子どものデジタルプライバシーをどこまで認めるべきか?


子どもたちがデジタル画面を見て過ごす時間をどこまで制限すべきかについては、毎週のように、それまでの説を否定する研究が発表されているように思えます。ですが、思い切って子どもにスマホやタブレット、またはパソコンを買うことを決めたとしても、それで難しい選択が終わるわけではありません。それどころか、難問はそこからはじまります。子どもたちにどの程度のデジタルプライバシーを許すべきか、答えを見つけなければならないのです。

判断要素は年齢と性格


子どもたちには、どの程度までプライバシーを認めるべきなのでしょうか。臨床ソーシャルワーカーの資格を持つ心理療法士として、ニューヨークのマンハッタンで診療活動を行っているSean Grover氏は、「すべては年齢次第です」と言い切ります。

小学生なら、プライバシーなどまったく必要ありません。中高生なら、許可されたサイトの訪問ぐらいは認められるべきですが、だからといって、「部屋に引きこもって何でも好き勝手にネットサーフィンして構わない」と言うつもりはありません。

高校生くらいまでの子どもたちに認めるデジタルプライバシーの範囲は、子どもたちの感情面や、置かれている社会状況の健全性によって大きく異なります。「子どもが孤立していたり、社会的に隔離されていたり、デジタル世界に引きこもりがちだったりするほど、深刻な問題になります」とGrover氏は指摘します。

そうしたケースでは、何が起きているのかを監視するのは、親の責任です。その場合は、子どもたちにはあまりプライバシーを認めないほうがいいでしょう。

さらにGrover氏は、「ティーンエージャーの感情的な欲求が満たされているとしても、テクノロジーは、彼らが単純に楽しめるものではありません」と指摘します。

「直観に頼りましょう。直観にはそれなりの理由があるのですから」とアドバイスするのは、子どもを持つ親のためにデジタル上の安全ソリューションを提供するBarkのCPO(chief parenting officer:最高子育て責任者)Titania Jordan氏です。

一方で、フロリダ州タンパで活動する「Rice Psychology Group」の創設者で、公認精神科医のWendy Rice氏は、親としては、子どもが自分自身で関係を築き、親と離れて生きていけることをたしかめたいと語ります。昨今の子どもたちは、テクノロジーを通して「たむろする」ことが多いため、ある程度のプライバシーを必要としていると指摘するのです。

パスワードのプライバシー


より年長の子どもがいる親にとって、子どものパスワードを知っておくべきかどうかは、親子の信頼関係の程度に依存します。

Jordan氏は、「それは、家庭内の力関係、子どもの成熟度、そして性格によります。問題が頻繁に起きるようなら、そうした要素をプライバシー的要素と天秤にかける必要があります」と語ります。

Grover氏は、親が子どものデジタルパスワードを知っておくことは容認していますが、その事実をオープンにしておくことが大切だと語っています。

特に小中学生には、親がパスワードを知っていて、時おりチェックしていることを教えておく必要があります。そうすれば、子供たちはより注意深くなるでしょう。

より注意深くなれば、相手が友達であれ見知らぬ人であれ、オンライン上で危険な振る舞いに巻き込まれる可能性は低くなります。

デジタルパスワードを把握することや、さらに時おりチェックを入れることは、常時監視したり、すべてのやりとりに目を通したりすることとは違います。後者の振る舞いは避けるべきだと、専門家らは声を揃えます。

読むべきか、読まざるべきか?


Grover氏は、子どもたちを密かに調べることは、詐欺的で「最低のモデル」だと語っています。子どもの日記の「盗み読み」のデジタル版と考えればわかりやすいでしょう。

セラピストとして子供たちに接しているGrover氏は、その子自身や他人を傷つけるおそれがあると感じた時以外は、すべての秘密性を保つ方針をとっていると言います。そしてそれは、デジタルプライバシーにおいても守るべき基本方針だと考えています。「薬物問題を抱えている疑いがある、帰宅の遅い日が多いなど、健全性を懸念する理由があるのなら、子供たちのやりとりを読んでもいいでしょう」とGrover氏は述べます。

ですが、子どもの行動について特に懸念材料がなく、単なる好奇心だけなら、「原則として、おすすめしません」とGrover氏は釘を刺します。

ただし、場合によってはチェックする権限があることも覚えておいてください。Rice氏は、「親がチェックできること、自分たちのデバイスに完全なプライバシーはないことを、子どもたちは理解する必要があります」と述べます。子どもたちが行動を自制すれば、それは親の側にも自制を促し、本心からの心配ではない単なる好奇心に歯止めをかけることにもなります。Rice氏はさらに、「いずれにしても、すべてを監視することは無理です。常に話を聞ける状態を維持していくことのほうが、ずっと大切です」と続けます。

また、子どもにしてみれば、「いつも覗き見されていたら、決して良い気分はしないでしょう」とRice氏は話します。

多くの親子に関わってきたRice氏が実感したのは、ネット上のやりとりに関して、子どもに「これがどういうことか、教えてくれる?」と聞かずに、自分で直接割って入り、「子どもになりかわって書き込みを削除したり返信したりする親があまりにも多い」ということでした。どんな時でも、まずは本人に聞くほうがいいのです。

追跡すべきか?


ほとんどのスマホにはトラッキング機能が備わっていますが、子どもたちの行動を追跡すべきかどうかについては、明確な答えはありません

子どものスマホを追跡することについて、Jordan氏はやり取りを読むことに比べたら侵害的ではなく、行方不明になっているなどの最悪のケースでは有用だと考えています。ですが、子供のパスワードを知っておくことと同様に、親の意図を正直に伝えておくことが重要です。「あとをつけたりするためなどに使ってはいけません。ただ単に、あなたがその機能を使えること、そして時おりチェックする可能性があることを伝えましょう」とJordan氏は述べます。

「徹底して情報開示をした上での追跡を、全面的に支持します」とGrover氏も語っています。

セラピーに訪れるたくさんの子どもたちは、母親がいつもテキストを送りつけて、どこにいるかを聞いてくると愚痴をこぼします。おもしろいことに、私が「それじゃ、お母さんが君の居場所を問い詰めたり、友達の前で恥ずかしい思いをさせたりすることがないよう、トラッキング機能を使ってもらうのはどうかな」と提案すると、子供たちはすぐに、まったくためらわずに、わかったと答えるのです。

さらに、子どもがトラッキングに「断固反対」するようなら、それは問題が起きているサインかもしれないとも指摘しています。

Rice氏は、トラッキングについては賛否を決めかねていると語ります。現実的には必要になる時もあることは理解しつつも、理想を言えば反対したいというのです。

子供たちには、ちょっとした自由が必要なのです。子供たちにどれくらいの余地を与えるのか。それを見極めることがすべてです。親からの独立という問題は、昔なら、自分専用の固定電話を持つとか、自分の車を持つとか、そういった形をとっていました。それと同じことです。単にツールが違うだけなのです。

Image: Veja/Shutterstock.com

Source: Bark

Lucy Cohen Blatter - Lifehacker US[原文

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