オプラ・ウィンフリーさんに学ぶ、人の心を動かすスピーチの作り方


ゴールデングローブ賞で「セシル・B・デミル賞」を受賞したオプラ・ウィンフリーさん。受賞時のスピーチが多くの涙を誘い、話題になりました。人の心を動かせるスキルを持つ彼女とはいえ、今回のスピーチは実に入念に作り込まれていたことに気づいたでしょうか。あなたも人前で話す機会があるなら、オプラさんから学べることは多いはずです。

いえ、次期大統領候補を期待されるほどのスピーチをする必要はありません。あなたのスピーチはそこまで重要なものではないでしょうし、それにあなたはオプラさんではありません。でも、自分の言葉を聴衆の心に届けたいと思うのであれば、彼女がスピーチに向き合う姿勢を見習うべきだと思うのです。

書く


人前で話す可能性があるという通知を受けたら、事前に書くことからはじめましょう。頭の中で「考えておく」では不十分です。頭の中では、何もかもがよく聞こえてしまうからです。実際に口に出さないかぎり、スピーチの良し悪しは判断できません

あなたにはあなた独自の構成があると思いますが、オプラさんのスピーチの構成はこうでした。
  • 自分のストーリー
  • 感謝
  • メッセージ
  • 裏付けとなるストーリー
  • 呼びかけ
  • 祝福

構成そのものはそれほど重要ではありません。それよりも、それぞれのパートのつながりを意識しましょう。オプラさんのスピーチは、各パートが巧妙に連携しています。人種やジェンダーを背景に、彼女の個人的ストーリーが受賞につながります。そのことに感謝を示しながら、性差別に戦う人々をたたえるメインメッセージへと移行。

そのあと、あるストーリーを語ることで、人種差別と性差別を再び聴衆に想起させます。そして、この戦いへの参加を呼びかけ、必ず勝てるのだと断言して終わります。このように、スピーチ全体に、論理的な1本の筋が通っているのです。

ですからまず、自分が伝えたいコアメッセージを決めましょう。当然、あなたがうまく伝えられることでなければなりません。非公式な場でのちょっとした笑いのためのトークでも、自分だけの芸風をしっかり見つけてください。有名なスピーカーやコメディアンから盗むなら、自分が大好きな人から盗むようにします。

コアメッセージを決めたら、発する言葉のひとつひとつがそれに呼応するようにスピーチを作っていきます。出だしでウケを取る必要はありません。それよりも、スピーチの本題に向けて、聴衆に心の準備をさせることに注力しましょう。オプラさんは、人種とジェンダーの歴史的背景からはじめています。これが、のちのメッセージへの布石になっていました。紹介しているのは高揚させるストーリーです。なぜなら、スピーチ全体のメッセージが、人々の気持ちを高揚させるものだからです。

ここからは、詳細を解説していきます。

映画のモンタージュシーンのように、出だしの部分を書いては捨て、書いては捨てという状態になってしまうかもしれません。でも、それは普通のことなので安心してください。かくいう私も、ブログ記事を書くたびにそれを繰り返しています。そんなときには、3つの選択肢があります。
  1. いいものが思い浮かぶまで書いては捨てを繰り返す。映画の登場人物はたいていそうしています。
  2. とにかく、思いついた出だしから論理的な結論を導き出す。これを5セットやってウォーミングアップを済ませたら、その中から1つか2つをピックアップして、リアルな出だしを新しく作る。
  3. 出だしは後回しにして、もっと作りやすいパートから作る(1番簡単な方法ですが、私は嫌いなのでやりません)。

30分未満のスピーチなら、できるだけ手書きで考えるのがおすすめです。私の場合、最初の下書きだけ手書きにしています。その後の改訂も手書きでやる気力があるなら、それに越したことはありません。手書きだと、後悔が少なくて済むというメリットがあります。

リハーサル


本番に初めて声を出して読むのでは、必ず失敗します。必ず1人で練習してから、友人やパートナーにも聞いてもらいましょう。その理由は2つあります。

・直し

声に出して読むことで、必ず直したい部分が見つかります。最初の下書きから声に出して、直しては読むを繰り返しましょう。書いたものを読みながら、アドリブで直しを加えていくのもいいでしょう(ときどき書き留めてください)。

1回目は、ひどい部分が必ず見つかります。まずはそこを直してください。2回目は、狙いはいいけれど、うまく伝わらない部分が見つかると思います。今度は、それを直しましょう。

すべてがいい感じになってきたら、友達に聞いてもらいます。1番好きなパート、そうでないパート、きっといいこと言ってるんだけど理解しきれなかったパートを教えてもらいましょう。3つ目が、何よりも重要です。

練習してもしても、直したい部分がなくなることはありません。でも、それが少しずつ減り、些細なことになってくるはずです。6回から10回ほどのリハーサルを済ませたら、2~3言変えるだけで済むようになると思います。

すでにどこかの紙面に発表した原稿でも、直しは入れるべきです。読んで響く原稿が、話しても響くかどうかはわからないからです。その逆も同じ。目で読むよりも声に出したほうが響く別の原稿があるかもしれません。あるいは、回りくどい段落をいくつかカットするだけでいいかもしれません。記事がロックソングで、スピーチはそのラジオ版みたいなものと考えてください。

・パフォーマンス

言葉と同じくらいに重要なのがパフォーマンスです。そうでなければ、メールで送れば済む話ですから。たとえば結婚式のようなイベントの場合、存在すること自体が重要なパートだったりします。

スピーチは、繰り返すたびに自然になってきます。基本の流れを抑えたら、特定の重要なフレーズやワードに特に注意を払うようにしてください。声の大きさやスピードを調節するといいでしょう。

パフォーマンスに力を入れていないことは、聴衆にも伝わります。「とはいえガチガチに練習したスピーチもインチキくさいのでは?」と思うかもしれません。でも、実際はそうではありません。演技とは、練習の積み重ね。たとえ個人的なスピーチでも、入念に計画したパフォーマンスが必要なのです。

感極まって泣く場合でも、完全に迷子にならないようにしてください(このように計画しておくことで、スピーチが思ったより受けないときにも、やけくそにならずに品位をもって終わらせることができるという効果もあります)。

友達が許してくれる範囲で、パフォーマンスの練習も見てもらいましょう。他人からのフィードバックはとても重要です。録音したり、鏡の前で練習したりする必要はありません。

覚える


この時点で、すでにスピーチを覚えはじめていると思います。あなたはオプラさんではないので、アメリカの人種や性差別をテーマにした何章にも及ぶ10分間のスピーチを覚えることはできないかもしれません。ですから、メモを持ち込むのは構いません。それを読むのではなく、ガイドとして使うことで、スピーチをちゃんと自分のものにすることができるはずです。

聴衆は、あなたの顔を見たいはず。声を聞きたいはず。でも、あなたが常にメモを見ていては、そのどちらも叶いません。顔を下に向けていては、演壇に向かってしゃべっているのと変わらないのです。顔を上げて、しっかり声を届けてください。

記憶するといっても、特定の言葉を絶対的に守らなければいけないわけではありません。必要な言葉をすべて頭に収めておき、状況に合わせてアドリブで繰り出すのです。

メモを持ち込む


メモは、なくても構いません(その場合、当日に通しで2回は練習しましょう)。メモを持ち込むなら、インデックスカードのサイズに収めてください。持ったまま手を動かしたとき、インデックスカードであれば、紙よりも目立ちません。

メモは、全体のアウトラインである必要はありません。覚えるのに苦労した特定のパートだけでもいいでしょう。あくまでも、記憶の補助として使うのです。朗読ではないので、書いたものをそのまま読み上げるのはNGです。短いメモほど、視線を落とす回数を減らせます。

スマホを見ながらのスピーチは絶対にやめてください。印刷するか、書きましょう。

人前で話すコツは全部やる


自分のペースで。自信を持って。セリフの失敗や間違いをしても謝らない(泣くときに謝るのはキュートなのでOK)。

アイコンタクトをする3人を決める。
  1. 親友、または乾杯の挨拶の場合は祝辞を述べる相手
  2. スピーチを楽しんでいそうな1人
  3. 後方の1人

スピーチの終わりがわかりにくい場合は、最後に「ありがとうございました」と付け足します。拍手が起こったら、3から10秒その場にとどまったのち、鳴りやむ前に退場してください。拍手が完全に収まる前に、ホストまたは次のスピーカーが壇に登ることになります。

Image: NBC/YouTube

Source: YouTube

Nick Douglas - Lifehacker US[原文

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