ゴールなきPDCAは方向性を見失わせる。目標達成のための「G-PDCA」とは?


もはやPDCAについては、多くの方が理解されているはず。「Plan(計画)」→「Do(実行・実績)」→「Check(評価)」→「Action(改善策)」という4つのサイクルによって、あらゆる問題を解決するためのフレームワークです。

しかし現実的に、「PDCAが大事なのはわかっているけれど、回せていない」と悩む人も多いと指摘するのは、『最短で目標を達成する! PDCAノート』(岡村拓朗著、フォレスト出版)の著者。

外資系企業で働くサラリーマンでありながら、会社公認で「時短の仕組み化コンサルタント」としても活動しているという人物です。PDCAを回せる仕組みをメソッド化した前著、『自分を劇的に成長させる! PDCAノート』も話題になりました。

続く新刊でとなる本書で公開しているのは、「ノートを使った目標達成PDCAの仕組み化メソッド」。著者のクライアントや著者自身が実践してきたものであり、その結果、最短の期間と最小の労力でさまざまな夢や目標を達成してきた手法なのだといいます。

かつてはなかなか結果が出せなかった著者自身が、このPDCAメソッドを実践することで大きく成長できたのだとか。そして、そんな実績があるからこそ、著者はこう断言してもいます。

PDCAのない目標達成はまず失敗する(「はじめに」より)

目標達成に向かって闇雲に取り組んだとしても、ムダな労力や失敗を繰り返すだけ。しかし、簡単にPDCAを回すノートを使った仕組みがあれば、あらゆる目標は必ず達成できるというのです。

そんな本書からきょうは第2章「夢・目標を達成するための思考法」に焦点を当ててみたいと思います。

ゴールに向かってPDCAを回す


目標(ゴール)を持たないまま、興味を持ったものを思いつきでやってみるとしたら、それはゴールのないマラソンレースを走っているようなもの。しかしそれでは、いつか飽きがきても無理はありません。そこで著者は、「目標を決める、ゴールから始める」、すなわち「PDCAの前にGをつける」ことを勧めています。

PDCAというと、「まずはPの計画から」と思いがちです。

しかし、その前にもっと重要なことがあります。

闇雲にPDCAを回すのではなく、目標(ゴール)に向かって回していくことです。だから、PDCAサイクルでどれが一番大事かと問われたら、「私はG」と答えています。

つまり、目標(ゴール)が明確になっていることである、と確信しています。

この考え方のことを、「G-PDCA」と言います。

計画の前にまずは目標(ゴール)を設定した上で、PDCAを回していくのです。(107ページより)

いいかえれば、ゴールなきPDCAは必ず方向性を見失うということ。そうならないためにも、PDCAを回した先にある目標(ゴール)そのものを、まずは明確に決めるべきだという考え方です。(106ページより)

目標達成のための「G-PDCA」のつくり方


では改めて、目標達成に必要な「G-PDCA」の3ステップを確認してみましょう。

G-PDCA

1. ビジョンを実現する目標を決める(見えるか? ワクワクするか?)

2. 目標達成のための計画を立てる(GPSフレームを使う)

3. 毎日フレームに沿って行動し、振り返る(毎日のPDCA、フレームとルーチン活用)

(109ページより)

「やり方がわかり、なんとかやってみた、その結果、なんとか達成した」——ものごととは本来、そんなふうに終わるものではないはず。

目標達成を山登りにたとえると、「最初は東京にある高尾山がゴールだったけれど、達成してみたらその高さは当たり前になってしまった。もっと高い山に登れそうだから、次は筑波山を目指そう」と考えてみることが大切なのです。

成長していままでとは違う景色が見えるようになってきたら、新たな目標を設定しなおしていくことが重要な意味を持つということ。

そうやって行動していると、当然のことながら次々と新しい景色が見えてくるようになるでしょう。そこで、次々と新たな目標を設定しなおし、行動していくことになるわけです。では、その目標達成のために、いちばん重要なことはなんなのでしょうか?

それは、目標達成に必要な3ステップであるG-PDCAを、いつでも再現できることだと著者は考えているそうです。なぜなら、「前回はたまたまうまくいったけど、今回はうまくいかないなぁ」というようなことでは困るから。再現性がある仕組みをつくることが大切だというわけです。

目標達成する仕組みこそが「目標達成PDCAノート」


学んだスキルを繰り返し実践して再現するために必要なものは、気合や根性や努力や意識の差でもなく、「フレーム」だと著者。フレームが用意されれば、脳はいちいち考えたり悩んだりすることなく、結果につながる行動をとるようになるものだというのです。

だとすれば、フレームさえ用意すれば、自然とそのとおりに動くことができるはず。自分の思うとおりにフレームをつくった人が勝つということで、つまりは著者が提唱する目標達成PDCAノートも、フレームを活用したメソッドになっているわけです。

著者によれば「PDCAノート」も、PDCAを回すための3つの基本ルールを押さえたフレームなのだそうです。

ルール1:見える化 PDCAは視覚化できれば回る

ルール2:仕組み化 PDCAは仕組みで回る

ルール3:習慣化  PDCAを回すことを習慣化させる

(112ページより)

この3つのルールは、G-PDCAにおいても同じ。G-PDCAを回す際にも、この3つのルールを押さえたフレームが鍵になるということ。そして、その「G-PDCAを回すフレーム」こそが、PDCAノートの活用法のひとつである「目標達成PDCAノート」。ノートのなかにつくったG-PDCAを回すフレームに沿ってG-PDCAを書いていくことで、すべてが解決するのだそうです。

ポイントは、計画と行動を左右に2分割すること。そうすることで、目標達成のために毎日どれだけ時間を使うのか計画でき、実際どれだけ使ったのかも一目瞭然になるということ。日々のPDCAを積み重ねていきながら、毎週と毎月のPDCAまでフレームに沿って書くことで、自然と目標達成しやすい環境が実現できるというわけです。(109ページより)

本当に手に入れたいものを書き出してみよう


確実に目標達成「できない」方法があるとすれば、なんなのでしょうか? 著者によればそれは、「頭のなかで思い浮かべるだけ」という状態のままいること。人は、目にしていないことは実現できないもの。それは文字どおり、「見失う」ことだから。別な言い方をすれば、常に目標を目に見える状態にしておくことが、目標達成のための最低条件だということです。

紙に書いて、目に見えるあちこちの場所に貼る。写真に撮って、スマホの待受画面にする。そして、手帳や、持ち歩くノートに書いておく。手に入れたものがあれば、手で書き出して、その目に入れることがスタートラインだということ。そういう意味で、「目標達成PDCAノート」の役割も大きいわけです。

ただし、なんでもかんでも書き出せばいいということでもないのだとか。本当に手に入れたいものを手にしたいなら、重要なことに「フォーカスする」ことが大切だというのです。

「手に入れる」ことばかりを考えてしまいがちですが、実は「やめる」こと、「やらない」こと、「やめたい」ことも含めて「手放す」ことが大切。重要なことにフォーカスしているつもりで、実はできていないとしたら、それは多くを抱えすぎているということ。そのため、つい目移りしてしまうわけです。しかし重要なのは、目を一点に集中させることのできる環境を用意することだといいます。(115ページより)


こうした考え方に基づき、以後の章では「PDCAノート」を活用して目標を達成するための方法やコツが具体的に紹介されています。図版も豊富なのでわかりやすく、すぐに応用できるはず。いまよりも効果的にPDCAを回したいと感じているのであれば、読んで見る価値はありそうです。

Photo: 印南敦史

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