前田日明が『THE OUTSIDER』10周年に感慨 自身のリング復帰は否定「めちゃくちゃになっちゃうよ」

日刊サイゾー

2018/1/25 19:00


 格闘王・前田日明が、現代版「あしたのジョー」を探すため2008年に立ち上げた日本最大級のアマチュア総合格闘技イベント『THE OUTSIDER』が10周年を迎え、24日、都内で記念イベントを開催した。イベントでは所属選手の本音に迫ったドキュメンタリー映画『タイトロープ』の上映と、前田日明・水道橋博士によるトークショーも行われ、前田はこの10年の活動を振り返って、「大変だったけど、10年やってきてよかった」と感慨深げ。この日は自身の59歳の誕生日でもあったが、リング復帰について問われると苦笑い。「復帰はない。俺のプロレスは、やっちゃいけないプロレスばかり。今それを60代のヤツらにやってもね。めちゃくちゃになっちゃうよ」と、きっぱりと否定した。

世の不良青年らに、格闘技を通じて更正の道を与えることをコンセプトに立ち上げられた『THE OUTSIDER』。映画『タイトロープ』では、そんな不良上がりの青年たちが格闘技を通じて自分たちの居場所を再確認し、新たな目標に向かって邁進する姿がドラマティックに映し出される。トークショーには、記念すべき『THE OUTSIDER 第1戦』にも出場、弁護士と格闘技の2つの世界を生きる堀鉄平や、“キングオブアウトサイダー”の異名を持つ啓之輔、ryoら出場選手も登壇。

前田は「今の不良たちは、自分たちの世代とは違う。裕福な今の日本で、何をちゃらちゃらグレているのかなと思っていたけど、話してみると、自分たちの世代とはまた違う悲しさを持っていて、傷ついて行き詰っている子ばかり」と、大会に集る不良たちの素顔を紹介。

「その子たちを見ていると、目つきとか後ろ姿とか立ち姿に、その子の今の生きている状況がすごく出ている。彼らの背中を見ていると、自分と重なるときもあってね、彼らのために何かできないかなって思った」と本大会の開催の経緯も説明。そういう青年たちをリングに上げた結果「本当にどうしようもないヤツは一人もいなかった。破滅型のヤツもいるかと思ったけど、まだ出会ったことがない。その後、いろんな選手が伸びていったり輝いていったりして、(大変だったけど)そういう風景を見れるからこそ、ここまで続けてこれた」としみじみ。

選手らとのコミュニケーションにも力を入れているといい、「結構、言いたいこと言っているよ。ふん! って、どっかに行っちゃうやつもいるけど、彼らも時間が経てば、少しずつ心を開いてくれる」と前田。「そもそも彼らの更正目的でやっている大会。(他の団体のような)シノギ目的でやっている大会とは違う。これからも継続してやっていきたい」と述べると、大会の方向性についても「選手が自分たちの1年後をどうするか、3年後をどうするか、5年後をどうするか、そういうことを、きちんと考えられる大会であり続けたいと思っています」と熱っぽくスピーチした。

登壇した選手たちも、前田には感謝しきりの表情。啓之輔は「自分はアウトサイダーに出会ってなければ格闘技とも出会っていなかっただろうし、どんな人生になっていただろうって思うんです」と述べると、前田について「毎回むちゃくちゃなことを言われますが、いろいろ人生を教えてもらっています」と感慨深げ。「アウトサイダーと出会わなかった人生は想像もつかないです。出場するようになって、いろんな人に名前を知ってもらえるようになった。今は自分でジムを2件、経営するようになりました」と参加後の人生の変化を紹介。

弁護士という、格闘家としては異色の本業を持つ堀も「僕も人生が変わりました」と述べ、「普段自分の仕事で接している人と全然違う人たちと触れ合え、狭い世界から脱することができた。自分の世界が変わった」と笑顔。

Ryoも「今まで見ていた世界が変わった」と同調し、「周りの反響もすごかった。僕に自信をつけさせてくれた。前田さんからは、学ぶことがたくさん。LINEを一緒にさせてもらって練習法とかを忙しい中、アドバイスしてくれたりして、感謝しています。ふとしたときに人生論も教えてくれたりして、自分もそういうふうに生きていきたいと思うようになりました」と話していた。

『THE OUTSIDER』は今後、2月25日に福岡・宗像ユリックスで第49戦、3月11日に東京・ディファ有明で第50戦が予定されている。
(取材・文=名鹿祥史)

■THE OUTSIDER(FIGHTING NETWORK RINGS公式サイト)
http://www.rings.co.jp/

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