「RAMEN-DO」プロデューサー赤池洋文氏インタビュー ラーメン界が誇る伝説店「べんてん」の神髄に迫る(インタビュアー:山川大介)

Walkerplus

2018/2/1 17:00

2001年フジテレビ入社。バラエティ制作センターで『ごきげんよう』『アイドリング!!!』『はねるのトびら』『大日本!アカン警察』などを担当。2014年より編成部に異動。バラエティ『寺門ジモンの取材拒否の店』、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』、ドキュメンタリー『NONFIX ドッキュ麺』など幅広いジャンルの番組を手掛ける。

『RAMEN-DO』は、1時間で一軒のラーメン店とその店主に焦点を絞りこみ、徹底的に深堀りしていく斬新なドキュメンタリー番組。第1回では、ラーメン界が誇る伝説店「べんてん」の神髄に迫っていく。ラーメンにかける情熱が人一倍強い赤池氏が手がける“類を見ない番組”とは果たして!?

■ 類を見ない斬新なラーメンドキュメンタリーが誕生

山川:1時間で一軒に焦点を当てた「RAMEN-DO」ですが、こんなマニアックな番組企画が立ち上がった時はどのように思われましたか?

赤池氏:BSフジで“ディープにラーメンを掘り下げる番組”をやることが決まり、それで『ラーメンのことやるならアイツだろ』という形で声をかけてもらいました。話を聞いた時は率直に『本当にそんなことやっちゃっていいんですか?』って(笑)。せっかくそんな企画がやれるなら、これまでどこもやったことがないような超濃厚なラーメン番組にしたい。そんな想いから“1時間で一軒を徹底的に深掘りする”という企画を提案しました。それを快諾して任せてもらえたのは嬉しかったですね。

山川:第1回に数あるラーメン店の中からあえて「べんてん」を選んだ理由は?

赤池氏:一番の理由は「説得力」でしょうか。観た人が『そうだよね、このお店だよね』と納得してもらえるお店というか。説得力のあるお店ってどんなお店かな?と考えた時に、いくつか要素がありまして…。

山川:要素ですか?

赤池氏:まずお店に長きに渡る歴史があって、たくさんのお客さんから愛されていること。決して過去のお店ではなく、今もちゃんとラーメン界の第一線を走っていること。多くの同業者からリスペクトを受けていること。そして何より、誰が食べても「旨い」と思える圧倒的な美味しさを誇っていること。他にも細かく挙げればキリがありませんが、そんな要素でお店を絞り込みました。ただ、そうなると実はこれに当てはまる名店って結構あるんですよね。

山川:数ある名店の中から1つに絞るのって相当大変じゃないですか?

赤池氏:だから最終的には、その中で私が一番好きなお店だった「べんてん」に決めちゃいました(笑)。

赤池氏:「べんてん」のラーメンって、豚骨魚介のいわゆる王道のラーメンなんですよね。何か特別な食材が入っているわけでもなくて…言ってしまえば何の変哲もないオーソドックスなラーメン。なのに、とんでもなく旨い。僕にとっては他に比類がない旨さなんです。

山川:すごく分かります。私も初めて「べんてん」のラーメンを食べた時、衝撃を受けました。シンプルなのにオリジナル性があって。基本に忠実なのにどうしてここまで個性が出せるのかと驚きました。

赤池氏:他と差別化をはかってオリジナリティのある美味しさを作り出すことで人気店になるお店はたくさんありますが、奇をてらうことのない王道の味なのに唯一無二で圧倒的な旨さを誇るのは僕にとっては「べんてん」だけ。それって田中店主が本当に繊細で微妙なさじ加減でラーメンを作っているってことの表れですよね。まさに田中店主のセンス。これこそまさに「べんてん」の最大の魅力だと僕は思います。

山川:実際に取材をされてみて、田中店主は一体どんな人物だと感じましたか?

赤池氏:田中店主と初めてちゃんとお話しさせて頂いたのは、実は今回が初めてではないんですよ。昨年、ドラマ「ラーメン大好き小泉さん」にご出演して頂いた時に、色々とお話しさせて頂きました。復活した「べんてん」にお伺いしたのもその時が初めてでした。それまで高田馬場の時のイメージしかなかったので、とにかく緊張しました。高田馬場時代はお店にピーンと緊張の糸が張っていましたから。注文以外余計なことは一切発してはならない空気。田中店主も黙々とラーメンを作る。まさに“頑固オヤジのおっかない店”って感じでした(笑)。

山川:おっかない店(笑)

赤池氏:でも実際に田中店主と話してみると、気さくで優しいし、冗談なんかも言ってくれるフレンドリーな方でした。そして、今回『RAMEN-DO』で本格的にインタビューさせて頂いて分かったことが、田中店主は実はおしゃべりだということ(笑)。おかげで、ものすごくいい言葉をたくさん頂くことができました。名言連発です。ご期待下さい!

■ ラーメンや店主へのリスペクトの気持ちを忘れない

山川:赤池さんがラーメンに惹かれてしまう最大の理由はなんですか?

赤池氏:日本人でラーメンを食べたことがない人はまずいないですよね。そのくらいラーメンは誰にでも身近な食べ物でありながら、その美味しさを極めようと本当にたくさんのお店が存在し、無数のラーメンが存在している。手軽だけど奥深い。こんな面白い食べ物は他にないと思うんですよね。もちろん全てのラーメンを食べることは不可能ですが、死ぬまでにできるだけ多くのラーメンを食べたいです。厄介なものを好きになってしまいました(笑)。

山川:大好きなラーメンを番組にする際、心がけていることがあれば教えてください!

赤池氏:当たり前ですが、ラーメンや店主へのリスペクトの気持ちを忘れないことですね。人に「お金を払ってでも食べたい」と思わせるって本当にすごいことです。しかも、そんなお客さんが店に溢れて行列を作るなんて、もうどれだけすごいことか。そんなすごい店主とお仕事でご一緒できるとなると、もう私の好奇心は止まりません!

山川:本当に熱いですね!(笑)

赤池氏:果たしてこの店主は、どんな生い立ちで、どんなことを考え、そしてどのようにしてこのラーメンを生み出したのか?それらを根掘り葉掘り聞いていくと、必ず素敵なお話が聞けます。それを視聴者の皆さんにできるだけ分かりやすくお伝えしようといつも心掛けています!

■ BS放送だからこそ追求できた上質でマニアックな番組構成

山川:今回の『RAMEN-DO』を形にしていくうえで、試行錯誤した点を教えてください

赤池氏:『RAMEN-DO』は、“1時間で一軒のラーメン店のみを扱う”という企画性での新しさももちろんですが、番組の演出的にも新しいものにしたいなと思いました。ラーメンにまつわるすごく美しい映像が撮れたので、その素材を最大限生かすためにはどうしたらいいか。

山川:放送前に番組を拝見させていただいたのですが、映像だけではなく、油をかけた時の「ジュワッ」という音など細部に至るまで丁寧に表現されていて、観ていてまるでお店にいるかのようなリアリティを感じました。

赤池氏:突き詰めた結果、ドキュメンタリーには基本必要不可欠なナレーションをあえて全て取っ払いました。テロップも必要最低限しか入れていません。当然番組の構成は難しくなり、監督・スタッフには随分苦労をかけたと思います。ただその甲斐あって、かなり斬新なドキュメンタリーに仕上がったと思います。地上波の番組的な観点からすると、かなり不親切な番組に見えるかもしれませんが、説明過多なナレーションやテロップをあえて排除した純粋で質実剛健な番組をお楽しみ頂ければと思います!

山川:「RAMEN-DO」という番組を通して視聴者に伝えたいことは何ですか?

赤池氏:今回取材させて頂いた『べんてん』の田中店主、『MENSHOグループ』の庄野店主(第2回/2月9日放送予定)、『七彩』の阪田店主と藤井店主(第3回/2月16日放送予定)。皆さん当然ラーメン業界における一流の存在なのですが、彼らがおっしゃられることは、ラーメン業界だけでなくあらゆるジャンルに通ずることばかりだと思わされることが多々ありました。学べることが、自分の生活に応用できる教訓みたいなものが次々出てきます。ラーメン好きの人はもちろん、ラーメンに興味がない人にも是非観て頂きたい番組だと思っています!

山川:最後に今後の展望を教えてください。

赤池氏:今回『RAMEN-DO』は3本作りましたが、できればもっともっと作りたいですね。今回の3店舗に絞るのも本当に血の滲む思いでしたから(笑)。まだまだ深掘りしてみたいラーメン店がたくさんあります。私は「ラヲタ」と言うには申し訳ないくらい、たいしてラーメンを食べられていませんが、ラーメンを愛する気持ちと情熱だけはラーメンWalkerの熱心な読者さんに負けないくらいあるつもりです。そんな熱い想いで作るラーメン番組は、きっと共感して頂けると信じて、これからも精進していきたいと思います!

山川:お忙しい中インタビューにお答え頂きありがとうございました!

インタビュー中、ラーメンに対して終始熱い想いが溢れていた赤池洋文氏。『RAMEN-DO』は、心からラーメンを愛している赤池洋文氏だからこそ作り上げることができたディープな番組だと実際に話を聞いてみて感じた。ラーメン界が誇る伝説店「中華そば べんてん」。その真髄を是非番組でも体感してみてほしい。

インタビュアー:山川大介(東京ウォーカー)

https://news.walkerplus.com/article/135833/

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