茂木経済再生相にまた公選法違反! でもメディアは一切報じず! 同じ違反で小野寺防衛相は議員辞職したのに

リテラ

2018/1/25 22:00


 安倍首相が現在、看板政策に掲げている「人づくり革命」。しかし、肝心の担当大臣に、またも新たな疑惑がもち上がった。茂木敏充・経済再生担当相兼人づくり革命担当大臣の公職選挙法違反疑惑だ。

しかも、今度の疑惑は過去に小野寺五典防衛相が書類送検、議員辞職に追い込まれた「線香事件」とソックリなものなのだ。

疑惑を報じたのは、25日発売の「週刊新潮」(新潮社)に掲載されている、『1強「安倍政権」の泣き所「茂木大臣」が尻から煙の「買収線香」』という特集記事。「週刊新潮」は昨年8月に茂木経済再生相が自身の選挙区である栃木5区の主に後援会幹部に対し、1部600円の「衆議院手帖」を毎年3000部(180万円分に相当)も配布していたことを報道。しかも、後援会費を払っていない人に手帖を配っていた事実を突きつけた。

後援会費を払っていないとなれば、彼らは名前を貸しているだけに過ぎず、そうなれば一般の有権者と変わらない。そして、彼らが受け取った手帖は、600円で販売されているれっきとした「有価物」だ。選挙区内で有権者に有価物を配れば、それは公選法で禁じられている「寄附」にあたる。

しかし、茂木経済再生相は同誌発売日にすぐさまコメントを発表し、〈衆議院手帳は、茂木の名前や写真の入ったものではなく、党員や政党支部関係者らに政党の政治活動用資料として配布しており、記事にあるような不特定多数に配布した事実はありません〉と否定した。

だが、「週刊新潮」はさらなる爆弾を投下する。「手帖の贈呈者リストと個別の配布数」が書き込まれた内部資料を入手し、その手帖を受け取った当事者たちから「後援会には名前を貸しているだけ」「党員資格はないし党費も支払っていません」という証言を掲載したのだ。

そして、今回「週刊新潮」が報じたのは、選挙区内の有権者に線香を配っていた、という問題だ。じつは、茂木経済再生相の選挙区では、新盆に線香を茂木本人、あるいは秘書が配り歩くことが〈風物詩〉となっていたというのである。

茂木事務所の関係者の証言によると、その線香の値段は1000~1500円。茂木本人が配るのは「規模の小さくない企業の社長とか日頃から大きなサポートを受けている方や、そのご両親が亡くなった時に限って」。「それ以外の親しい人」については秘書が対応していたという。

さらに同誌は栃木5区の有権者に取材をし、「新盆に秘書が線香を持ってきたか?」と質問している。すると、あっさりと「はい。はい。覚えています」と回答。別の有権者も「お線香だったか、かもしんねえ」「箱に入ってたね、幾つかね。6つだか5つだか、折箱みたいなんに入ってた」と答えているのだ。

前述したように、選挙区内の有権者に有価物を配る行為は公選法違反にあたる。事実、冒頭でも記したように、線香を選挙区で配ったことが公選法違反と認められ、小野寺防衛相は議員辞職しているのだ。

それは小野寺議員が当選2年目の1999年に発覚した。同年、新盆だった選挙区内の有権者宅約500件に名前入りの線香セット(約1000円相当)を配った公選法違反の疑いで、小野寺議員と7人の秘書が同年12月24日に書類送検された。小野寺議員は翌2000年1月6日には辞職を表明し、同月21日には仙台地検は公民権停止の期間を3年などとする略式起訴が相当と判断した。

当時のことを、小野寺防衛相は以下のように語っている。

「お線香を持参してお供えすることが公職選挙法の「寄付行為」に当たるとして、警察から任意で事情を聴かれることになりました。検察等の話を聞く中で「これは明確に違反だな」と思いましたので、自ら議員辞職をいたしました」(2014年6月「10MTVオピニオン」)

茂木経済再生相の場合は線香に名前が入っていなかったというが、それでも事務所秘書がそれを持参すれば、茂木氏からのものと受け取るのは当然のこと。小野寺防衛相が「明確に違反」というように、茂木経済再生相のケースも公選法違反にあたる可能性は極めて高い。しかも、茂木経済再生相の場合は手帖配布問題もあるのだ。

いや、最近の事例を考えても、法相を辞任した松島みどり議員のケースでは、特捜部はうちわが有価物であり、公選法上の寄附にあたると認定。松島法相のうちわの単価は1本当たり36~45円で制作費はトータルで約150万円だったというが、一方、茂木経済再生相は手帖だけをとっても180万円相当を複数年にわたって配布していたと報じられており、これに線香問題を加えれば、松島議員よりももっと悪質だ。

こうしたことを見ても茂木経済再生相のこの一件は、大臣辞職だけではなく、議員辞職、公民権停止に相当する疑惑を孕んでいる。だが、異様なのはメディアの姿勢だ。現役大臣にこれだけの疑惑がもち上がっているというのに、どのメディアもこの問題を後追いせず、まったく報じていないのである。

しかし、じつは「週刊新潮」によると、昨年8月の第一報の後、茂木経済再生相が「大手メディアの幹部」にこんな連絡をしていたというのだ。

「総務省のお墨付きがあるから、何の問題もない。だから新潮に乗っかると誤報になっちゃうよ」

もしこれが事実であればなんとも姑息な話だが、実際に毎日新聞や地元・下野新聞、テレビ朝日などは茂木経済再生相の言い分ばかりを垂れ流していた、と同誌は指摘している。今回もそうした安倍政権お得意のメディア圧力によって報道を拡大させないつもりなのだろう。

だが、再度言うが、同じように線香を配って小野寺防衛相は議員辞職しているのだ。これで大臣の座に茂木氏が居座るようなことになれば、安倍政権によって法と報道が機能不全に陥っていることを意味するだろう。
(編集部)

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