【不登校】原因は、意外なところに!? 専門家に聞く、見直したい「親子と夫婦のコミュニケーション」

ウレぴあ総研

2018/1/30 06:30

子どもが不登校になると、「いじめがあったのでは?」「先生と合わないのかな?」「勉強についていけてないんじゃないか?」など、いろいろ理由を考えますよね。

しかし、子どもの不登校は、学校での人間関係や勉強の問題は表面的な理由で、子どもも親もまったく意識していなかったところに原因が潜んでいる場合も、多々あると言います。

それはいったい、どのようなことなのでしょうか?

一般社団法人不登校支援センターのカウンセラー、桒原航大さんにお話を伺いました。

■不登校は、家族間の問題が表れたものである場合も

子どもに学校に行きたくない理由を尋ねると、「人間関係がしんどい」「勉強についていけない」「学校がおもしろくない」「行かなければならないのは分かっているけど、体がついていかない」など、いろいろ理由を話し出すでしょう。

当センターを訪れる方にカウンセリングを進めていくと、子どもが述べるこれらの理由は、表面的だったり、ほんのきっかけに過ぎず、本当は、本人も親もまったく気づいていない問題によるものだったりすることが、ときにあります。

過去に、息子さんの不登校でカウンセリングに来られた親子がいました。

何度かカウンセリングを進めていくうちに、そのご家族の夫婦の関係性があまり良くないことが分かってきました。父親が「別居する」と言って、家を出ていく寸前だったそうです。

そのタイミングで、息子さんは不登校になりました。そうなると、父親は家を出るわけにもいかなくなりました。

「自分が学校に行かなくなれば、父親は出ていかなくなる」・・・息子さんはその後、不登校という行動を取り続けました。そうすることで、父親を家に引き留めていたのです。

このことは、息子さん自身はまったく無意識で取っていた行動でした。

家族心理学の観点から言うと、夫婦間や家族間の関係性のひずみは、形を変えて子どもに表れることがあります。不登校も、そのひとつです。

今はこうして不登校児とそのご家族のカウンセリングをしている私自身、実は中学生のときに不登校になりました。

きっかけは、「冬休みの宿題で、やり忘れていたものがあった」・・・たったこれだけの理由です。

当時、私は「真面目な生徒」と周りから思われていました。そして、私自身もそうあらねばならないという思いが強くありました。「そんな自分が宿題をやり忘れていたなんて、周りからどう思われるだろう?」こう考えると、怖くて学校に行けなくなったのです。

そして、私の両親は自営業をしており、とても忙しくしていました。弟も2人いるので、私たちを育てていくために本当に一生懸命仕事をしていたのだと思うのですが、あまり目をかけてもらっておらず、どれだけ真面目にがんばっていても、ほめてもらえない、そんな寂しさを感じていたのだと思います。

今思えば、私は、不登校という行動を取ることで、両親の気を引きたかった、気にかけてほしかったのだということが、よく分かります。

不登校は、「真面目な生徒というレッテルを持たれ続ける(持ち続ける)のはもう苦しい」「両親に自分のことを分かってほしい」という、私なりのSOSのサインだったのです。

■不登校の解決のために・・・見直しておきたい親子と夫婦のコミュニケーション

子どもの不登校を解決するには、表面的なものだけを見て考えるのではなく、夫婦や親子のコミュニケーションを見直すことも必要なのですね。

では、どのようなコミュニケーションを取ればいいのでしょう?お話を伺いました。

■1.家族や夫婦の問題に目を向ける

「兄弟の中で、あの子ひとりにだけ責任や期待を押し付けて苦しめていないか?」

「夫婦の問題で不安にさせていないか?」

「祖父母と私たちの間の問題で苦しめていないか?」

・・・など、家族や夫婦の間で、子どもにとってなにかストレスになっている事柄はないかを、振り返って考えてみましょう。

たとえば、夫婦間に諍いや問題が起きると、子どもは「自分のせいだ」と無意識にそう捉えます。

夫婦間になにか問題があるときは、「子どもには関係のないことだから」と考え、子どもを問題から無視するのではなく、夫婦の間のことで子どもに不安にさせていることはないかを聞いてみましょう。

そして、「夫婦の間に何があっても、お父さんもお母さんもあなたのことを大切に思っている」ということは伝えてあげてほしいと思います。

■2. 夫婦間の方針を一致させる

夫婦間ですべての考えが一致しないのは当たり前のことだと思います。しかし、こと重要な事柄に関しては、普段から話し合い、方針を一致しておくことは大切です。

不登校に関する考え方もそうです。

母親と父親で言うことが違うと、子どもは混乱し、どちらの言うことを聞けばいいのか分からなくなります。

子どもが混乱しないよう、夫婦ともに不登校に関する知識を深め、どういう方針で不登校に向き合うのか?を一致させておきましょう。

■3.「ちゃんと見ているよ」「大切に思っているよ」ということを子どもに伝える

自分は愛されている、両親がいつも関心を向けてくれている、と思うと、子どもは安心感を得て、外の世界に向かう勇気が持てるようになります。

忙しくても親子の会話は大切にして、子どもに「自分は愛されている」ということを常に実感させてあげましょう。

また、できていないことを責めるのではなく、できている面や良いところに目を向けて、プラスの声掛けをしてあげることも、子どもの自己肯定感を育む上でとても大切です。

■まとめ

家族のひずみや問題というのは、渦中にいるとなかなか捉えづらいもの。そして、夫婦や親子は、近くにいるからこそ、素直に本音を言い合えないということもありますよね。

もし、今子どもの不登校に悩んでいて、いろいろ考えても解決しない場合は、今回お話をお伺いした不登校支援センターのカウンセラーの方々の力を借りて、客観的に夫婦や家族の問題について見つめてみる機会を持つというのも、とても有効な手立てになるのではないでしょうか。

【取材協力】桒原航大 くわばら こうだい

一般社団法人不登校支援センター理事。教育大学で発達臨床コース生徒指導総合分野を専攻し、道徳性の認知発達について学ぶ。

小学生から大学生まで様々な年齢の生徒へ向けた自立支援活動や、職員の研修・育成、また講演会などでも活躍。

一般社団法人 不登校支援センター ホームページ ・ カウンセラーブログ

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