2018年に作られる米国ドラマは500本超え!?町山智浩が宣言「テレビの視聴形態が完全に変わりました」

Movie Walker

2018/1/30 17:32

ワーナー・ブラザースホームエンターテイメントによる2018 年ワーナー海外TVシリーズラインナップ発表会&セミナーが、1月30日にワーナー・ブラザース映画試写室で開催。セミナーでは映画評論家の町山智浩が登壇し、爆発的に増えているというアメリカのドラマ市場をレクチャーし「テレビの視聴形態が完全に変わりました」と語った。

町山氏によると、2017年にアメリカで制作された新作ドラマの数は487本だという!「ものすごい数で、誰も全部観てません。エミー賞とかゴールデングローブ賞とか、テレビドラマに与える賞がありますが、審査員は誰も全部観てないからいい加減なものです」と苦笑いした。

新作ドラマの数は、2012年から5年間の増加率で670%と、7倍近く増えていると言う。「2018年は500本を超えると言われています! 487本のうち地上波のドラマが153本で、これはそんなに増えてません。ケーブルテレビが175本で一番多く、ワーナーさんがもっているHBOという有料チャンネルが42本、他はNetflix、Amazon、Huluなどのオンラインドラマが117本。しかも1本についてエピソードがそれぞれ12~13話とかあるからすごい量になります」。

アメリカでは“ピークTV”という言葉を使っているそうで「テレビ史上、最高のドラマ数になるだろうと言われてますが、そのピークが落ちない。上がる一方なんです」と町山氏は驚きを隠せない。制作費もどんどん膨れ上がっているそうで、町山氏はHBO発の大ヒットドラマ『ウエストワールド』と、邦画の予算を比べていく。

「邦画の制作費は、スターを使った、大作ではない中堅映画の予算で5億円くらい。いろんな特撮やアクションなど制作費がかかるものでも10億円前後です。ところが現在、『ウエストワールド』は10話で制作費が100億円、1本あたり10億円。日本の大手が作る超大作映画の限界を1本で軽く超えてしまう。大変な時代になっています」。

『ウエストワールド』は、J.J.エイブラムス、クリストファー・ノーランの弟で脚本家のジョナサン・ノーラン、妻のリサ・ジョイら製作総指揮によるSF超大作だ。

「なんと1200万人が観たという回があり、記録を作りました。すごい数です。たとえばピクサーの『カーズ』レベルの大ヒットで3000万人。大人も子どもも家族連れで観てだいたいそのくらいです。HBOは大人しか観てなくて、しかもお金を払って観るドラマ。会員数も多くないのに1200万人なんですよ!」。

ドラマ市場が爆発的に膨れ上がった背景について町山は「原因の1つは、テレビを持たない人が増えたから」と指摘する。「そのことでドラマの視聴者が増えたりします。今は家族バラバラでドラマを観ますし、通勤電車など、どこでもスマホで観ることができる。テレビの視聴形態が完全に変わりました。よって放送時間も意味をもたなくなっていて、“ゴールデン(タイム)”というものは、もうアメリカでは存在しません」。

さらに「法律や放送局の自主規制などもほとんど無意味化している」とのこと。「それらを突破したのがHBO。いままでテレビでは観ることができなかったものが観れる。“FUCK”も使えるし、おっぱいも出していいし、血まみれもやっていい。オンラインのドラマはお金を払って観るから、文句は言われないし、通信法や放送法にひっかからないし、スポンサーもいない。コンテンツがものすごく自由になっている」と熱弁をふるった。(Movie Walker・取材・文/山崎 伸子)

https://news.walkerplus.com/article/135716/

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