弘中アナからどんなに雑な扱いを受けても、番組から変人のように扱われても、彼らは笑みを浮かべ、うれしそうに体験談を語っていた。彼らはどんなにイジられようが、「それでも誰かに聞いてほしい」と思うほどの体験をしてきたのだから、当然とも言える。

だから私たち視聴者は、彼らのエピソードを聞いていると、どこか明るい気持ちになり、生きる勇気をもらったような気持ちになれるのだろう。ぜひ番組ホームページの「バックナンバー」で、過去の激レアさんをチェックしてほしい。文字を読んだだけで笑えるし、映像が見たくなること請け合いだ。
○来週の"贔屓"は…怒り新党との距離は縮まったか!?『マツコ&有吉 かりそめ天国

『マツコ&有吉 かりそめ天国』(左から)久保田直子アナ、有吉弘行マツコ・デラックス=テレビ朝日提供

来週放送の番組からピックアップする"贔屓"の番組は、7日に放送される『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系、毎週水曜23:15~ ※一部地域除く)。同番組は、『マツコ&有吉の怒り新党』の後継として昨年4月にスタート。「6年間怒り尽くした2人が、天使のような穏やかな気持ちでトークを繰り広げる」というコンセプトのもとに、さまざまなテーマで語り合っている。

次回は、「鍋のきのこ論争」「"芸能人をさん付け"は業界ぶってない?」「マツコが一生頭が上がらない恩師」「トップキャバ嬢を決める飯尾ナンバーワン」「福岡空港に売ってる明太子を25種類一挙紹介」「ゴルフ歴30年・えなり君が未だ未体験のイーグルパットを沈める」を放送予定。

あまりにランダムなテーマだが、だからこそマツコと有吉それぞれがどんな反応を見せるのか、2人の差が分かりやすいとも言える。熱狂的なファンを集めた『怒り新党』との距離感も含め、検証していきたい。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2,000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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