「ディアウォール」や「ウォリスト」でテレビラックをDIY!

暮らしニスタ

2018/1/29 09:00


2×4材で柱や棚が作れる「ディアウォール」や「ウォリスト」。手軽なDIYで壁面収納やウォールデコができるとあって、人気沸騰中のアイテムです。「ディアウォールが気になる」人の中でも「テレビやAV用のラックを作りたい!」というリクエストにおこたえして――「ディアウォール」などの突っ張りシステムの基本と、テレビ収納用シェルフの作り方をレクチャーします。

「ディアウォール」ってどんなもの?





「ディアウォール」は、2×4(ツーバイフォー)住宅の構造用木材「2×4材」をはめ込んで、天井と床の間に突っ張らせ、壁に柱を作ることができるパーツ。専用の棚受けパーツを使って、手軽に棚を作ったり、ウォールデコレーションが楽しめます。「ディアウォール」は商品名ですが、このパーツやシステムについての一般名称のように使われています。


「ディアウォール」が発売されたのは10年近く前。数年間はひっそりと販売されていましたが、昨今のDIYブームで一気に注目が集まり、同じ機能を持つ「ラブリコ」や進化系の「ウォリスト」などが、続々デビュー。

「ディアウォール」「ラブリコ」「ウォリスト」素材&機能比較



「ディアウォール」「ラブリコ」がばねの力で突っ張るのに対し、「ウォリスト」はばねとジャッキの力で突っ張る仕組み。また、「ウォリスト」は2×4材を4本までまとめて使えるので、しっかりとした棚や収納には「ウォリスト」が向いていると言えます。

価格は、「ディアウォール」「ラブリコ」「ウォリスト」ともに1つのパーツが800~1,500円程度(柱用システム1本分/棚受けともに・税抜)です。

「ラブリコ」は公式オンラインショップで、2×4材とのセット販売や豊富なカラーラインナップ、2×4材用の壁紙なども扱っているので、DIY初心者やウォールデコレーションとして楽しみたい人におすすめできそうです。

「2×4材」って何?



2×4材は、2×4(ツーバイフォー)住宅用に規格化された木材。「厚み」と「幅」が「インチ」(欧米の長さの単位)で表され、1インチと2インチの2種類の厚みがあり、それぞれ「1×材(ワンバイ材)」「2×材(ツーバイ材)」と呼ばれています。幅は2インチ~10インチまでさまざまなサイズがありますが、“突っ張り柱”に使うのは、主に4インチのもの。2×4材と1×4材です。

1インチ=2.54㎝ですが、木を切り出した後に乾燥させると約0.5インチ分縮むなどの理由で、流通しているものは上記のサイズになります。

建築物の構造部分に使う「構造材」なので丈夫なうえに、研磨&面取りされていて表面がなめらか。ねじ打ちや切削(せっさく)、塗装などの加工もしやすく、木工DIYの材料としても注目され、近ごろはステインや塗料で着色した「2×材」も見かけるようになりました。成長の早い「SPF材」を使って大量生産されているので、安価なのも人気の理由。ホームセンターや通販などで、手軽に入手できます。

※SPFはSpruce(スプルース/とうひ)、Pine(パイン/松)、Fir(ファー/もみの木)の総称。加工しやすく建築に適した樹種で、主にアメリカ、カナダが原産。

ディアウォールでテレビを壁掛けして平気?



ディアウォールなどの突っ張りシステムを使うと、手軽に柱が立てられるので、壁掛けテレビにしたり、板を貼って壁を作ったり……と、夢は広がります。SNSやブログで、壁掛けテレビの柱に使っているDIYを見かけますが、じつはこれ、とっても危険な使い方。

■なぜ、ディアウォールでテレビを壁掛けしたらいけないの?



2×4材を使うので、一見しっかりとした柱に見えますが、構造はあくまで突っ張り棒。最初の頃はしっかり支えていた突っ張り棒が、月日を重ねるごとにゆるんできたという経験はありませんか? 特に危険なのが、柱より前に荷重がかかる使い方。柱の前面に棚板をつけたり、壁掛けテレビにする使い方が、まさにこれにあたります。柱より前に荷重が加わると、少しずつ前に引っ張られる状態になり、転倒しやすくなるのです。

要注意! ディアウォールの危険な使い方


■【危険①】柱より奥行きのある棚



柱の奥行きに収まる荷重は下に向かいますが、柱からはみ出た部分に荷重がかかるとその方向に引っ張られ、転倒につながります。2×4材の柱の場合奥行きは約9㎝なので、棚の奥行きもそれ以内に収めるようにしましょう。

■【危険②】柱の前面に棚やテレビを設置する使い方



柱より前に荷重がかかると、常に前に引っ張られている状態になり、転倒につながります。柱の前面に棚をつけたり、柱を壁掛けテレビの支柱にしたり、壁を作ったりする使い方は危険なのでやめましょう。

飾るものが軽ければ、前面に取りつけるのが可能な場合も。その際は、確実に天井に土台が入っている場所に配置し、メーカーの耐荷重を目安に、週に1回程度、必ず「突っ張りシステム」がしっかり固定されているかどうかを確認しましょう。

■【危険③】部屋の間仕切りに使うこと



天井には根太(ねだ/土台)のある場所とない場所があり、土台がない場所は「突っ張り力」がきちんと働きません。部屋の周囲(壁側)には土台が入っているので壁面に使うように。壁面以外は土台が入っていない場所が多いため、パーテーションとして使うのは危険です。

部屋の周囲であっても、部屋と部屋の境目など、背面に壁のない場所で使うのは危険です。壁や柱のように見えるとつい、つかまったり、寄りかかったりしがち。子どもが出入りする場所では特に、注意しましょう。

「ウォリスト」なら、テレビを壁掛けできる!?


■2×4材を束ねて柱に。壁掛けテレビも安全設置



「ウォリスト」は専用の金具で2×4材を4本まで束ねて使うことができるため、奥行きが最大で35.6㎝に。また、ばね&金属製のジャッキで突っ張ることで、よりしっかりと固定されます。

<2×4材を束ねたときの奥行き>
1本で使うと:奥行き 8.9㎝
2本束ねると:奥行き17.8㎝
3本束ねると:奥行き26.7㎝
4本束ねると:奥行き35.6㎝

■専用金具で、壁掛けテレビも夢じゃない!



「ウォリスト」のパーツシリーズには棚に設置して使う「テレビ壁掛け金具」もラインナップ。32~52インチのテレビに対応し、大型テレビもOK! ●5,490円(税抜)/和気産業 
※2018年1月現在の参考価格です

※棚の枠内に設置することが使用条件。
※市販の「テレビ用壁掛け金具」を使うことも可能。

「ウォリスト」でテレビ用シェルフ作りに挑戦


■「ウォリスト」のプロ! メーカー担当者に教えてもらいました



「ウォリスト」を使った棚の作り方を、「ウォリスト」を開発したDIYの老舗商社、和気産業/企画部の河西清一さん、垣見直樹さんに教えてもらいました。自社主催のワークショップやホームセンターを経由して届くユーザーの声をもとに開発された「ウォリスト」は、DIYファンが今一番注目しているアイテム。
「だれでも簡単に使用できるように作ったので、特にお教えすることはないです(笑)」というお2人でしたが、ちょっとしたコツや安全に設置する方法と合わせて、作り方プロセスを教えてくださいました。

組み立てに必要な道具


■基本の道具



(あ)定規 
材料の長さを測って、ねじ(ビス)を打つ位置やカットする場所を決めるときに欠かせない道具。もちろん普段使っている定規を使ってもOKですが、直角に折れた金属製の定規(さしがね)は角度を正確に測ったり、線を平行・垂直に引くときに便利。200~300円で購入できるので、そろえておきたい道具です。

(い)巻き尺(メジャー)
床から天井までの高さを測るときに使う道具。一般的な住宅であれば、3mくらいまで測れるものがあれば問題ないでしょう。

(う)鉛筆
ねじを打つ位置や木材をカットする場所などに、印をつけるときに使います。

(え)電動ドライバー(またはドライバー)
ねじ(ビス)を回転させて固定するための道具。手動のドライバーは力が必要で、何本もねじをとめるのは想像以上に重労働。できれば電動ドライバーがあると◎。

■あると便利な道具



(お)ドリルビット
ねじの下穴をあけるために使うドリル状の金具。(え)の電動工具にセットして使います。(先端のドライバー部分と交換して使う)。下穴をあけることで、ねじが曲がって入ったり、木材が割れることを防ぎます。

■【電動ドライバーは必要?】



手動のドライバーでねじを締めるのは、思っている以上に重労働。「2~3本ねじを締めたら手が痛くなって、くじけてしまった」という経験談もよく耳にします。

電動ドライバーならば力を使わず、あっという間にねじ締めができるので、DIY初心者こそ揃えたい道具です。先端の金具をつけ替えてドリルとして使うこともできるので、ねじの下穴をあけるのも簡単。充電式やパワーの大きいものは値段も高くなりますが、最初のうちは手頃なものでも十分。2,000~3,000円で入手できるので、購入を検討してみては?

最近では、電動ドリルドライバーに強力な打撃力がそなわったインパクトドライバーを使いこなすDIY女子も急増中。長いねじをスピーディに打つことができ、金属、コンクリートなどにも使えるプロユースの道具ですが、使いこなせばDIYの世界がぐっと広がります。

“突っ張り柱“を使ってテレビ用シェルフを作る



「ウォリスト」を使ったテレビやAV機器がまるっと収納できるシェルフの作り方をレクチャー。今回は、24インチのテレビを置くことを想定したサイズで作りました。

■【材料】(仕上がりサイズ:高さ約195㎝×幅94㎝×奥行き約27㎝の場合)



※2×4材を3本束ねて使用
A 補強板(1×4材)86㎝……2枚
B 棚板(2×4材)86㎝……9枚
C 柱用板(2×4材)189㎝……6枚
D 束ねる金具(2×4材 3枚用)……4個
E キズ・ズレ防止用シート……4枚
F 突っ張りジャッキ(専用ねじつき)……2個
G 棚受け金具(2×4材 3枚用)……6個
H 補強金具 エンド(両端用)……4個
I ねじ(ウォリスト用「2×4材用タッピングねじ」または 4×30㎜のねじ)……48本
J ねじ(ウォリスト用「1×4材用タッピングねじ」または 4×16㎜のねじ)……16本

■【作り方】



■1 設置する場所の高さを測る



a 設置する場所の高さを測り、その寸法から6㎝マイナスした長さで柱用の2×4材を用意。
※計測の精度に自信がないときは、余裕をもって7~8㎝マイナスしておくとよいでしょう。ジャッキで締めるので、多少の誤差は気にしなくてもOK。
b 壁の棚板を取りつけたい位置(高さ)にマスキングテープなどを貼ってマーキングする。
c bで印をつけた位置の高さを測っておく。

■2 柱を作る



d 「柱用の2×4材」を3本ずつまとめ、上下に「束ねる金具」をあてがい「2×4用のタッピングねじ」で固定。
※ねじが打ちにくいと感じたら、電動ドリルで下穴をあけるとスムーズに打てるようになります(以下、ねじ打ち箇所はすべて同様)。
e dでまとめた柱の木目の表情などを見て、上下、内側・外側の方向を決める。
f eで決めた配置をもとに、柱の上部奥になる位置にそれぞれ「突っ張りジャッキ」を付属のねじで固定する。
g 柱の底に「キズ・ズレ防止シート」を2枚ずつ貼る。

■3 棚板、補強板をつける



h 「棚板用の2×4材」を3枚ずつまとめ、「2×4材用タッピングねじ」で「棚受け金具」に固定し、cで測った柱材の“棚をつけたい位置”を目安に「2×4材用タッピングねじ」で固定。
i 「補強用の1×4材」2枚をそれぞれ「1×4材用タッピングねじ」で「補強金具」に固定し、hの上・下各10~15㎝の位置に、同じく「1×4材用タッピングねじ」で固定する。

■4 設置する



j 設置する壁面の前に、起こしたときに上下左右が正しくなる向きで i を置く。
k 両側を持ち、ゆっくりと起こす。
l しっかり壁面に接するように位置を調節し、「突っ張りジャッキ」のねじを締めて固定する。
m 棚が完成。今回は、テレビを置いたり、ハンガーラックつきの衣類収納にアレンジできるよう、棚板を少なめに仕上げ。

■テレビ用突っ張り棚の完成!



2×4材を3本束ねた27㎝弱の奥行きは、圧迫感が出すぎずに収納力もあるサイズ感。金属のパーツでしっかり組み立てているので、AVラックにもぴったりです。今回は、24インチのテレビの幅に合わせ、幅約94㎝(内幅86㎝)で作りました。

ステインなどで着色済みの2×4材を使ったり、好みのペイントで仕上げれば、また違った雰囲気が楽しめます。ペイントする場合は、組み立てる前に塗っておくときれいに仕上がりますよ。

専用金具で「壁掛けテレビ」にする方法


■必要な材料



A 補強板(1×4材)86㎝……2枚
B 棚受け金具(1×4材 1枚用)……4個
C ねじ(ウォリスト用「1×4材用タッピングねじ」または 4×16㎜のねじ)……8本
D ねじ(ウォリスト用「2×4材用タッピングねじ」または 4×30㎜のねじ)……8本
E テレビ壁掛け金具(32~52型対応・専用ねじ付属)

※テレビのサイズが52インチ以下の場合。53インチ以上のサイズ感の場合には、木材や金具、ねじの大きさなどが変わってきます。

■テレビ壁掛け金具の取りつけ方



n 「補強板」2枚の両端に「棚受け金具」を「1×4材用タッピングねじ」で固定し、柱材の奥から3㎝の位置に、2枚の間隔を25㎝ほど開けて「2×4材用タッピングねじ」を使って固定する。高さは、取りつけるテレビの位置を確認して調節する。
o 「テレビ壁掛け金具」を同梱の説明書のとおりに設置する(補強板とテレビ背面にねじで金具を設置し、付属の調節金具で位置を調節する)。

[POINT]
テレビには背面に「壁掛け用ねじ穴」があり、ほとんどのテレビは正方形または長方形の形にねじ穴が配置されています。ウォリストの「テレビ壁掛け金具」は、正方形または長方形に配置されたねじ穴に対応しています。

■【市販の壁掛けテレビ用金具も設置できる】



市販のテレビ壁掛け金具も設置することができます。金具の形状に合わせて、1×4材や2×4材と金具をセレクトし、補強板を設置します。

■壁掛けテレビの出来上がり!



壁掛けにすることで、AV機器やスピーカーもすっきり置けるようになりました!

話題の「ディアウォール」や「ラブリコ」などの突っ張りパーツ&システムの基礎知識と「ウォリスト」で作る「壁掛けもできるテレビ棚」の作り方、参考になりましたか? 危険な使い方さえしなければ、手軽におしゃれな壁面収納が作れるすぐれもの。賃貸住宅でも設置できるので、新生活がスタートするお宅にもおすすめです!

撮影/黒澤俊宏(主婦の友社写真課)
取材・文/小沢理恵子

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