最新ニュース、芸能、ネットの話題をまとめ読み

 

仮想通貨で儲かった投資家、あの手この手で節税対策も税務署にはバレバレ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


昨年12月、仮想通貨に投資する人々の間に衝撃が走った。国税庁が仮想通貨による利益は「雑所得」とすると発表したからだ。確定申告の期限が目前に迫るなか、一部の投資家はあの手この手で徴税から逃れようとしている。「億り人」が考える節税&脱税スキームとは!?

◆物品購入や個人間での現金化、巨額の経費計上は通用する!?

昨年末より乱高下を繰り返している仮想通貨市場だが、ビットコインだけを見ても1年間で約10~20倍に。限られた元手から「億り人」となった投資家も少なくない。

しかしここに来て、政府は仮想通貨取引で多額の売却益を得た投資家に対する徴税に乗り出した。『朝日新聞』(1月1日付)によると、国税庁は仮想通貨取引で数千万~数億円の売却益を得た投資家らを洗い出し、今年の確定申告に向け、取引記録や資産状況をデータベースにまとめるというのだ。昨年12月に国税庁は、それまで明確にされていなかった仮想通貨取引による利益の所得区分について「雑所得(※1)に当たる」との見解を発表。20万円を超える利益がある場合は確定申告が必要となり、給与所得などと合わせた総合課税で最大で55%(住民税を含む)となる累進課税が適用される。株式と違い、他の金融所得との損益通算はできないことも明らかになった。

税理士法人ファシオ・コンサルティング代表社員・八木橋泰仁氏による試算によると、専業主婦を持つ年収500万円の会社員が200万円の利益を得た場合、確定申告後に約57万円の納税義務が生じるのだ。

国税庁のこうした方針について、「後出しじゃんけんだ」と憤る仮想通貨投資家は少なくない。昨年1年間で約6000万円の含み益を得たというビットコイン投資家のO氏(42歳)も口を尖らせる。

「FX取引で得た所得や株のキャピタルゲインは、分離課税で一律約2割でしょ。なぜ仮想通貨だけ特別扱いなのか。昨年は運良く儲かったけど、仮想通貨バブルもそろそろ潮時という話を聞いて、保有額を出金して株式投資で運用しようと思ってるんだけど、売るに売れない状況です」

こうした状況のなか、仮想通貨の急騰で一獲千金を手にした者たちの間では、何とかして課税を逃れようという動きも出ている。

「物を買うときはできる限りビットコインで決済しています。最近ではソファやPCをビットコインで購入しました」(O氏)

ビットコインを積極的に消費し、直接の現金化を避けようというわけだ。一部の家電量販店などビットコイン決済が可能な店舗は増えているとはいえ、国内ではまだまだ限定的だ。O氏がよく利用するのはアマゾン(日本)だ。

「ネット上には、ビットコインを使いたい人と入手したい人を結ぶサイトがあるんです。例えばアメリカの『Purse.io』なんかが有名です。同サイトに開設したアカウントに、アマゾンにある欲しい商品のページのリンクを貼っていけば、第三者がクレジットカードで代金を払ってくれ、その商品が手元に届く。こちらは、サイトを通じてその第三者に相当額のビットコインを送金するという仕組みです。しかも、取引所(※2)を通さずにビットコインが買えるなら割高でもいいという人が多いため、実際の商品価格よりも安く取引が成立する。このサービスを利用して高額商品を購入し、フリマサイトなどで転売することもあります」

この手法は仮想通貨長者たちに広く浸透しているというが、ビットコインを中心に複数通貨に投資した結果、1億円以上の含み益が出ているというK氏(37歳)は、さらに高額な転売行為によってビットコインを現金に換える方法を実践しようとしている。

「投資家の間では有名な話ですが、アメリカに主要な仮想通貨で金地金が買える店がある。そこでインゴットをビットコインで購入して日本に持ち帰って現金化すればバレないそうなんです」

しかし、O氏とK氏のスキームは、ともに浅知恵というほかなさそうだ。トラスティーズ・寺田松崎会計事務所パートナーの寺田芳彦氏はこう解説する。

「国税庁のFAQにも書いてありますが、仮想通貨決済で物品の支払いをした場合、税務上は通貨を売却して得た現金で物品を購入したとみなされます。例えば20万円のPCをビットコインで購入すれば、20万円分の利益が出たとみなされ、課税対象となります」

◆2500万円の経費は認められる?

一方、昨年初めから「草コイン」と呼ばれるマイナー通貨への投資を続け、年末までに約5000万円分を現金化したというN氏(40歳)は、ペーパーカンパニーを使った節税対策を実践したという。

「知人が所有する国内のペーパーカンパニーに取引を“指南”してもらったことにして、コンサルフィーとして2500万円を振り込みました。これはペーパーカンパニー側は課税されますが、中小企業の法人税は実効税率最大約34%で個人の所得税よりも安い。一方、私個人の利益は2500万円に圧縮されるので、税率が下がるというわけです」

この方法はどうなのか。前出の寺田氏は「あらかじめ個人事業主として開業届を出していれば数パーセント程度の経費は認められる可能性もありますが、50%ものコンサルフィーを税務署が経費として認めるとは思えない」と一蹴する。

ビットコイン長者の間では、さらに単純な現金化スキームも「有効」だと信じられているようだ。ビットコイン投資で儲け、800万円を現金化したというS氏(54歳)は言う。

「ネット上にいくつも仮想通貨愛好者のコミュニティがあるのですが、数百万円くらいのビットコインなら現金で買い取ってくれる人がすぐ見つかる。中国人なんかも多いですね。こうした相対の個人間取引は高額な取引所の手数料を逃れるためにもともと、盛んだったのですが、今では税務署にバレずに現金化する目的で利用する人が多いですね。僕も中国人を通じて現金化しました」

しかし、もちろんこの方法も税務署には通用しないという。

「国内にある仮想通貨の取引所は、税務調査をされて、要求されれば取引内容を見せなければいけません。例えば公益の情報提供(タレコミ)が行われたり、SNSで儲けを自慢している人がいると、取引所を調査して投資家を特定し、ウォレット(※3)の取引履歴を見せるように要求するでしょう。いったん目をつけられたら逃げられないのです」(寺田氏)

売買する過程で、国内の取引所を一度でも通すと、理論的には税務署は補捉が可能となるのだ。

<用語解説>

※1 雑所得

所得税法が定める、給与所得や事業所得、不動産所得など9つの所得区分以外のもの。公的年金や非営業用貸金の利子、プロ以外が受け取る原稿料や講演料などが該当。FXで得た利益もこれに入る。株式売買の分離課税とは異なり、総合課税となる

※2 取引所

仮想通貨の売買を仲介する取引所(個人間取引と業者の直接販売がある)。金融庁に仮想通貨交換業者として登録を認められた国内業者は16業者に上る(昨年末時点)

※3 ウォレット

仮想通貨の財布にあたる。多くはオンライン上にあり、取引所内にある他、国内外の複数の業者が提供している。USBメモリに入れられるハードウェアウォレットなどもある

【寺田芳彦氏】

公認会計士・税理士。トラスティーズ・コンサルティングLLPパートナー。三菱UFJ信託銀行、KPMG税理士法人を経て現職。国際税務などを専門

【八木橋泰仁氏】

税理士。税理士法人ファシオ・コンサルティング代表社員。仮想通貨の収支自動計算ツールの提供も開始。https://cryptolinc.com

図版/佐藤遙子

― [ビットコイン長者]の脱税を暴く! ―


外部リンク(日刊SPA!)

Yomerumoをフォローする

Yomerumoから人気記事をお知らせします!

Twitter

ライフ最新記事

記事一覧

注目ニュース

> もっと見る


掲載情報の著作権はニュース提供元企業等またはGMOアドマーケティング株式会社に帰属します。記事の無断転用を禁じます。
すべての人にインターネット
関連サービス