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「幅の広いハスラー」じゃダメだったんです。クロスビーのデザイン手法をインタビュー!

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ハスラーの5人乗りが欲しいというニーズに応えたクロスビーは、まさに同車のお兄さん的な佇まいで登場しました。

しかし、単にハスラーの拡大版ではないというボディは、どんな狙いでデザインされたのでしょうか? チーフデザイナー氏に聞いてみました。

── 本日はよろしくお願いします。まずはじめに、ハスラーの小型車版として、開発当初はどのような作業から始めたのかを教えてください

「ご存知のように、スズキはこれまでも軽のワイド版を作ってきましたが、今回もそのときと同様に、まずボディを半分に切って拡幅させる試行をやりました。ところが、それではどうしても軽の印象が残ってしまい、ユーザーさんの理解は得られないのではないかと」

── それは、具体的にどういう部分が物足りなかったのでしょう?

「いくら幅を広くしても、サイドボディ自体が軽の薄いパネルでは、やっぱりそれって軽そのものだよね、と。今回は、珍しく役員からもこれは違うよね、という意見があったんです(笑)」

── では、小型車としてあらたにデザインするとして、何か特別なコンセプトはあったのですか?

「いえ。とくに新しい方向ということではなく、シンプルにハスラーの特徴の継承ですね。たとえば丸いランプ、台形のグリルといったアイコンはしっかり残しつつ、小型車にまとめたい」

── それでは、前から具体的にお聞きします。バンパーはハスラーに準じ、素材色をベースにシルバーのガードを置きました。サイズアップしたことで、ボディ色を加えるといった案はありませんでしたか?

「当初はそれも試しました。ただ、黒、シルバー、ボディ色の組み合わせでは色が散漫になってしまい、下回りの塊(かたまり)感が出ない。そうなるとSUVの力強さも薄れてしまうんですね」

── ドアパネルを内側に絞り込むのはハスラーと同じ手法ですが、ここも意識して踏襲した点ですか?

「そうですね。軽のハスラーではフラットなパネルに何とか凹面を作りましたが、今回はショルダーラインに相当な張りを持たせて、より強い抑揚を設けています。実はキャビンの大きさが決まったとき、残りの幅をデザイン代(しろ)として貰えたんです。ウチでは結構珍しい例なんですけど(笑)」

── ハスラーと違い、今回はリアピラーを後ろに抜きました。コンセプトにある「力強さ」のためには通常のピラーの方がいいのでは?

「クロスビーは、ワゴン+SUVという基本コンセプトがまず先にあるので、リアの居住性をアピールしたかったんです。通常のピラーにするとかなり太くなってしまって、ハスラーらしさはあるものの、乗員に閉息感を与えてしまう。ただ、ガラス面の上下幅を狭くして一定の力強さは確保しているんです」

── これだけショルダーを張らせるのであれば、ブリスターを前後スッと通した方がスッキリしませんか?

「当初には一般的なオーバーフェンダーなども試したのですが、足まわりの強さが出ないし、やっぱりハスラーのキーワードとしても独立したブリスターは残そうと。また、前後に延ばしてしまうとフラットな面に見えてしまう危惧がありました」

── リアですが、MINIのクロスオーバーを思わせるくらい相当なボリューム感を持たせましたね

「ウチの場合、大きくフラットなパネル面にすると、どうも商用車っぽいという声が多く出て来るんです(笑)。であれば、ここはサイド面に準じしっかり張り出させて、断面も豊かにしようと」

── 最後に。ボディカラーについては何かテーマを設けましたか?

「カラーも基本的にはハスラーベースで、黄色や青、赤などは継承しています。ただ、小型車としてあまりビビッドな色ではなく、同じ系統でも、より上質にメタリック調に変えています」

── たしかに、お兄さんというか大人のイメージは出ていますね。ハスラーは後に様々なカラーが追加されていますので、クロスビーでも期待したいところです。本日はありがとうございました。

【語る人】
スズキ株式会社 四輪商品・原価企画本部
四輪デザイン部 エクステリア課
課長代理 塚原 聖 氏

(インタビュー・すぎもと たかよし)

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