「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」まずは脚本に小沢高広(うめ)起用の経緯など金丸Pと対談

エキレビ!

2018/2/1 09:45

テレビ版当時を知る大きなお友達から、はじめてマジンガーに触れるやや大きなお友達、そしてよい子のお友達までを巻き込んでヒット中の映画『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』。
新しくCG表現で表現されたマジンガーZたちの大迫力のアクションや、大人に成長した兜甲児たちの人間模様など見どころ満載の本作だが、「エキレビ!」的に気になるのは、『大東京トイボックス』『スティーブズ』などで知られる漫画ユニット「うめ」でシナリオを担当する小沢高広(エキレビ!レギュラーライターでもある)が脚本を書いているということ。ツイッター

特にロボットアニメというイメージもないし、年齢的にもマジンガーZ世代ではなさそうだし……どうして小沢高広が起用されたのか!? 小沢高広とプロデューサーの金丸裕に聞いた。

兜甲児=天川太陽!?
──まず、小沢さんが『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』の脚本をやることになった経緯を教えてください。


小沢 エキレビ!なんで具体的に言っちゃうと、随分前に金丸さん、アライさん(「エキレビ!」編集長)とおでんを食べながら飲んだというのが最初のきっかけなんですよ。

金丸 アライさんから「小沢さんとおでん食べるんですよ」と聞いて、「『東京トイボックス』シリーズ好きなんで会わせてください!」って頼んだんです。

小沢 その段階で、企画自体はあったの?

金丸 企画はあったんですけど、ボクが参加する前ですね。

もともとマジンガーの企画は9年くらい前から別の方が企画していたんですが、、実写やフルCGなど、様々なアイデアが上がっていたのを記憶しています。6年前くらいから僕が担当することになったのですが、その段階で「マジンガーZと兜甲児を軸にした新しいアニメーション映画」という方針をダイナミック企画さんとお話ししました。

スーパーロボットのアニメーション表現は、今の技術で挑戦したいと思っていたんですが、ストーリーに関しては「兜甲児」というを人物をしっかり描ける人じゃないとダメだろうと。そんな時に、おでん屋での飲み会を思い出して「天川太陽(『東京トイボックス』の主人公)が成長した兜甲児像と合うのではないか!」と思ったんですよね。天川太陽の気持ちや熱いエネルギーが永井豪先生の作品と合うんじゃないかなと。




そこで早速アライさんに電話して「企画のことは何も言えないんですけど、小沢さんと会いたいんですけど……」って(笑)。

小沢 何の話だろうと思ってましたよ。「プリキュアかな?」とか。

──おふたりとも、世代的には『マジンガーZ』はタイムリーではないですよね?

小沢 違います。完全に『ガンダム』世代ですね。もちろん知識としては知っていたし、子どもの頃に「ロケットパーンチ!」とか言って遊んでましたけど、なにせ放送時には小さかったのでストーリーはほとんど覚えてないです。

ただ、何回目かの再放送で観た、最終回にマジンガーZがボロボロになって、それをグレートマジンガーが助けるという展開がトラウマになってて……しばらくグレートを観られないくらいショックでした。

──『マジンガーZ』くらい根強い人気がある作品を新しく作るのって勇気がいると思いますが、引き受けるに当たって悩みませんでしたか?

小沢 いや、悩まなかったです。「最終回に対する憤りをやっと解消できる!」という気持ちで、そこは一切ブレないままやりましたね。

金丸 「TVシリーズの頃からのファンの方にも満足してもらう」というのは避けて通れないところですけど、そこはアニメーションや演出で表現し、ストーリーに関しては「ファンのために作る」と言うよりは、時代をしっかり切り取った上で、本当に面白い物語になっているということが一番ですから。小沢さんのオリジナリティにゆだねた部分が大きかったです。

小沢 だから「ファンはこういうのが好きだよね」という考え方は一回もしなかったですね。


実は、映画の舞台は1980年代
──『ガンダム』のようなリアルロボット世代の小沢さんが、スーパーロボットの代表格である『マジンガーZ』を料理する上で気にしたポイントは?

小沢 この話を頂いてまず考えたのは、逆に「ガンダムって何だったんだろう?」ということです。「リアルロボット」という言葉は優秀で一人歩きしているけど、実質、RX−78(ガンダム)だってやってることはスーパーロボットじゃないですか。第二次世界大戦時の戦艦大和だってスーパーロボットみたいなものがリアルに存在していた時代もあるんですよ。

そこでマジンガーを現代のリアリティに落とし込むにはどうしたらいいかと考えたら、大艦巨砲主義みたいな量産されていない兵器(マジンガーZ)がかつて存在していた。その兵器が平和な時にどうなっていくか……と考えたんですね。

──そう考えると、かつて活躍したマジンガーZが博物館に飾られているというのはリアルですね。戦艦大和にも大和ミュージム(呉市海事歴史科学館)がありますし。

──今回の映画の舞台はテレビ版から10年後ですが、最初から「その後の世界」というのは決まっていたんですか?

小沢 時代設定はかなり初期の頃から固まっていましたね。45歳くらいになっている兜甲児というのも魅力あるとは思ったんですけど……まあそこは20代後半にしておこうとか。

45歳にしちゃうとリアルに子どもが出来ていたり、2代目がマジンガーに乗っていたりという話になってきますから。

──逆に、テレビ版の時代をいつ頃と想定しているんですか?

小沢 放送当時(1972年~)ということですね。だから実は、今回の映画の舞台って1980年代なんですよ。ただ、光子力ネットワークというものが急速に普及したおかげで、いきなり2020年くらいのイメージまで技術が進んでしまっていると。

技術だけが急速な発展を遂げてしまい、人類はついていけてない……。映画が完成してみたら、結果的に現在、2018年の時代性ともマッチした内容になっていてよかったと思っています。


おじさんが熱く語りたくなる映画!
──テレビ版と映画版の間に位置するのが漫画『マジンガーZインターバルピース』ですが、この漫画の内容も踏まえて映画版の脚本を書いていったんですか?


小沢 アニメ版からの10年間をつなぐ設定というのは僕の中にはあって、それをある程度踏まえつつ脚本を書いていましたけど、漫画の内容ほど具体的には考えていなかったですね。

映画の脚本を書き終えてから……それこそ2017年の頭くらいに漫画のお話しを頂いて、「じゃあ間の話を描きましょうか」ということになったんですけど、「アクションは描かないよ」っていうのは打ち合わせの段階から言っていました。

平和な時期の話なので、ご飯を食べているだけとか、チャーシュー巻いているだけとか、そういう部分を書きたかったんですよね。

金丸 映画の制作側としては最初から想定はしていなかった漫画版ですが、これが出来たおかげで10年間で変わっていく設定や人物像が分かりやすくなったので、助かったとも言えますね。

──できれば『インターバルピース』を読んでから映画を観にいった方が、色々と理解しやすいと思いました。

小沢 僕もそれをオススメしています。『マジンガーZインターバルピース』を読んで世界観を頭にいれてもらってから映画本編を見てもらって、その動きやアクションを頭に入れてもらって小説版を読むというのが一番オススメのコースです。(第1章無料試し読み、2/13まで)


とはいえ、マジンガーってビジュアル的に「これが味方でこれが敵だ」って分かりやすいので、予習なしで観ても楽しめるとは思いますけど。敵は基本、顔色悪いんで(笑)。

金丸 試写会に立ち会っていると、マジンガーをはじめて観る方というのも一定数いらっしゃいましたね。30代、20代の『スーパーロボット大戦』をやっていた世代の方から、はじめてのマジンガー体験なのにすごく面白かったって言ってもらえたんですよ。設定の細かい知識がなくても、映画としてのエンタメ性が高いので伝えることができたのだと思います。

そんな話をしていたら、隣にいた40代の方が「漫画版(『インターバルピース』)も面白いんだよ!」って入ってきたりして(笑)。若い人に熱く語りたくなるんですよ、マジンガーZのファンの皆さんは本当に熱い心をお持ちなんです!


小沢 ウチの子どもも、当然マジンガーZなんて知らないんだけど、敵の顔が半分になってたり(あしゅら男爵)、首が切れてたり(ブロッケン伯爵)、それだけで面白がってましたからね(笑)。子どもからおじさんまで楽しめる。そういう意味でも懐の広い原作ですよ!
(北村ヂン)


後編に続く


●「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」公開中

森久保祥太郎 茅野愛衣
上坂すみれ 関 俊彦 小清水亜美 花江夏樹 高木 渉 山口勝平 菊池正美
森田順平 島田 敏 塩屋浩三 田所あずさ 伊藤美来 朴ろ美 藤原啓治 石塚運昇 
石丸博也 松島みのり /おかずクラブ(オカリナ・ゆいP)/ 宮迫博之

原作:永井 豪 監督:志水淳児
脚本:小沢高広(うめ) キャラクターデザイン:飯島弘也 メカニックデザイン:柳瀬敬之 美術監督:氏家 誠(GREEN)
CGディレクター:中沢大樹 井野元英二(オレンジ)  助監督:なかの★陽 川崎弘二 音楽:渡辺俊幸
オープニングテーマ「マジンガーZ」水木一郎
エンディングテーマ「The Last Letter」吉川晃司
アニメーション制作:東映アニメーション 配給:東映
(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

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