乗客ショック! バス運転手“ながらスマホ”で高速道路を走行(英)

乗客の命を預かる仕事に従事する者は、その責任を背負うことを日々意識しなければならないはずである。しかしあるバスの運転手は、乗客への危険を顧みず運転中にスマホ操作をするという行為に出た。乗客のひとりがこれを撮影したことでバス会社が調査に乗り出し、今月に英ウェールズでこの運転手の裁判が行われた。英メディア『Metro』『Daily Post』などが伝えている。

昨年7月、長距離バスを使ってイギリスからクロアチアへの10日間の旅に出たウェールズのスランゲヴニに暮らすウィリアム・ジョーンズさんは、バス運転手がとった行為の苦情をバス会社に申し立てた。

ウェールズのカーナヴォン拠点のバス会社「Arvonia Coaches(アルボニア・コーチ)」の長距離バスにはその日、28人の乗客が乗っており満席だった。運転手ショーン・デイビス(51歳)は雨が降るドイツ内の2車線高速道路を時速96.5kmで走行中、スマホをハンドルの上に置き、操作し始めたのだ。

デイビスはスマホを使って事務処理をしていたようだが、もちろんこの行為は危険極まりない。妻と一番前の座席に座っていたジョーンズさんは、デイビスの行為に気付き録画することにした。映像にはフロントミラーに映ったデイビスがハンドルの上でスマホを操作する姿や走行速度を示したダッシュボードが収められているが、高速道路を走行中であるにもかかわらず、ちらりと前を見るだけでデイビスの視線はスマホに注がれている。ジョーンズさんは、この運転手としてあるまじき行為以外にも、デイビスが問題ある行動を取っていたことを昨年10月に『Daily Post』で話している。

「英仏海峡トンネルへ向かう途中でも、前の車と非常に近い距離で運転していました。実際にバスは小型トラックと接触して、バスの運転手側のサイドミラーが歪んだのです。運転手はバスを高速道路の脇へ寄せて、何が起こったか説明し、私たち乗客に『あの運転手が悪い』と言っていました。帰りの道では道路がとても混んでいたので、運転手はナビを使って別のルートを探したようです。ですがその道は狭い田舎道で、行き当たった低い橋は車高制限が4メートルで3トンの重量制限もありました。15トン超えのバスが橋を通ることは許されるはずがありません。それでも運転手は通過しようとしたのです。」

こうした行為から、ジョーンズさんはデイビスの走行マナーを注視するようになった。そして走行中にスマホを操作するという行為にも出たため、ジョーンズさんはデイビスに録画した映像を見せて苦情を伝えた。するとデイビスは「バスから降ろすぞ!」と怒鳴ったという。

ジョーンズさんは帰宅してすぐにバス会社に連絡し、後日会社にも出向いた。乗客全員へ謝罪の手紙を送付するようにバス会社側に要請したが、そうした手紙は一切受け取っていないとジョーンズさんは話している。

しかしその後、Arvonia Coachesでは徹底した内部調査が行われ、今年1月26日にデイビスはウェルシュプールの法廷審問で審問に参加した交通局のニック・ジョーンズ氏に「走行中のスマホ操作は紛れもない事実」と認めた。さらに「28年間この業界で働いてきたが、今回自分のしたことをとても後悔し、恥じている。会社にも迷惑をかけたことをとても申し訳なく思っている」と反省を口にした。しかしスマホを見ていたのは「2秒ほどの間」と主張したため、ニック氏は「運転中なのだからあるまじき行為であることに変わりはない」とデイビスの言い分を一蹴した。

デイビスがArvonia Coachesで勤務した期間は14年にわたるが、現在は免許取り消し処分を受け、12か月間は新たに免許を申請することも不可能となっている。Arvonia Coachesの弁護人ローラ・ハドジックさんは「この出来事が捉えられた時点では、雇用契約書にはスマホの規制について書かれてはいなかった。しかしこの事件をきっかけにスマホのポリシーについてきちんと文書化し、契約時に確認するようにしている」と述べている。ツアービジネスを展開する家族経営のArvonia Coaches社は、これまで大きな事故を起こしたこともなくその評判もいいことから、交通局は今回は公式警告のみに留まった。

イギリスでは昨年3月に「運転中のスマホ操作は免許剥奪の可能性あり」という厳しい道路交通法の改正が行われたが、それでも“ながらスマホ”や飲酒運転は絶えない。このニュースを知った人からは、「多くの乗客の命を預かっているんだから“ながらスマホ”なんて言語道断」「子供を連れて乗っていたら私だったらバスを止めさせて降りるわ」「解雇されて当然」「トラック運転手がスマホ操作っていうニュースはよく見るけど、バスの運転手で乗客がいるのにこれはないだろう」「動画に収めず999すればいいのに」「こんな無責任で身勝手な運転手にはもっと厳しい処罰を与えるべき」といった声があがっている。

画像は『Metro 2018年1月28日付「Shocked passengers film coach driver using his phone on the motorway」(Picture: Wales News Service)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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