「プロゲーマーのロールモデルとなってプロを目指していける世界を作っていきたい」“ゲーマー社員”ガリレオ氏に聞く

Walkerplus

2018/1/26 06:00

ここ数年で耳にするようになってきた「プロゲーマー」とは、ゲームをすることで報酬を得て生計を立てている人たちのこと。

日本ではまだまだ少ないですが、世界の強豪プレイヤーたちは多額の賞金を手にし、さらに企業が広告塔としてスポンサード契約を行うことで、ひとつの職業として認められています。

今回は、スマホゲーム「にゃんこ大戦争」を提供しているポノス株式会社が、プロゲーマーを“社員”として積極的に採用しているという話を聞き、ゲーマー社員がどのような生活を送っているのか、なぜプロゲーマー採用を始めたのか、また、今後はどのようにプロゲーマーを会社の資産としていきたいかなどを聞いてきました。

インタビュイーは、ポノス株式会社のゲーマー社員第一号であるガリレオ氏と、その上司である板垣護氏です。

――まずは「プロゲーマー」についてくわしく教えてください。

ガリレオ氏(以下、ガリレオ):プロゲーマーというのは、大会に出場し、大会に勝つことで賞金を稼いだり、スポンサーを増やして生計を立てていったりする職業のひとつです。

賞金は試合の規模などにもよって変わってきますが、1万円から4200万円などとさまざまで、スポンサード契約も物品の支給から現金の支給まで、プロゲーマーと会社間によって多様な契約があります。

――ガリレオさんが、ポノス株式会社に入社されるまでのお話を聞かせてください。

ガリレオ:高等専門学校を卒業後、繊維メーカーに就職し、8年間は普通に会社員をしていました。その中で趣味の範囲ではありましたが、ゲームの全国大会で優勝するために頑張っていて、2013年に全国大会で優勝、その翌年の2014年には世界最大規模の大会であるEVOにも優勝することができました。

でも、会社員のほうで立場が上になったり責任が増えていったりすることで、なかなかゲームに時間を割くことができなくなってしまい、一時期ゲームができなくなっていた時期がありました。

どうにかまたゲームをやりたいと思っていたこの時期に、たまたまポノスのオフラインイベントでゲーマー社員募集の告知があったので、応募することにしたんです。

今までもゲーマーを社員として雇用するという話はあったのですが、どれもいまいちで。でも、ポノスは会社全体でちゃんと計画が立てられていたので、ここなら上手く両立できそうだなと思ったんです。

――ポノスさんは、なぜプロゲーマーを採用することになったのでしょうか。

板垣護氏(以下、板垣):ゲームをやっている人がないがしろにされる世の中だなと思っていて、でもゲーム会社としてそんな悲しいことはないじゃないですか。

ゲームが上手いことには必ず価値があり、その価値によってゲーム業界が発展する可能性が十分にあるなと思ったので、わたしがこの採用案を出しました。

――新しい試みであり、ゲーマーからの注目度も高かったと思います。多くの応募者がいた中で、なぜガリレオさんを採用することになったのでしょうか。

板垣:応募者のなかから実際にお会いしたのは、20名ほどでした。その中でいろいろな話をしてきたのですが、ガリレオくんが地元京都でゲームをしているときに、自分の大好きなゲームを普及するためその場にいる人に100円玉を配ってプレイしてもらっているという話を聞いて、「ゲームへの愛が強いな」と思いましたし、そのマインドがゲーム作りに活かせると思って決めました。

――ご縁あって入社されたガリレオさんは、ふだんどのような日々を送られているのでしょうか。

ガリレオ:僕は、ゲームには身体作りも大切だと考えているので、月曜日の午前中はジムに行ってから出社しています。出社後は、16時とか17時くらいまで社内でゲーム開発に関わっていて、時間になったら都内のゲームセンターへ練習しに行きます。

――本当に、ゲームを中心にした会社員生活なんですね。

板垣:ガリレオには大会で結果を出すことを優先してほしいということを伝えているので、もちろん社内の仕事も大切ですが、それ以上にゲームの練習を、上司としても会社としても応援しています。

――まわりの社員と違う働きかたをしていると目立ってしまうことも多いと思うのですが、ガリレオさん入社後の反応はいかがだったのでしょうか。

板垣:最初はリアルに想像できていなかった社員も多かったのですが、彼が結果を出し続けてくれて、ガリレオやポノスという会社の名前が外に出ていくことで、「ゲーマー社員っていいね」という空気感になってきました。

また、ガリレオ自身のキャラクターというか、とても誠実な人間なので、そこもみんなから受け入れられる理由のひとつだと思います。

――ガリレオさん自身は、まわりの反応をどう感じていますか?

ガリレオ:自分自身は今でも必ずしも全員が理解してくれているとは思っていないので、信頼関係を深めたり、結果を出したりすることで認めてもらうのが大事だと考えています。

なので、月曜日以外の始業時間の朝10時には絶対出社しますし、他の社員よりも会社にいる時間が短い分、できるだけコミュニケーションは取ろうと思っています。

また、ゲーム会社なので休憩時間にゲームをしたり、忘年会や懇親会でゲーム大会をするときには、絶対に一位になるようにしたり。ゲームが上手いことが僕の信頼に繋がると思っているので。

――ゲーム大会では、ガリレオさんの取り合いになりそうですね(笑)。周りの社員の方からの反応で、思い出深いものがあったら教えてください。

ガリレオ:プロゲーマーとしての僕を、みんながすごく応援してくれているんですよね。大会前にはLINEで応援メッセージが来るんですが、この前は世界大会の時に、海外ということで時差があるにも関わらずメッセージを送ってくださって、本当に嬉しかったですね。絶対に勝たないといけないな、という気持ちにもなります。

――素敵なお話ですね。会社として、ゲーマーを採用してメリットやデメリットがもしあれば教えてください。

板垣:メリットのほうが多いのですが、やはり広報的な面での効果が大きいですね。ポノスがeスポーツに対しての思いや、ガリレオの活躍を通して協業したいという会社さんも何社かあって、ゲーム会社としては良いブランディングになっていると思います。

デメリットといえば、お金がかかることでしょうか(笑)。海外大会の参加・渡航費も出張費扱いで会社が負担しているので……。でも、広報価値として考えると、十分にペイできていると思います。

――お金の話が出てきましたが、ガリレオさんの収入もお伺いしてよろしいでしょうか。

ガリレオ:一般的な収入はいただいていますし、板垣も申したとおり、その他にも海外遠征時や、あとはゲームセンターでのプレイ時のお金も補助してもらっています。本当にゲーマー社員が一番活動しやすいよう、マイナスが出ないよう会社で調整いただいていて、ありがたいです。

――ポノスさんは会社全体でちゃんと計画が立てられていて、バックアップ体制もしっかりされていて、素敵な環境ですね。今後のゲーマー社員の採用についてお聞かせください。

板垣:開発中のゲーム、例えばアクションならアクションのプロゲーマーなど、ゲームに親和性のあるゲーマー社員はどんどん増やしていきたいと思っています。決まっている予算は今のところ特にないので、良い方がいればどんどん採用していきたいですね。

――会社としてもゲーマー社員は増やしていく方針で、おそらくガリレオさんに続く新しいゲーマー社員が増えていいくかと思うのですが、会社のなかで、また社会のなかで、どんなゲーマー社員を目指していきたいですか?

ガリレオ:会社のなかでは、ゲーマー社員同士は同僚なのはもちろんのこと、ライバルであり同志でもあるので、みんなでこのゲーマー社員という素晴らしい制度を今後も続けていけるよう、ゲームに勝っていろんなところで自分たちを見て知ってもらいたいと思います。

生活のためにゲームを辞めて行く人をたくさん見てきたので、それを食い止められるように自分がロールモデルとなって、プロを目指していける世界を作っていきたいと思います。

あとは、青臭いかもしれませんが、対戦ゲームって結局対戦相手がいてこそ成り立つので、対戦相手の人がとても大切なんですよね。なので、人を大切にできる世界であり続けられるようにも、できることはしていきたいと思っています。小さいところですが、初心者を大切にしたいですね。

――本日はありがとうございました。(東京ウォーカー(全国版)・大原絵理香)

https://news.walkerplus.com/article/134148/

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