「風間さんと相撲を取る場面は、子どもに返ったようで楽しかったです」平田満(大久保次右衛門)【「西郷どん」インタビュー】

テレビファン

2018/1/29 14:55


 序盤から波乱の展開を見せる大河ドラマ「西郷どん」。第4回では、薩摩藩のお家騒動“お由羅騒動”に巻き込まれて切腹した赤山靭負(ゆきえ・沢村一樹)に続き、大久保正助(瑛太)の父・次右衛門が島流しの処分となった。次右衛門を演じる平田満が、撮影の舞台裏や、話題となっている風間杜夫、松坂慶子との『蒲田行進曲』(82)トリオの再共演などについて語ってくれた。

-大久保次右衛門という人物をどのように捉えていますか。

のんびりしているように見えますが、実は島流しに遭うなど、幕末の政治運動の渦中で一生懸命生きていた人です。西郷家と大久保家は実際に家が近かったそうですが、今回は向かい合わせという設定になっています。(西郷)吉之助や正助を含め、子どもたちを大人がみんなで育てるという、古き良き時代の大家族のようなところはとても共感できました。

-“お由羅騒動”に巻き込まれて、次右衛門は島流しになりましたが、演じてみた感想は?

現代に生きている僕にはなかなか想像しづらいですが、お家騒動というのはどこにでもあった話なので、常に覚悟は決めていたんだろうなという気がします。(次右衛門は)半農半武士のような生活を送っていましたが、侍の心は持っていた。だから、連れていかれるときも、罪人という意識ではなく、「そういう運命なんだ」と覚悟していたのだろうと。

-平田さんはこれまで幕末を題材にした作品に数多く出演されてきましたが、今回の西郷、大久保の特徴をどんなところに感じますか。

まだ幕末の騒乱の時代になっていないこともありますが、西郷も大久保も、教科書に載っている歴史上の偉人というよりは、その時代を生きた身近な若者という印象です。ちょっと応援したくなりますね。今までも人間的な魅力は描かれてきましたが、より血の通った存在に感じます。

-西郷吉之助役の鈴木亮平さん、大久保正助役の瑛太さんの印象はいかがでしょうか。

それぞれ何度か共演したことがありますが、若いながらもかなりのキャリアを積んでいるし、余裕もありつつ、まだまだ新鮮さもあって、魅力的ですよね。亮平くんは体がたくましくなる一方で、親しみやすい性格で人を引きつける魅力もありますから、西郷隆盛にどんどん近づいているような気がします。瑛太くんはこれからも内面的な表現の多いつらい役どころが続くと思いますが、その反面、切なさが見えたりもするので、彼の良さが出ています。これから大人になるにつれて、さらに深みを増していく2人の関係が楽しみです。

-風間杜夫さん、松坂慶子さんとの“『蒲田行進曲』トリオ”の共演が話題ですが、久しぶりに3人がそろった感想は?

自分でやろうと思ってもできることではありませんから、こういう機会を作ってくださって、本当にうれしかったです。物語的にもまだ追い込まれた感じはなくて、笑い声の絶えない楽しい現場ですし。風間さんは知り合ってからもう長いですが、人柄そのままで吉兵衛になっていました。松坂さんは久しぶりでしたが、やっぱり全然変わりません。おっとりしていながら、そこはかとないユーモアをお持ちで、いつもリラックスできます。

-当時を思い出すようなことは?

お二人のご活躍を常に拝見しているので、何十年もたった気がしません。時間がたって改まった関係になるようなこともなく、昔と変わらずにお話しできましたし。3人とも健康に不安を抱えたり、事故などでブランクがあったりすることもなく、元気なこともうれしかったです。自分では意識していませんが、よく考えたら、3人ともそろそろいい年ですから。それでもこうやって元気に仕事を続けていられるのは、幸せなことです。できれば、もう一度でも二度でも、同じようにご一緒したいです。

-ここまで、3人で撮影して印象的だったことは?

西郷家と大久保家のセットでは、手前を撮影しているときに、奥の方で何かの作業をしているような場面が多かったので、常に一緒にいるような感じでした。後はやっぱり、島流しになる前に風間さんと相撲を取る場面でしょうか。

-相撲の場面は心に残りました。

風間さんと相撲を取ったのは初めてですが、みんなが応援する中でやったので、子どもに返ったようで楽しかったです。撮影では何度も同じ場面を繰り返すのですが、僕が勝つ筋書きだったので、風間さんには何度も転んでもらいました。風間さんも、ちゃんと負けてくれるんだなと(笑)。先輩に悪いと思いましたが、僕は子どもの頃に相撲部だったので、どういうふうに組んで、どうしようか、みたいなことはアドバイスさせていただきました。その都度、松坂さんが、風間さんではなく僕を応援してくれたのも気持ち良かったです(笑)。

-中園ミホさんの脚本の魅力は?

登場人物みんなに心配りが行き届いています。鹿児島といえば“薩摩隼人”ですが、(原作者の)林(真理子)さんと中園さんのお二人が書く薩摩隼人は、常に正義があるわけではなく、時には失敗もする。そういうところをかわいらしいと思って、愛しているような気がします。その辺は、男性にはなかなか書けない部分だと思います。僕と風間さんの相撲の場面なんかも、普通だったら「この年で、よせやい」となるところですが、それをさせてしまうあたりがかわいいですよね。

-発表会見の時、「大河ドラマに最初から出るのは初めてなのでうれしい」とおっしゃっていましたが、実際に出演した感想は?

最初から出ると、ご祝儀のようなおめでたさがありますよね。お正月になると必ずテレビに出てくる芸人さんみたいで(笑)。初めて大河に出演した時、途中から最後まで出たのですが、どんどん人がいなくなるので、寂しいんです。最後は5、6人で「あの人は死んだ、この人も死んだ」という話ばかりしていて(苦笑)。最後は1人で死ぬ結末だったので、「絶対に最初から出る方がいいな」と思って。ようやく、念願がかないました(笑)。

(取材・文/井上健一)

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