中国「一帯一路」の餌食になりつつあるベネズエラとパキスタン

まいじつ

2018/1/28 17:30

(C)Shirinkin Yevgeny / Shutterstock
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南米の産油国であるベネズエラは、経済を支える原油の生産量が昨年、28年ぶりの水準に落ち込んだ。国内石油産業の混乱は深刻で、外貨の借入金が期日を迎えても支払えず、経済危機が悪化して債務不履行に陥る恐れが高まっている。

「ベネズエラ国内は昨年のインフレ率が2600%というとんでもない状況になり、各地で反政府暴動が頻発するなど大混乱に陥りました。貧困層は日々の食べ物を手に入れるのに必死で、さらなる原油生産減少に直面すれば、ますます景気は後退し、ハイパーインフレは一段と厳しさを増すでしょう。アメリカのライス大学ベーカー研究所は『イラクで起きた軍事侵攻やソ連の体制崩壊、リビアの内戦のような事態を伴わずにこうした状況に陥ったのは理解不能だ』と経済論理の理解を超えているとの見解を発表しています」(国際ジャーナリスト)

現在のベネズエラは歴史上で最もひどい経済崩壊の部類に入るというわけだ。

「同国の最大の債権国は中国です。石油鉱区を買いあさり、巨額資金を注ぎ込んできました。現在はデフォルト(=債務不履行)を回避させるために返済繰り延べに応じているのが実情です。一方、アジアで中国は対インドをにらみ、パキスタンと軍事同盟を結んで『一帯一路』の推進のための巨大プロジェクトが進行中ですが、そのパキスタンもデフォルトの危機下にあります」(同・ジャーナリスト)

借金をさせて乗っ取るのが目的


パキスタンの南西部グアダールから新彊ウィグル自治区へは、900キロメートルに及ぶ鉄道やハイウェイ、パイプライン、そして光ファイバー網という4つの大プロジェクトが進行している。これこそ、習近平中国国家主席の唱えた経済圏構想『一帯一路』の目玉であり、『中国パキスタン経済回廊(CPEC)』と呼ばれる世紀のプロジェクトに、アジアインフラ投資銀行(AIIB)がのめり込んでいる。

「AIIBについて麻生太郎財務相は“サラ金”との見方を示しましたが、これはオブラートに包んだ表現で、本性は“暴力団金融”です。パキスタンは2016年の会計年度で明らかになったように、単年度だけの財政赤字は121億ドルに達しています。2017年度の貿易赤字は325億ドルに達し、累積対外債務は790億ドルと巨額です。でもパキスタンが倒れても借金の形に国を取ればいいだけの話なのです。現にスリランカ政府は、中国の援助で建設した南部ハンバントタ港を中国国有企業に奪われました」(同・ジャーナリスト)

中国の推し進める一帯一路は“一路乗っ取り”と同義なのだ。

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