黒柳徹子、地味にスゴい!その圧倒的な先見性と強運の陰にあるもの

OTONA SALONE

2018/1/26 21:00



芸能界は、運がいい人の巣窟ですが、とりわけ強運だなと私が思っているのが、女優・黒柳徹子(以下、テツコ)です。NHK専属テレビ女優第一号、戦後最大のベストセラーを記録した「窓際のトットちゃん」(講談社)の著者で、ユニセフ親善大使。自身がホステスを務める「徹子の部屋」(テレビ朝日系)は放送一万回を超え、ギネスブックに載るなど、輝かしい業績は目を見張るばかり。

黒柳徹子、天然&強運伝説


しかし、私がテツコを強運だなと思うのは、業績ではなく、いつも時代がテツコを追いかけていくから。「トットひとり」(新潮文庫)によると、テツコはNHKの採用試験の際、6000人の中から、16人の合格者のひとりに選ばれました。この時点で十分すごいのですが、合格の理由を「あなたがあまりに何もできなかったから」と説明されたそうです。

宝塚のトップが「入団時の成績は、下から数えたほうが早い」ということがありますが、それは優秀な人のなかでの序列でしょう。何もできないから採用されたというあたりに強運さを感じずにいられません(優秀な人、お気の毒です)。

しかし、その分、苦労もしたそうです。同書によると、エキストラの仕事は全部クビになっていたそうです。たとえば、歌手・笠置シズコが「買い物ブギ」を歌っている後ろを通り過ぎる通行人役をしたときのこと。テツコなりに考えて、あの人、魚屋さんの前でブギを歌っていると観察しながら歩いたら、演出家に「そんなことはしなくていい」と言われ、無視して早く歩きすぎたり、今度は逆に遅すぎたりして「もう帰っていいから」と言われていたそうです。

普通の人なら、ここでやめるところですが、突然「個性を尊重する時代」がやってきて、テツコがブレイク。仕事が増えても、テツコは変わりません。京都の清水寺に行ったときのこと。クリスチャンの家庭に育ち、参拝方法がわからなかったテツコは、本堂にあがりこみ、お坊さん用のフカフカの座布団にすわり、お祈りします。ついでに楽しく木魚や鉦をたたいていると、お坊さんに「そこをどいてくださいませんか?」と声をかけられます。テツコは「いいですよ、交代しましょう」と気楽に答え、あとで正しい参拝方法を知って驚いたなど(参拝の仕方を知らなくても、周りを見ればわかるだろうというツッコみは無粋です)。いついかなるときも個性的。

徹子が教える開運法とは・・・


しかし、お気楽テツコも働きすぎて過労のため、入院することになってしまいます。自分の役がたった一言のセリフで抹殺されることを知ったテツコは、「テレビは、すべてが使い捨て」と悟ってしまう。あの時代の女性なら、こういう時、結婚しようと思うはずですが、テツコに切羽詰った感じはありません。医師から「やりたい仕事だけやりなさい」というアドバイスを受け、今日までそれを守っています。演技を学ぶために、38歳でニューヨークに留学、テツコの代名詞でもある玉ねぎヘアは、ニューヨークのサロンで、ジャクリーン・ケネディーなどセレブ御用達の美容師、須賀勇介氏の国際的なセンスによって生み出されたものでした。

帰国したテツコに、大きなチャンスが舞い込みます。女性のためのニュースショーの司会です。女性がメイン司会になるのは初めてのことでしたが、製作側は「自由に生きる立場の女性から、発言してほしい」と口説かれたそうです。(「徹子の部屋」は、この番組の後に始まります)

同書を読んでいると、自由がテツコにチャンスを運んでくるように感じます。ビジネスですから、大前提としてテツコに実力があることは言うまでもありませんが、テツコを見ていると、強運の土台には自由があるのかもしれないと思うのです。なぜなら、いつの時代も人は自由を求めているから。

時代がテツコについてくるというのは、パンダや玉ねぎヘアからも推察することができます。テツコはパンダが日本にやってくる30年前からの愛好家で、ニューヨークの動物園に見に行ったそうです。「徹子の部屋」開始から変えていない玉ねぎヘアも最近なぜかブームで、多くの女性誌から作り方に関する取材が寄せられているそうです。何かブームを起こしたい方に「気長になさいませ」と伝えたい気がすると同書で述べています。これはやめないこと、とも言い換えることができるでしょう。自由を求める先駆者であり、「黒柳さんに聞いた徹子さんのこと」(祥伝社黄金文庫)によると、食べ物をよく噛まないために魚の骨がのどに詰まって、耳鼻咽喉科に三度もかつぎこまれるほどせっかちなテツコですが、人生そのものには焦らないようです。おそらく、損得勘定抜きで、心から好きなことをしているからでしょう。

徹子は黙って時代の最先端を行く


「徹子の部屋」にレディー・ガガが出演したときがありましたが、玉ねぎのような黒いドレスを着たガガを見たとき、ガガのテツコに対するリスペクトを感じたのは、私だけではないでしょう。ガガの先に、テツコがいる。テツコのインスタが女子高性に人気と聞いたことがありますが、女子高生にとってはテツコもガガも同じカテゴリなのではないでしょうか。

昨年、「VOGUE JAPAN」(コンデナスト・パブリケーションズ)が、「女性がブラジャーをつけるのが常識なんて、過去の話」とブラレスについて特集しましたが、テツコは「アメトーーク!」(テレビ朝日系)で、常にノーブラ主義であることを明かしています。こともなげにit girlの先を行くのが、テツコなのです。

テツコはスターになる運命のもと、この世に生を受けたのでしょう。一般人にテツコの真似はできないと思いますが、周囲にメリットを与えつつ、自由を積極的に選択するとき、すでに運はよくなりはじめているのではないかとも思うのです。

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