戸次重幸の“血を流す勇気が必要だった経験”とは? 映画『神と人との間』インタビュー

ウレぴあ総研

2018/1/26 10:30

文豪・谷崎潤一郎の3つの作品を原案に、現代劇にアレンジした3本の映画のシリーズ「TANIZAKI TRIBUTE」。その第1弾として1月27日に公開になるのが『神と人との間』です。

原作は、谷崎が自らの夫人を親友の作家・佐藤春夫に譲った、当時の一大スキャンダル「細君譲渡事件」をもとにしています。

映画では、これを町医者・穂積(渋川清彦)と親友の売れないマンガ家・添田(戸次重幸)のねじれた友情と、2人の間で翻弄される熱帯魚屋で働く女性・朝子(内田慈)の物語として描いています。

今回は添田を演じた戸次重幸さんに、映画の登場人物に対する想い、そして人生に変化をもたらす考え方などを伺いました。

■プライベートでは知り合いになりたくない!? 優柔不断な登場人物たち

――戸次さんは、ご自身が演じた添田という男をどう見ていましたか。

端的に言うなら自己中心的な考え方・生き方をしてきて、最後までそれを貫いていく人間です。他人に対しても、何の疑いもなく「自分がいいと思っていることは、あなたにとってもいいことでしょ」と考えている人間だと思います。

――確かにかなり特異なキャラクターで、役作りが大変だったように思いました。

誰かに対して怒っているかと思えば、そのすぐ後に泣きすがるというふうに、1シーンの中で気持ちが上がったり下がったりするような役柄だったので、撮影の最初のころは添田がなぜそういう行動をとるのか、監督に事細かに確認しながら演じさせて頂きました。

――そんな添田に虐げられ、時に挑発されながらも、なぜか友人としていつまでもつながっているのが町医者の穂積です。役を離れ、戸次さん個人としては、穂積の気持ちは理解できますか?

穂積に限らず、添田や、2人の間にいる朝子の気持ちも理解できませんでした。僕は優柔不断という言葉とは真逆のタイプなので、決断できずにずーっとウジウジしている人間の気持ちは分かりません(笑)。

――もし近くに添田や穂積のような人がいても、友だちになることはなさそうですね。

友だちにならないし、なるべく距離を置いて、視界に入らないようにします。精神衛生上、こういう人とはなるべくかかわらずに生きていきたい、そういう人に私はなりたい(笑)。

■勇気ある決断をすることが人生を変える

――そんな不思議な関係の2人の間で揺れ動く朝子の恋愛はどう感じましたか?

朝子もダメな人間だと思います。いつまでも心を決められず、行動もできない依存体質な女性は好きではないですね。自分で重要な決断ができないくせに現状に文句ばっかり言ってる人、個人的には苦手です(笑)。

――現実の生活の中では、会社を辞めたいと言いつつも同じ職場で働き続けている人や、恋人に不満を感じながらなかなか別れられない人もいます。

現状を打破したいなら、一握りの勇気、血を流す勇気っていうのは必要だと思います。僕はプライベートの中で血を流して来たので、そういう人を見るとやりきれない思いがします。

――戸次さんが血を流す勇気が必要だった経験には、例えばどんなことがあったか教えていただけますか。

北海道で活動していた時代の所属事務所から今の事務所に移るときですね。大きな決断でしたが、あの勇気がなければ今のような状況にはなっていなかったと思います。

■TEAM NACSのメンバーに出会えた幸運に感謝し、成長できた

――映画の話に戻りますが、朝子のように恋愛で失敗をしないためにも勇気は必要ですね。

ええ。それと、出会いをひっくるめた「運」も大事にしなければならないと思います。

運というのは自分の意思だけではどうにもなりませんが、少しでも「これは運がいいぞ」と思ったとき、それをきちんと意識して大事にするか、何も考えずに過ごすかは大きく違うと思います。

――なるほど。

幸運が巡ってきたと意識すれば、そこには感謝の念が芽生えるじゃないですか。でも普段の生活の延長だと思っちゃうと、後ですごいしっぺ返しを食いそうな気がするんですよね。

もし女性が、「いい男性と出会えたな」と思ったら、自分にできることを100パーセントすべてやる。もっともっと好きになってもらうことをしていく。男女が逆の場合でもそうです。その出会いを当然のことだと思っていたら、相手は離れていってしまうかもしれない。そんな気がします。

――戸次さんが幸運を意識した出来事にはどんなことがありますか?

大学時代、TEAM NACSの連中に出会えたことは、幸運ですよね。中でも大泉洋というメンバーがいたことは強運だったと思います。

5人でやる舞台やテレビ番組も「俺たち運がいいなあ」と思いながらやってきた。そう思わずに当たり前のこととしてやってたら、5人に成長はなかったと思うんです。そういう状況の中で自分ができることを100パーセントやらなければならないし、そして、この先間違った選択をしちゃいけないぞ、と。

我々は舞い込んできた幸運を意識しながら活動してきましたし、そういう環境の中にいることを今でも感謝しています。

――そうですか。では最後に読者の皆さんに一言お願いします。

もし現状に不満を抱いている人がいたら、この作品を是非見てください。そこに出てくる人間たちは皆さんよりもっとダメな人間です。この登場人物たちに比べたらマシだ、そう思えるし、元気や活力を得ていただけると思います!

――女性には朝子に注目して見てもらうといいですね。

自分と比べて朝子はどうなのかという視点で見てもらいたいですね。いろんな意味で、この作品を見た後、もしかしたら自分が変わっているかもしれない、前に進めるかもしれない、すでにそうしている人は自信をもって歩み続けられるかもしれない。

もしこの映画を見て朝子のようにはならないぞと思っていただけたら、この作品はその人にとって意味のある作品だったんじゃないかな、そう思います。

『神と人との間』

1月27日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

ヘアメイク:横山 雷志郎(yolken)

スタイリスト:小林 洋治郎(yolken)

ジャケット、パンツ、白シャツ:インフルエンス 03-6438-9610

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