ドトールやタリーズ、ちょっとだけ高い新業態店が極上の空間&サービスで即人気


 ちょっとした休憩や仕事の打ち合わせ、友人との待ち合わせなど、さまざまな用途で利用されるカフェ。なかでも「スターバックスコーヒー」「ドトールコーヒー」「タリーズコーヒー」といった、比較的リーズナブルな大手カフェチェーン店の需要は高い。

そんなカフェチェーンが近頃、新コンセプトや新業態のショップを続々とオープンさせている。たとえば、ドトールは単価を上げ、質やサービスにこだわった「ドトール珈琲農園」を、タリーズは紅茶メニューのラインナップを増やした「タリーズコーヒー&TEA」をオープンさせている。

需要が高いとはいえ、マンネリ化しているカフェチェーン業界において、オープンさせた新コンセプトショップは、既存店や他チェーン店といったいどのような差別化を図っているのだろうか。

そこで今回は、オープンしたばかりの人気カフェチェーン店の新コンセプトショップに、実際に記者(20代女性)が足を運び、調査してきた。

●「ドトール珈琲農園」/農園主の邸宅に招かれたような上質な空間で珈琲を

大手カフェチェーンのなかでも、特にリーズナブルな価格で人気のドトールは、東京都世田谷区に「珈琲農園主の邸宅に招かれたような上質な空間で、心ゆくまで珈琲の味わいを愉しむ」をコンセプトにした新業態「ドトール珈琲農園」をオープン。全112席(うち喫煙20席)の広々とした店内となっている。

今回、記者が訪れたのは平日の昼頃。世田谷区の多摩堤通りにあるロードサイド店ということで駐車場もあるのだが、すでに満車に近い数の車が停められていた。扉を開けると店員に人数を聞かれ、シャンデリアの灯りにより高級感ある空間が広がる席に案内される。ほとんどが女性客で、土地柄か友人同士で来ている子供連れの主婦が多い印象。みな会話に花を咲かせ、店内は賑やかである。

注文はオーダー制となっており、テーブルには呼び出しボタンが設置されている。会計も後払い制で、既存のドトールとはシステムがまったく異なっているようだ。

メニューの単価は既存店に比べて少々高めだが、そのぶん、料理やサービスの質を上げているのだろう。さらに限定メニューが豊富で、お酒やつまみ、パスタにライスプレートなどバラエティ豊富。できる商品は限られているが、テイクアウトも可能である。

店員いわく大好評だという「具だくさん!オムライス」950円(税別)と「ザ・ドトールブレンド」500円(税別)を注文。ちなみに平日11時~15時限定だが、パスタかライスプレートのメニューを頼むとドリンクが200円(税別)引きになるというサービスが適用された。

オムライスはソーセージ、ベーコン、チキン、マッシュルームなど具がたっぷり入ったチキンライスを、しっとり卵で包み込んだ王道スタイル。アツアツのうちに頬張ると、旨味が口いっぱいに広がった。注文を受けてから一杯ずつサイフォン抽出して提供されるコーヒーは、ローストナッツのような香りがし、さらりとした飲み口。

確実に既存店より優雅にコーヒーを楽しめる同店。しかし、最寄り駅の成城学園前駅からバスで約10分とアクセスはあまりよくないのが少々難点か。

●「タリーズコーヒー&TEA」/豊富な種類の紅茶をくつろぎのスペースで堪能

お得で便利なタリーズカードを発行しリピーターが多い「タリーズ」は、神奈川県横浜市に、従来のメニューに加え新たに10種類以上の紅茶メニューを追加した新コンセプトショップ「タリーズコーヒー&TEA」をオープン。

空いてる席を自由に取ることができるシステムは既存店と同じだが、前述したとおり、最大の違いは紅茶メニューが充実していること。同店限定の紅茶メニューは季節限定ものを含むと全12種類。さらにワッフル、サンドイッチ、オリジナルスコーンといった3種類のフードとお好みの紅茶を組み合わせることができる、「&TEA 横浜元町限定セット」も用意されている。これらが既存店のメニューとあまり変わらない価格帯という点も見逃せないポイントだろう。

店内は落ち着いたシックな雰囲気で、席数は全64席(喫煙は立席)。石川町駅から徒歩5分とアクセスが良好なうえ、観光地の横浜だけあって客足は途絶えず、常時満席に近い状態だった。コンセント席もあり、PC作業をしているビジネスパーソンが数多く見受けられたが、そんな一人客が多かったためかさほど窮屈に感じず、混雑のわりにゆったり過ごすことができた。

記者は、店員おすすめの「オリジナルスコーン ホイップ&ブルーベリーソース」520円(税込)に「ブラッドオレンジティー」480円(税込)をつけた限定セットをチョイス。オレンジの果肉が入ったブラッドオレンジティーは、酸味と甘みがちょうどよく、すっきりした味わい。サクサクしっとりのスコーンには、甘酸っぱいブルーベリーソースとコクのあるクリームをたっぷり付けていただく。スコーンのシンプルな美味しさは紅茶との相性が抜群だった。

コーヒーを専門としたカフェがひしめくなかで紅茶メニューを充実させた形態は、チェーン店では今までありそうでなかったスタイル。ダージリンなどのオーソドックスな紅茶から、フルーツを使ったバリエーションティーといった珍しい紅茶まで、紅茶好きもそうでない人も紅茶の魅力にはまる要素は充分だと感じた。

●「上島珈琲店No.11」/ハンドドリップで淹れた珈琲を大人な雰囲気で嗜む

甘いミルク珈琲が人気の「上島珈琲」は、東京都港区に「10点満点のコミュニケーションを超えた、もう一段上の上質なサービスコミュニケーション」を目指した新コンセプトショップ「上島珈琲店No.11」をオープン。

店内はホワイトやウッド素材をベースにし、BGMにジャズが流れてムード満点。中央には木製のアイランドカウンターがあり、それを囲むようなかたちで全96席(全席禁煙)が用意されている。また、物販コーナーもあり、コーヒー豆やおしゃれな食器などが販売されているのも特徴だ。平日の夕方に訪れたが、客はまばらでひとりで来ている男性客が多かった。

単価は若干高め。とはいえ、コーヒーはすべてハンドドリップで提供されており、オリジナルフードにはコーヒーオイルを使用するなど、コーヒーに対するこだわりはさすがの一言。さらに、初の試みである2段階式ハンドドリップを採用し、上質なミルク珈琲を提供している。

席を確保し、アイランドカウンターにて「極黒糖ミルク珈琲」600円(税込)と「ミックス サンドイッチ or トースト」480円(税込)を注文。サンドイッチはそのままかトーストするかを選ぶことができた。

ボイルとサラダの2種のタマゴが新鮮な野菜とともに仕上げられた王道のミックスサンドは、ボリューミーで食べ応えアリ。ミルク珈琲は、ドリッパーを二段階に重ねてコーヒーを抽出したことにより、香り高く、コクのある味わいで黒糖の優しい甘さが染み渡る。スタイリッシュな空間でいただく珈琲により、落ち着いた和やかな気分に。

最寄り駅の御成門駅からは徒歩3分ほど。駅を出ると左手に見える東京タワーのライトアップが美しい。大人なムードを楽しみたいなら夜の来訪がおすすめだろうか。

――人気カフェチェーン店の新コンセプトショップは、多少価格帯は上がるものの、既存店に比べて質の高い料理、そして居心地のよい空間を提供していた。ときには趣向を変え、新たなコンセプトカフェで有意義な時間を過ごしてみるのもいいだろう。
(文=A4studio)

あなたにおすすめ